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番外編:世界会議3

42話になっていたものを後日談として再掲載いたしました。


  「もう一度伺いますが、ヘンリー様の事を好きか嫌いかで決めてみてください」


クルスが念押しするように聞いた。


「そうねえ、嫌い、ではないから好きでいいかもしれないわ」


「なるほど・・・」


「でもねえ、わたくしはやはり王妃よりも宰相になりたいのよね」




「だったら、宰相になればいいのでは?」


アルベルトの後ろに控えていたバッツがいきなり発言をした。


アデレイドが皆の意見を聞きたい、と言ったので、遠慮なく発言したようだ。


「バッツ様、相変わらずですね」


そう言ってアデレイドは面白そうに笑った。


「アデレイド様、バッツが大変失礼を・・・」


「カミラさん、いいんですよ。裏表のない意見ですもの。わたくしに阿ることなく発言してくださるバッツ様に何度も助けられましたから」


婚約者の発言に慌てるカミラをなだめた。




「バッツ、宰相になったら王妃様にはなれないぞ」


「王妃様には王妃様の公務があるだろう?宰相の仕事との両立は難しいだろうし」


「そうだな、それに、王と宰相が夫婦だと、他の貴族から苦情がでそうだしな」


「どうして苦情が?」


「どんな政策を出しても夫婦で決めてしまうように見えるだろう?


国政を独裁していると思われても仕方がない」


「なるほど・・・だったら、皆で政策を決めたらいいんじゃないか?」


「「「「は?」」」」


「公の場で皆で政策を決めるようにしたら、独裁じゃないだろう?」


「まあ、そうだが」


「では王妃の仕事はどうするんだ?」


「誰かに分担してもらえばいいんじゃないか?」


「「「「は?」」」」」


「アデレイド様が信用できる誰かにできることはやってもらえばいいじゃないか」


「それでは王妃とは呼びにくいのでは?」


「だから、宰相のままでいいじゃないか。


大体、女性が活躍できる社会を目指しているのに、結婚したら男性の家に入って、仕事もあきらめるなんて変じゃないか」




バッツの言葉は女性陣の琴線に触れたようだ。


「そうですわ、女性だからと言って男性の都合に合わせることありませんわ」


「アデレイド様、バッツの意見、アリだと思いますわ」


「ええ、新しいスタイルの夫婦の在り方になりますわよ」


きゃいきゃいと大盛り上がりである。


男性陣はその輪に入ることができず、こそこそと話をしていた。




「おい、バッツ・・・これどうすんだよ」


「いや・・・その思った事を言っただけで」


「女性陣が張り切ってるぞ」


「わが国はいいが、他国からはどう思われるか・・・、しかも言い出しっぺはバッツだぞ?」


「マニスタン国がけしかけた、内政干渉の批判を受けるかもしれんぞ」




話は大いに盛り上がり(主に女性たちが)アデレイドは国に戻ってからヘンリーと話し合ってみることになったらしい。




お茶会の最後にバッツが一言


「アデレイド様、結婚決められたんですね。おめでとうございます」


などと言い放った。


その瞬間、カミラから足払いをかけられ、膝で体をおさえられながら、


「バッツ、お前のその口をどこかに捨ててこい」


と冷たい声で言われ、口をひねり上げられた姿が、アデレイドから爆笑された。




「ちゃんと結果を報告しますわ」


そう言ってアデレイドはアルベルト達と別れた。

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