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3 王子の側近

本日2話投稿です。


 午後、サロン入り口を護衛している騎士が扉を開けて入ってきた。

「ゼフさん、いつもの報告です」

騎士の後からは地味な感じの令嬢と令息、メイド、庭師、調理人と8名が続いてきた。

「本日の報告書を」

それぞれが執事ゼフに書類を渡す。


ざっと目を通したゼフは隣にいる侍女クレアに書類を渡す。

書類を確認しながらクレアはため息が出てきた。

「毎日毎日本当に・・・。あら?これはリザベラ様が?」

「はい、男性との距離が近すぎますよ、特に婚約者がいらっしゃる方には特に注意をしなければとご注意された所でバッツ様に肩を押されましてお倒れになられました」


地味目な令嬢が淡々と報告する。

「それで、リザベラ様は?」

「婚約者のクルス様がリザベラ様を助け起こされまして、退出していかれました」

「クルス様が、ね」

側近候補達の中でエリザベスから少し距離を置いている令息の顔が浮かぶ。


「報告書にもありますが、クルス様はバッツ様に『か弱い令嬢に乱暴するとは、頭の中は花でも咲いてるのか?騎士を志していると思っていたが、しつけの悪いただの犬だな』とおっしゃられていました」

庭師が報告をする。


「バッツ様の様子は?」

「一瞬拳を握られたのですが、申し訳なかった、と頭を下げておられました」

報告を聞いたゼフはほう?と眉を片方上げた。

「まだ多少は理性が残っていると見えるな」


「それが、その後平民令嬢が『クルスってばぁ、バッツも謝ってるしぃ、もういいでしょ~』と言いながらリザベラ様からクルス様の腕をとろうとして振り払われておりました。


曰く、『私は王子の側近候補として常に側にいるのであって、貴女から呼び捨てにされる身分ではない。

あなたの頭の中も花が咲いているのだな。リジーの注意したことが恥ずかしいと思いもしないとは。

私の婚約者がわざわざ常識を教えて注意してくれたというのに』

『なっ、だって、あたしこの間まで平民で・・・』

『だからこそ、この学園で貴族としてのふるまい、常識を学ばねばならないのでは?

元は平民といっても今は男爵令嬢なのでは?

だいたい平民だって婚約者や恋人のいる男性にベタベタしたりしないのではないか?

殿下がどうお考えなのかはわかりませんが、かわいそうだと甘やかすことが、悪いのは相手だと盲目的になることが王族としてのふるまいなのか、もう一度お考えいただくことをお勧めしますよ』

そうおっしゃられるとリザベラ様と歩いていかれまして、声の届くギリギリのところで


『婚約者以外の女とベタベタするなど、頭に虫が湧いてる証拠だ。恥を知れ、

な~にがあたしだ、気持ち悪い、何人にベタベタしてると思ってるんだ、ったく』

『クルス、言い過ぎですわ』

そう言ってリザベラ様に腕を叩かれておられました。


「仲の良いことで」

「しかし、クルス様はずいぶんと溜め込んでおられたのだな」

「えぇ、自身の婚約者であるリザベラ様とは仲良くされておられますし、側近候補としても殿下に意見を申し上げるよい機会だと思われたのでしょうね」


「殿下たちの様子は?」

聞かれた8人は一様に、ニヤッと笑みを浮かべて

「皆様驚かれた様子でしたが、あの平民令嬢が触ろうとするとそっと避けながら早々にお帰りになられました」

「あの令嬢が追いかけても誰も止まらずにそれぞれの馬車に乗って」

「あの令嬢『みんなまってよぅ~、あたしも乗せて~』なんて追いかけてましたが、

『今日は早く帰ろう、私は今日は王宮に戻るし、皆も自宅に戻るそうだ。

君も自分の寮にお帰り』と殿下に言われてました」


「『なんなのよ、リザベラがクルスをとっちゃうからこんな風になったんだわ、いらいらする』

そう言いながら寮に戻っていきました」


「寮では『あたしのほうがアルにふさわしいと思うんだよね、だって可愛いし、アルだって婚約を破棄しておきたいって言ってたしぃ、ねぇ、そう思わない?』などとあたりかまわず大声で誰彼となく話しかけて居りまして、言われた皆様『虫がいる』という感じでまったく相手にされておられませんでした」

「虫、うまいことを言う」

サロンの中は失笑であふれた。

「さて、みなご苦労、明日からもよろしく頼む」

ゼフの一声でそれぞれ礼をして退出していった。


それからゼフとクレアは報告書をまとめると王宮へと戻っていった。



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