表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
治療師の弟子  作者: 鈴木あきら
第1章 新しい人生
8/27

第8話 試合のゴング

カランカラン


「シャウラはいるかい?」

「えっ⁉︎アトリー…?凄い久しぶり。いつ以来かしら?」

「6年位だね。」

「もうそんなに経つのね…懐かしいわ…」


シャウラがアトリーを懐かしい目で見る。


「儂はいつも会っているがな。」

「そうだね。私はこの店の常連なんだよ。」

「えっでも、私は見た事はないわよ?」

「そりゃあ、来る時間帯が違うからのう。お前は朝、アトリーは夜によく来る。」


話を途切らす様にアトリーが


「それよりシャウラ、ちょっと聞きたい事があるんだけどね。シャウラの所の坊やと試合をしても良いかい?親の許可を貰わないと、試合をしてくれないんだよ…」

「……何言ってるの⁉︎そんな事をしたらアルが死んでしまうわ!」

「大丈夫だよ。手加減するし、それにあんたらが鍛えてるんだろ?それなら死にはしないよ。」

「それでもダメよ。」

「ほう。じゃあ、シャウラは坊やが弱いって言うのかい。それとも自分の教えに自信が無いのかい?だから坊やの実力も安心できる程、信頼のある物ではないって事か。」

「アルの実力は信じてるわ。ただ、貴女は手加減が下手くそだから、アルとの試合が不安なのよ。」

「確かにコイツは手加減が下手じゃったのう。」


ミゼルが賛同する。


「いやだねぇ。それくらい出来るよ。」

「絶対無理。出来ない。」

「私はもう、シャウラの知る私じゃないんだよ。私だって成長してるんだ。今なら、あんたを簡単に倒せるかもね。」


アトリーが挑発じみた発言をする。


「それに試合ができないなら…………………を、坊やに教えてあげようかな〜」


アトリーがシャウラの耳元で何かを言う。

教えるって何をだ?

シャウラがその発言で硬直している。

どうやら、俺に聞かれたくない事の様だ。


「何を教えてくれるの?」


少し気になる為、アトリーに尋ねる。


「それはな……」

「アルとの試合を許可しましょう。」


遂にシャウラが折れてしまった。

これで、アトリーがハマルに許可を貰ったら俺は試合をしなければいけない。

シャウラは一体、アトリーに何て脅されたんだか…

アトリーがニヤリと笑う。

試合なんかしたら、怪我でバキバキになる。

明日、武術を習えなくなるかもしれない。

しかし、まだハマルが居る。

シャウラは折れてしまったが、ハマルもシャウラも親バカだ。

俺が危険になる事は許可しないだろう。…多分。


「そうと決まれば、次はハマルだね。ハマルは家に居るんだろう?」


シャウラが頷く。


「よしっ。早速出発だ。」

「これは少し面白いことになりそうじゃのぉ。よし。儂も付いて行くからカイル、お前は店番をやっとれ。」

「何ついて行こうとしてんだよ。あんたこそ店にいないとダメだろう。俺じゃまだ、分かんないことがあるんだからさ。」

「じゃあ今日はもう店を閉めるかのぉ。ついでにお前も付いて来い。」

「は?それで大丈夫なのかよ。」

「それくらい、大丈夫じゃ。」


カイルが溜息を吐く。

どうやらここに居る皆で家に帰る事になる様だ。



■□■


「いいんじゃない?実力を試せるいい機会だね〜」


おい!

何あっさり許可してるんだよ!

俺怪我しちゃうよ?

明日動けなくなるよ?


「でも父さん。僕なんて全然相手にならないだろうし、明日の訓練に支障が出るかもしれないよ。」

「そうなったら、明日は休みでいいよ〜」


どうやら試合は避けられない様だ。

アトリーは木の長剣を手に持つ。

それに対して俺は、一番得意の木の短剣を手に持つ。


「それで良いのかい?」


アトリーが聞いてくる。

長剣と短剣ではリーチに差があるが、これの方が小回りが利く。


「これで大丈夫です。」

「じゃあ、早速やろうか!」

()()使()()()()()()から、頑張って見てね〜」

「…分かった!」


そして試合のゴングが鳴った。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ