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ぶっ飛ばせる武器を手に入れたい

「依頼を頑張らなければ!」


 拳を作りマオは鼻息荒くやる気を出していた。

 珍しく討伐依頼だというのにだ。

 そして各自準備ということだったのでマオはこれまた珍しく武器屋へとやってきていた。

 そして武器屋の店主はというと暴れる事で有名な狂神官が自分の店にやってきた事に驚いたのか声すら上げなかった。


「エルレンティ、あなたも自分の準備はしないといけませんよ?」

「私の準備物もここで揃いますので。ですがお姉様にはその聖書があるではないですかぁ?」


 準備など特にする必要がないのかエルレンティはマオの後ろを付いてきていた。

 そしてマオが武器屋に入っていった後も追い、マオが武器を見ているのを疑問に思い声をかけたのだ。


「確かに、マオには女神の教えが記されたこの聖書があります」


 マオは肩から鎖で繋いで下げている聖書を軽く叩く。


「ですがこれはあくまでも遠距離武器であるという事に最近気づきまして」


 マオが投げているのは鋼の様な硬度を持つ聖書であり、鎖が伸びる故に遠距離武器として活躍はしている。武器の区分でいうのであればモーニングスターが近いのだろう。

 しかし、そもそも聖書とは、


「お姉様、聖書はそもそも武器ではないと思うんです!」


 武器ではないのである。


「一体ずつしか倒せませんし」


 マオはエルレンティの反論を無視した。


「振り回したら纏めて倒せるんですけど威力下がりますし」

「わからない…… お姉様が聖書に何を求めてるかわからない」


 全く話を聞いてくれないマオにエルレンティは頭を抱えていた。


「だからマオは相手をぶっ飛ばせる武器を手に入れたいのですよ」

「お姉様の力なら何使ってもぶっ飛ばせるんじゃありません?」

「それはまぁ、否定しませんが素手はダメです。あと刃がついてるのも」


 なぜか妙な拘りを見せるマオに話を聞いていた武器屋が訝しげな表情を作った。


「なんでだです?神官でもナイフくらいはいいはずでしょう?」


 神官でも護身用のナイフくらいは身につけている。そしてマオが食材確保のクエストに出ているのを見たことがある人物ならマオが肉を切り分けたりするのにナイフを持っているのは周知の事実であった。


「ナイフでは武器になりません。それに戦う敵はモンスター、もしくは女神の敵です。そんな相手には刃物なんて使いません」


 実際、マオならばナイフ一本でモンスターすら狩れる確信があるエルレンティなのだがそこは何も言わないでおいた。


「そりゃまたどうして?」

「女神に使える者は刃物ではなく鈍器で愛を教えるからです!」


 なぜか胸を張ってマオはそんな事を宣言するのであった。

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