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賢者の哀しみはより深く   作者: 新竹芳
序曲 第4章 「天の恵み」攻防戦 Ⅲ
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第41話 統合司令ミノルフ

 ミノルフはペガサスと共にシリウス別動隊後方の戦闘司令車に舞い降りた。


 ペガサスをその場に残し、戦闘司令車に入り、その中でモニターを見つめているバイエル准将の横に座った。


「経過はどうですか、バイエル准将。」


「こちらの部隊はほぼ所定の位置に着きました。移動車を道の両端に配置して、とりあえずの「魔物」除けにしています。国軍の兵士たちが凹凸の激しい場所を整備、先行する冒険者たちが「魔物」駆除をやっています。ただ、ある程度をアクエリアス別動隊が引き付けているために、こちら側に来る量は限定的。ですが、凶悪化してるという報告も来ています。原因はわかりますか?ミノルフ司令。」


「「カエサル」様より、どうやら「天の恵み」から漏れ出た薬剤が影響しているのではないかとの事です。オオネスカチームとデザートストームが現在交戦中の「魔物」の(ムクロ)を燃やして、影響を最小限にするために、対応しているところです。これは「天の恵み」に近づくほど影響を受けやすくなってるようなので、近隣部隊には緊急でその対処法を連絡しましたが、ファイヤーソード現象を起こせる剣士はそれほど多くないのが実情です。」


「ロングソード現象、フライングソーサー現象、ファイヤーソード現象。凄まじいものですな、「特例魔導士」というやつは。聞くところによると、養成学校の3年のようですが、アルクネメといいましたか、その娘は。」


「ええ、才能というものを見せつけれた思いです。ソード系の現象はデザートストームのバスク殿、フライングソーサーに至ってはタイガー級の「魔物」から見て会得したとの事です。」


 自分もフライングソーサー現象は、アルクネメの動きでできるようになったとは、バイエルには言えんな、と心の中で呟いた。


「彼らが、ほぼ「天の恵み」に到達しているのですね?」


「先ほど、グループリーダーのダダラフィン殿からそう連絡がありました。Aランク以上の「魔物」と対峙しているとの事です。」


「援軍は?」


「難しいところです。「冒険者」達で急いでいるところはありますが、学生たちのお守りをしているグループが、なかなか連携が難しいようで。デザートストームほど、連携が取れているところがありません。それどころか、反目しているところもあるようで、足の引っ張り合いになっています。」


「デザートストームを標準にしてはいけないという事か。というよりも、一流の「冒険者」に合わせられる学生の方が異常ですな。」


「そう考える方が、普通だと思います。デザートストームとオオネスカチームの連携が奇跡ですね。」


「了解しました。学生の「特例魔導士」としての資質の期待したところもあったが、連携がうまくいってないグループの学生は後退させ、後方の守りに従事させましょう。そいつらを防護していた「冒険者」チームには、その任を解いて、「魔物」狩りを行わせていきます。」


「了解です。では、バイエル准将、引き続き作戦支援の任の全うをお願いします。」


「こちらも了解しました、ミノルフ統合司令。」


 二人は互いに敬礼し、ミノルフは戦闘司令車を後にした。


 ペガサスが退屈そうにミノルフを見ている。


(話し合いは終わったかい、ミノルフ)


「ああ、このままの形で続行。ただ相性の良くない学生と「冒険者」を分けることで、合意して、実行命令を出してもらったよ。これから少し隊列が乱れるはずだ。その隙を「魔物」達は見逃さないはずだから、空から監視をしたのち、また「天の恵み」に戻る。」


(OK!では、行こう、ミノルフ)


「任せたよ、ペガサス。」


 ミノルフはペガサスに跨り、再び空に飛び立った。



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