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第十三話『忘れぬ復讐心』

「いやぁ、案外すんなり入れてくれましたねぇ」

「確かにね。でも彼らはレジスタンス。金髪なら顔パスでいけるってことでしょう」


 与えられた小さな部屋で二人きり。

 監視は見た所付いていない。


「とは言っても、不気味すぎません?」


 夜空に月が浮かぶ中、レネは怠惰に呟いた。

 本当の心情など、彼女には見通せるというのに、この良い様。

 ……見逃しておきましょう。


「まぁ確かにそうですね。武器も持っているのに、それを何故か取り上げず……」

「部屋と、依頼のみを託してそのまま放任っと。難儀なモノですねぇ」

「しかもその依頼は野良機械兵(オートマタ)排除。完全に厄介払いでしょうね」

「このご時世、上っ面だけでも引き入れとこう、って話ですかねー」

「でも何故、私がエクセルだと見抜けたのか……」


 少し俯いて考える間もなく、レネは笑った。

 そろそろ、言ってくれるみたいです。


「混ざり物なしの真っ金金髪ですからね……」

「でもそれだけでは、少し違和感がある」

「ん、やっぱり気づきます?」

「ええ。純シエル民と言うだけで、決めつけられるのはどうも───」


 少し喜ぶ様に、レネが遮って来た。


「そりゃぁ、純シエル民がエクセルさんしか居ないからですよ」

「──────ほう。……本当に、ですか?」

「いや、正確にはエクセルさん含めて三人だけ、ですが」

「……?」

「怪訝ですねぇー。でも本当ですよこればっかりは。

 ……『地上』に居る純シエル民は、エクセルさんしかいない事は確かですよー。

 手配書も推敲されて、純シエル民だったら無条件に王子だと、書かれてますし」

「ツアーがやったのか……でも『地下』にはいるんでしょう?」

「居ますねぇ。でも正確な場所は全く、不明ですね」

「……そうですか」


 呆れる声を出しながらも、私は立ち上がった。

 銃を持って。


「どこに行くんです?」

「ここで討論を繰り返しても、足踏みになるだけです。まずは依頼をこなさないと」

「……野良の鉄屑退治ですよね。初めての戦闘ですよね」

「この体になって、ですね。でも……腕を落としたつもりは───無い」


 銃のコッキングレバーを引き、息を吐く。

 ……その目には、確かな復讐心が滲み出ていた。

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