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勇者と言ったら勇者  作者: ゴリマッチョ見習い
3章勇者パーティ
16/23

3-4 パーティ結成

 ドロシーの喉渇いたの一言で、社長の気遣いによりただで飲み物を貰えた。

 「ほらよ、水だが冷えてるぞ」

 「サンキュー、おっちゃん」

 「頂こう」

 「いいんですか? お金払わなくて」

 「未来の英雄御一行だ。こんなんで金取ったらバチが当たるぜ。その代わり次からは贔屓にしてくれや」

 「ういーす。ふう! 暑かったから生き返る〜」

 「そりゃそのドレスじゃこの時期まだ暑いだろう。脱げばいいじゃないか」

 「こいつこの下、下着なんですよ」

 「脱ぎたいけど、勇者様が脱ぐなっていうからさ」

 チラ見してくるバカ一号。

 「なんで下着しか着てないんだよ。肌着着てくればよかったろ」

 「重ね着すると脱ぎたくなるんだもん。重いじゃん?」

 「未開の民族か」

 「踊り子の姉ちゃんに露出癖があるのは分かったが、しかしお前が脱ぐのを止めるなんておかしい。なにか悪いもんでも食ったか?」

 「失礼な! おれはいつでも紳士ですよっ!」

 「え?」

 急に素っ頓狂になる社長。似合わねー声出しやがって。

 「さすがにこんな童顔が脱ぎ出したら止めるでしょ!」

 「おい! だれが童顔だよ!」

 「お前」

 「修道院でセクハラし続けてクビになったやつが言っても説得力がないな」

 「それ誤解ですけど!?」

 よりにもよってこいつらがいる場で否定しきれない風評被害を……。

 「それは引く……」

 「常識を疑うな」

 踊り子のドン引きもうっとおしいが騎士のやれやれ顔が一等癪に触った。お前らの方が非常識なんだよ。

 「やれやれ、変態共の相手は疲れるな」

 「「お(アンタ)に言われたくねえ(ない)っ‼︎」」


 「それで、なんで止めるんだ?」

 おやっさんが問い詰めてきたので、確かにおれらしくないかもと思い考えてみる。

 「うーん、なんか故郷の妹に似ててな。大人ならそりゃ好きにすればいいが、十六でそーゆうのはまだ早いと思うんだ。だからたぶんほっとけないのかもな」

 「だ、そうだが?」

 「こんな兄貴はいらない」

 うへぇみたいな顔された……。

 「ともあれ、パーティとしてのバランスはいいんじゃないか? 剣士のおれに騎士、そして魔法使いで」

 「話の流れが強引だな」

 うるせえ。

 「二人とも、これからよろしくな」

 「この流れで!?」

 おれは握手のため手を出した。

 「ふん、精々おれの足を引っ張らないよう励め」

 「まあいいけどさ」

 二人と握手をする。

 ようやくここで変態率百パーセント? のパーティの結成が確定した。

 いい予感は……あまりしないが。



 数日経ったある日、午前中で仕事があらかた片付いたのでギルドに戻ってくると、同世代の顔見知りが騒いでいた。

 またいつものようにバカをやってるだけかと思っていたのだが、それにしては表情が険しい。

 「おっす。なんかあったのか?」

 「おうユウマか。いや、なんかさっきクエストから帰ってきたらよ、修道院でなにやら騒いでてさ。見たら警吏と修道院が揉めてたんだよ。なんでも、修道院から魔人が出たって」

 ……修道院から、魔人?

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