表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/74

18 王子と見学


東国に滞在して数日が過ぎた。

文化が違いすぎるため、文官から東国の事について学ぶ日々だ。

バッツやフリッツ、ジャン達が刀や弓などについてかなり興味を示したため、武人たちの訓練の見学をさせてもらうことになった。


「全然違うな」「刀の持ち方からして違うな」「あの刀、近くで見ることはできないかな」

などと興味が尽きないようだ。

もちろんアルベルト、クルス、オズワルド、カルーセル達も武人たちの訓練にくぎ付けになった。

マニスタン国の騎士は外で地ならしされた場所で鍛錬を行うが、東国の鍛錬は室内を使う。

鍛錬場は木の板が張られている。

そこに裸足で入るのだ。

「裸足でお入りくだされ」

「靴を脱ぐだけでは駄目なのか?」

そう尋ねると、

「ここは神がおわす、神聖なる場所でござりまする。

その場所での鍛錬は裸足、と決まっておりまする」

そう言われると、アルベルト達は裸足になるしかない。


広々とした板張りの鍛練場は、入った正面に一段高く上がった場所があった。

その場所には何か飾ってるようにも見える。

アルベルト達は正面とは反対側の隅っこに案内された。

「申し訳ござりませぬが、此方では立ったままの見学でお願いいたしまする」

そう言われれば、立ったまま見学するしかない。



やがて武人たちが続々と入ってきた。

入り口で頭をさげ、壁際に座っていく。

話をする者もおらず、淡々と支度をしている、

入ってきた武人達は壁に沿って床にすわり、何やら身体に巻き付けている。

正面の飾りのある場所の前に誰がが座った。

すると、座っていた武人達が一斉に頭を下げた。

正面の人物はそんなに大きな声ではなかったが、

『始めよ』と言ったらしい。

武人達が一斉に「おう」と応え、立ち上がると手に持った木の棒をお互いに打ち込んでいく。

少しでも気を緩めたら木の棒は身体にあたり、おそらく大怪我を負うだろう。

打ち合いの後、今度は相手の胸に向かって棒をつく。

突かれた方は、しっかり受け止める者、よろける者と色々だった。


その後の鍛錬も、アルベルト達が声を出す事もできないほど、一瞬の気の緩みも許されないものだった。


唖然としているアルベルト達には目もくれず、腰の太さくらいある布を巻いた木が並べられた。

武人達は正面にいる人物の前で座り、頭を下げてから横にある場所から刀を持っていく。

そして、その刀で、あの布巻きされた木を真っ二つに切った。

「「「「「「???!!!!!!!」」」」」」」

アルベルト達の衝撃たるや、全員で床に膝をついてしまうほどだった。

剣道と居合い道が混じってる感じと思ってもらえたら、そんな感じです。

作者の考えたゆるふわ武道だとお許しください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ