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僕と君  作者: かな
4/8

彼女を初めて見たのも海だったと思う

いつものように、くさくさして海に来ていた

その日はたまたま土曜だか日曜だかの晴れた日で、いつもより人が多かったように思う

いつもは何となく人のいないときに来ていたから、少ししまったと思った

けれど、まぁいいかといつものように向こう岸を眺めた

しばらくすると、目の前を人が走って横切っていく

そんなことが幾回かあり、僕は景色を見るのを諦めて周りの人たちを眺めた

犬の散歩に来た人たち、お茶を飲んで休憩してる人、一人でぼんやりしてる人…

その中に一人、着物を着ている人がいた

あれ? と思いながらも、気軽そうなその格好にすぐに違和感が消えてしまう

人が多いな、ともう少し別の場所へ行くことにした


近くのショッピングモールでついでに買い物をしながら、のんびりと歩いていく

途中でふと、肉まんが食べたくなったので、久々に買い食いもした

寒い時期の、熱さとのコントラストより、丁度よい気候で食べるのが好きだった

もう少し歩くと高台に出て、そこから海が見えた

週末に訪れたことは無かったかもしれない

けれど、いつ行ってもそれほど人はいなかったように思う

のんびり歩いて行くと、確かに先ほどより行き交う人も少ない

公園に入り、奥を目指していく

ほとんど誰もいないようだ

食べている肉まんに集中して、ぶらりぶらりと歩いていった

海が見える手すりのところで身体を預け、ぼんやりと向こう岸を眺める

ここなら、目の前を誰かが横切ることも無かった

風が髪をさらって、僕は慌てて肉まんを食べ終えた

高台だから風が強いな、と海に背を向けて髪を撫でた

そこで、あれ? と思った

先ほどと同じ着物の人がいると思った

一瞬、どこかの制服かとも思ったが、特にコンセプトがあるようにも思えない

それに、纏っている気軽な雰囲気が一緒な気がした

ぼんやりと見ていると視線を感じたらしい

彼女がこちらを見て、さっと顔を逸した


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