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マオ、滅多打つ

「大丈夫ですか?」


 背中に回したメガトンバットでトロールの大剣を受けとめたマオは片手を無くした騎士へと声をかけた。

 守られた騎士もトドメを刺そうとしたトロールのどちらもが突然姿を現したマオを見て目を見開き、驚愕していた。

 騎士は自分の目の前いきなり少女が現れた事に、トロールは自分の振り下ろした大剣を難なく防がれた事に。


「あ、いや……」

「血を流しすぎてショック状態なのかもしれませんね」


 突然の事で咄嗟に言葉が出てこない騎士を見たマオは次いで腕がなくなった箇所から流れ出る血を見てそう判断した。


「ヒール」


 淡い光が騎士の腕へと集まり、とりあえずの止血を行う。


「とりあえずの止血です。過剰回復魔法オーバーヒールなら腕の一本位なら生やせますが今魔力を使うわけにはいきませんので」


 すいません、とニッコリと笑ったマオに騎士は顔を赤くさせるのだがマオはそんな事には気付かずにクルリと身体を回転させる。

 マオが体を回した事により、背中で大剣を受け止めていたメガトンバットもマオの体の動きに合わせて回り、防いでいたトロールの大剣をいとも容易く弾き、持ち主のトロールをも下がらせた。


「さて、セリムとエルレンティも到着したようですし」


 マオはパーティメンバーの二人が残りのトロール二体と対峙したことを確認すると、メガトンバットを片手でしっかりと握ったマオはようやく敵であるトロールへと視線を向ける。


「あなたはデカそうですので多少食べても問題ありませんよね?」


 一切の初動を見せずにマオは片手でメガトンバットをトロールの顔面に突きを放つ容量で繰り出した。

 無造作に繰り出したにしてはあまりに速い一撃にトロールは全く反応することも出来ずに顔面にメガトンバットを叩くつけられ、次に頭が爆散した。


 頭を失った事により一時的に身動きが取れなくなったトロールの隙をマオが見逃しわけもなく、素早く引き戻したメガトンバットを今度は足元を掬うようにして振る。

 これもまた尋常ではない速度で放たれた。動かないトロールは躱す素ぶりを見せる事なくメガトンバットを脚に叩き込まれ鈍い音を立てて本来向いてはいけない方向に脚を向け、音を上げながら倒れこんだ。


 そこからは滅多打ちであった。

 両手でしっかりとメガトンバットを握りしめたマオはひたすらに肉を打つ音だけを響かせ続けた。


(動かなくなるまで殴ります!)


いかに再生力が優れているトロールと言えども不死身ではなく限界はある。そんな事を知ってか知らずかマオは殴る。

 頭が再生しようとするとメガトンバットで吹き飛ばして、身動きが取れないトロールをひたすらに殴る。

 時折マオが全力でのフルスイングをするたびに体の一部にポッカリと穴が開くのだがそれでもマオは油断する事なくメガトンバットを振り続けた。


 やがてトロールから再生するときに上がっていた煙が上がらなくなるのに気づいたマオはメガトンバットを振るのを止め、しばらくトロールを凝視し、再生しない事を確認するとマオは満面の笑みを浮かべるのであった。


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