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治療師の弟子  作者: 鈴木あきら
第1章 新しい人生
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第14話 二度目のゴング

普段より短いです。

ギルドの裏庭に出た俺達は、その一画に決闘場を見つけた。

決闘場、俺はコロッセオの様な場所を連想していた。

しかしそこはイメージと少し異なっており、コロッセオでは無く相撲の土俵やプロレスのリングを連想させる場だった。

裏庭に有り、周りに観客席が無い為、実際はそれらより開放感があるかもしれないが。

盛り上がった地面の上を舗装し、それを囲う様にして魔法の術式が書かれている。

これがゼラフが言っていた死なない為の工夫だろう。

飽く迄憶測だが、この中に入った者のHPを計測し、それを超えるダメージの攻撃を無効化、或いはその分回復するのではないか。


「この上で試合をすれば良いのか?それ以前に剣はどこにあるんだ?」


カイルがアトリーに質問をする。

それに対し、アトリーは裏庭の端を指差し


「簡単な武器や防具はあそこにあるから、刃引きしたので好きなのを選んで来な。でも防具は少なくとも額当てと胸当ては付けないとだめだからねー」

「分かった。」

「了解です。」


俺とカイルは走ってアトリーが指差す方に向かう。

そこにはテーブルの上に、乱雑に各種二つずつの武器が置いてあり、その下にはカゴの中に入った防具が置いてある。

武器はどれも鉄製だが、刃引きされているのが殆どだ。

しかし、よく見るとそうで無い物もある。


現在俺は日々、家に在る武器を真似て、ハマルが少し重めに作った木製の物で訓練しているが、鉄製の武器だとそれよりも重い。

その為、扱い切れるか少し不安だ。

しかし俺がハマルに習っている武器の中で、槍、長槍だけは木で作るのが面倒だったのか、鉄製の物で習っている。

何故短槍ではなく長槍なのかというと、ハマる曰く「長槍が使えたら、短槍も使えるようになるからね〜」という事らしい。

確かに、長い分扱いにくそうな長槍を使い熟せたら、それより扱い易そうな短槍も直ぐに扱えるように成りそうだ。


俺達は乱雑に置かれた中からアトリーに指定された防具を身に付け、それ以外の物はそれぞれ自由に手に取る。

カイルは片手剣を右手に、それと対の盾を左手に持つ。

それに対して俺は手にグローブを身に付け、長槍を手に持つ。

恐らく、いや確実にこの試合は魔法を使うことが出来ないだろう。

飽く迄、武術の試合だからな。

そうなるとリーチに差があるのは少し辛い。

その為俺はリーチがあり短剣の次に得意で、普段から鉄製の物で訓練をして来た長槍を選択した。

それぞれ選び終えると、アトリーの所に戻って行く。

俺達が戻って来た事と、武器が刃引きされている事を確認すると、アトリーは「よし、」と頷き俺たちを術式の中に入らせると試合の、俺の予想通りのルール説明を始めた。


「ルールは簡単、気絶させるか負けを認めさせるか、或いはこの外に押し出した方が勝ちだ。一応、武術の試合だから魔法は使っちゃダメ。それ以外は基本的に危険な事以外はやっても大丈夫だが、呉々も危険な事はするんじゃないよ!直ぐに止めに入るからね!」

「了解です。」

「わかった。」


「じゃ無いと私の命が危ない…」と小声で漏らすアトリーを気にせず、俺達は頷く。


「…他に質問はないかい?」

「「特に無い(です)」」

「それじゃあ、武器を構えて…」


少し互いに離れた距離に立ち、それぞれ武器を構える。

離れたと言っても、あまり術式の中ーーリングと呼ぼう、は狭く部屋で例えるなら15畳程しかない。

それが部屋であれば広いのかも知れないが、これが試合をする場の広さとしては狭く、動きずらいだろう。

リングから落ちると負ける為、それに気を付けなければいけないが、こうも狭いとより一層気を張らなければいけない。

……まぁ、取り敢えず頑張るしかないか。

勝ちを狙うが、負けたとしても善戦はしたいな。


「始め!」


アトリーによって二度目のゴングが鳴らされた。


次回更新は9月18日です。

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