第1話 宇宙を行くもの
今までとは違うジャンルに挑戦してみました。
不定期更新となるかもしれません。
楽しんで頂ければ幸いです。
第1惑星軌道上、リング状の巨大な人口建造物が周回していた。
時折、短時間の噴射を行い軌道修正を繰り返している。
今、その巨大なリングの内側が、淡い光に包まれた。
と、その光の中から、次々と卵のような物体が出現してくる。その数は3。
そのすべての物体は、同じ目的地を目指して移動し続ける。
目的地はこの連星太陽系の惑星。
その星に向かい、3つの物体が接近していた。
いまだ稼働を続ける「システム」により、目的としている星の探索システムが接近を認識した。
さらに、うち2つが経路とは誤差以上に開き、もう修正ができる範囲を大きく逸脱していることも判明した。
遠隔でのその修正も試みたが、失敗に終わった。
3つの物体が、その星に降下を開始した。
監視を続ける衛星軌道上の「目」は、刻一刻と変わるそれら移動物体を正確に追跡し、その予想進路を的確に地上に送る。
情報を受け取った地上の施設は、その移動物体の降下点を正確に予測する。
その降下ポイントの近くを管轄するある施設は、移動物体が予定着地ポイントからずれていることを認識。
直ちにその物体の回収プランを決定、実行のための手順を開始した。