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治療師の弟子  作者: 鈴木あきら
第1章 新しい人生
15/27

第15話 試合の結果

「始め!」


アトリーの掛け声と共に、カイルが盾を構えながら俺の方に向かって来る。

其の儘カイルは、盾の位置は変えずに身を低くし、そこから俺の足に向かって剣を振る。

それに対して俺は穂先でそれを受け止め、石突でカイルの足を払う。

カイルが「うおっ」と声を漏らしながら尻餅をつく。

俺はそれを機に、穂先をカイルの頭に下ろすーーのは流石に撲殺までは行かなくとも危険の為、カイルの体に横から打撃を入れようとする。


「…ッ“カウンター”」


苦し紛れのその言葉と共にカイルは俺の攻撃を盾で防ぎ、剣で横から俺の体に打撃を入れる。


「ーーッ⁉︎」


先程受けた攻撃よりずっと重い攻撃に、思わず俺はよろめいてしまう。

其の儘俺は長槍を持ち直し、カイルの攻撃を防ぐ。


今、“カウンター”って言ったよな。

別に口に出す必要性はないと思うが、これは恐らくスキルだろう。

反撃(カウンター)と言うだけあって、俺の攻撃の分も上乗せしているって事なのか?

今回の試合、魔術は使うなと言われているが、スキルはそう言われていないもんな。

それにしてもスキルか。

これは、訓練をしていれば獲得出来るものなのか?

それともカイルが生まれながらにして持っていたのか?

カイルのステータスを見たいところだが、それだとフェアじゃない。

まぁ、試合後は見させてもらうが。

もし訓練で獲得出来るのなら、知らないうちに獲得しているのかも知れない。

と言うのも俺は普段、ステータスを見る時はHPやMP、攻撃力等のパラメーターしか見ていなかった為、スキルが増えたかなんて知らなかった。

それでは早速、“ステータスオープン”



名前 : アルファルド・ラティフ

種族 : 人間 (クウォーターエルフ)

性別 : 男

年齢 : 5歳

レベル : 1


HP : 2730/2743

MP  : 3905/3920

SP  : 2240/2244


物理攻撃力 : 625

物理防御力 : 762

魔法攻撃力 : 836

魔法防御力 : 964

命中力 : 578

俊敏性 : 891

運勢 : 663


スキル獲得時アナウンス (OFF)


スキル

浮遊 : 1/10 Lv

身体強化 : 1/10 Lv


常時発動スキル

回復量増加 : 1/10 Lv

感覚麻痺 : 2/10 Lv

二重思考 : 2/10 Lv


ユニークスキル

全適性

成長補正

全知 : 2/10

星霊術 : 1/10 Lv


称号

転生者

??遣い



……なんか前見た時と随分変わってるな。

分かり易くなったと言うべきかも知れないが。

“ステータスクローズ”

変なスキルが見えた様な気もするが、まぁ詳しいことは後にして、取り敢えずスキルを使ってみるか。

“身体強化”


ガンッ


俺は盾を構えた穂先でカイルを払い飛ばす。


「「ーーっ⁉︎」」


ーーん⁉︎

唖然として俺は、自分の手元からリングの外にいるカイルに視線を向ける。

想像していたよりも威力が強い。

その上、一部ではなく全体を強化していた。

恐らく決まったスキルポイントを消費してスキルを使うのだろうが、レベル1でこれか。

家に帰ったら色々検証して見る必要がありそうだ。


其の儘カイルは場外と成り、試合は俺の勝利で終わった。


「いや〜、やっぱり強いね坊や。短剣を使ってくるかなと思ってたけど、まさか槍を使ってくるとはね。それに、カイルがスキルを使っても大して効いて無かったみたいだしね。」

「ってかそれ以前に何だよあの怪力は。」

「カイル君がスキルを使ってたから、僕も使ったんだ。」

「えっ…スキルって口に出さなくても使えるのか?俺はアトリーに口に出せって習ったんだけど。」

「スキルは口に出す必要なんて無いよ?ただ頭の中で唱えるだけで良いし…」


俺がそう言うと、カイルは勢い良くアトリーの方に顔を向ける。

するとアトリーは


「確かに口に出さなくても出来るけど、口に出した方が使い易いからねぇ。ここ一週間で今日の為に覚えたスキルなんだから、まだ使い慣れないと思ってさ。」


そんな短期間で獲得出来るものなのか、スキルって。

何か条件があって、それを満たしたら獲得出来るのか、それともただ繰り返し行う事で獲得出来るのか。


「アトリーさん。スキルってどうやって獲得出来るんですか?」

「ん?坊やだってスキルを獲得してるじゃないか。」

「いや、そうなんですけど何でなのか分からなくて…」

「スキルなんて、そのスキルに関する事を繰り返してたら何時の間にか獲得出来るさ。」


後者の方だったか。

随分曖昧だが、取り敢えず訓練を続けていればその内何個か獲得出来るだろう。

それに耐性系のスキルは、その状態に何度も成っていたら獲得出来そうだしな。

帰ったら毒とか飲んでみーー


「じゃあ、次は私と勝負だね。次は魔法とか使っていいからさ。」


ーーはい?

「じゃあ」って…今の話の流れでアトリーと試合する事に繋がるか?

ミゼルが居ないのにそんな事したら、まだ骨が折れたらどうするんだ。


「ーーお断りします。」

「えー何でsーーッ⁉︎」


駄々を捏ねようとしたアトリーが空に舞う。

アトリーが立って居た場所にはゼラフが立っている。

何時来たんだ?

何も気配が無かった。

アトリーを殴り飛ばしたゼラフはパッパッと手を払い


「全くお前は…我儘ばかり言うんじゃない。この子が困っているだろう。ところで君達は将来、騎士や兵士、冒険者、傭兵になるつもりなのか?その歳にしては随分と鍛えている様だが。」

「ぼ、僕は、冒険者にはなろうかなって思います。身分の保証もできますし。」

「俺は…特にそう言うのは決めてない。ただ俺はあまり学がねぇから、力があれば俺と同じ孤児院の奴らの助けに成るのかなって思って、鍛えてる。」


カイルは孤児院に住んでいるのか。

てっきりミゼルと暮らしているのかと思っていた。

カイルは孤児院で良いお兄ちゃんをやってそうだな。


「…そうか。君達、この馬鹿には私が言い聞かせておくから、先に帰りなさい。受付にいる職員に話せばゲートを使わせて貰えるはずだ。」

「ありがとうございます。」

「じゃあ俺らはこれで。」


俺達はゼラフに怒られているアトリーを置いて、受付に向かう。

後ろで大きな音が聞こえ、殴られているアトリーが見えるが、見なかったことにした。

受付にはカンプス村の受付係とは違い、美人…と言うより可愛らしい受付嬢が居た。

その受付嬢に事情を説明し、ゲートまで一緒に行く。


「それじゃあ、ゲートを開きますね。」

「「カンプス村へ」」


その受付嬢によって開かれた門を通り、ノクターンからカンプス村へ戻り、俺とカイルはミゼルの薬屋に向かう。

カイルはミゼルの所で手伝いをしている為、そして俺は解毒効果のある回復魔法は有るのかを聞く為に薬屋に向かった。


次回更新日は9月20日です。

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