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治療師の弟子  作者: 鈴木あきら
第1章 新しい人生
11/27

第11話 2年後までに

ー翌朝。


『2年後、訓練所に行くまでに俺は何ができるだろう?』


それを考えながら俺は家の周りを走っている。


まずは、家にある本の使えそうな知識を全て身につけたいな。


次に日々の鍛錬を欠かさないで、ハマルに一撃でも攻撃を入れたい。

…まぁ、これは難しいがな。

そのためには動物狩か、魔物討伐でレベルを上げないとだな。

魔物討伐の方が危険度が高い為、初めは動物狩りからだろう。


魔法に関しては習った事を完璧にして、応用が出来ればその方法も考えてみたいな。


他には……何かあるか?


「おつかれ〜。朝ご飯、もうできてるよ〜相変わらず、アルが作る料理は全部美味しそう。」

ハマルが入り口前に立って声を掛けてくる。

どうやら考えている内に殆ど走り終わった様だ。

そのままハマルの所に走っていき


「父さん、聞きたい事があるんだけど…」


2年後までにやっておくべき事で俺の思いついている事を話し、それ以外は無いかとを聞く。


「う〜ん……他にはもう無いんじゃない?今まで通りに体を鍛えておけば大丈夫だと思う。」

「本当?他にもっと無いのかな。色々やってみたいんだけど…」

「僕は思いつかないな〜それより、アルは狩をしたいの?」


話がずれてしまった。

朝飯の時にもう一度聞くか。


「うん。僕、お魚も好きだけどお肉の方が好きだから、学校入るまでは自分で取れる様にしておきたいんだ。それに、父さんの手伝いにもなるから、狩を教えて欲しいな。」


本当はレベル目的だが、少し子供っぽい理由を答える。

俺の歳で、レベルについて教えてもいないのに知っていたら、不審に思われるだろうからな。

勿論、ハマルのメリットも理由に付け加える。

経験上、メリットがあった方が頼み事を承諾して貰いやすい。

それから上目遣いで


「……ダメ?」


ハマルに尋ねる。


「………」


…リアクションが無いな。

ダメだったか?

もう一度上目遣いでハマルの顔を覗き込み、手を合わして


「おねがいっ。」

「………」


ん?

ハマルが耳を赤くして小刻みに震えている。

怒っているのか?

流石にこの歳では危険すぎるせいか、少し我儘を言ったせいか…

分からないが取り敢えず謝っておくか。


「わがまま言ってごめんなs」


ガバッ


ハマルが俺にきつく抱き付いて、そのまま体を持ち上げられる。

驚いていると、鼻をすする音が聞こえてくる。


「僕の為に…(ズビッ)ありがと〜本当にアルは良い子だぁ〜‼︎」


涙と鼻水で濡らした顔でハマルが言う。

…怒っていたわけではなかったのか。

しかし随分と涙脆いな。

どんだけ親バカなんだ。

それに鼻水が服に着きそうだ。

喜ばれる事は嫌では無いが、直ぐに離して欲しい。


「父さん、苦しいっ。」

「あっ、ごめんね。つい嬉しくって…」


ハマルが俺を離す。

俺は服に目を向ける。

良かった…どうやら鼻水は付いていないようだ。

ハマルが目を擦り、少し赤くして


「僕としては直ぐにでも手伝って貰いたいけど、危ないから6歳になってからね〜それに、シャウラにも良いって言われないとダメだからね〜」


条件付きだが、ハマルは許可してくれるようだ。


「うんっ。後でご飯の時に聞いてみるね。」

「じゃあ、そろそろ家に戻ろうか〜」

「僕、少し水浴びしてから行くから、先に行っててっ。」

「分かった〜」


いつもの様に水を浴びをして、魔法で乾かす。

その後直ぐに、走って家に戻りリビングへ向かう。

食卓の上には朝飯が並べられている。

今日は肉料理のようだ。


「おいしそー!」

「もうっ、2人とも遅いわよ。冷えてしまうから、早速食べ始めましょう。」


シャウラが食べ始め、それに続き俺も食べ始める。

少し食べ進んだところで、シャウラに先程と同じ質問をする。


「そうね…前に教えた、星霊魔法を使ってみれば良いんじゃない?あまり使える物じゃないから、とって置いても意味がないと思うわよ。私も7歳くらいで使ってしまったわ。」

「僕もそれくらいの時に使ったな〜」


そういえばそんな物もあったな。

俺の場合、星霊魔法ではなく星霊術だがな。

星が綺麗な日に使ってみるか。


狩についても聞く。


「それとね、6歳になったら狩をしたいんだけど…ダメ?父さんの手伝いになるって思うんだけど…」

「アルは強いから大丈夫だと思うわ。でも1人ではダメだからね。」


…思っていた以上にすんなりOKが出たな。

もう少し何か言われると思っていたが…

いや、ハマルがオーバーリアクションだっただけか。


勉強に訓練、レベル上げ、星霊術。

これで2年後までにやるべき事は大体決まったな。

星霊術はその内使うとして、他は毎日訓練をしていれば大丈夫だろう。


「そういえば…」


ハマルが話を切り替える。


「アルはいつ、ミゼルに魔法を教えてもらうの〜?」


そうだ、それもあったんだ。

ついでにカイルと試合をしないといけない。


「次の休みにでも行こうかな。昨日母さんと行ったから行き方もわかるし…」

「なら、それまでにもっと強くならないとね〜」

「え、どうして?」

「だって、アルは同い年の子の強さが知りたいって言ってたよね?ミゼルの所に行くついでに少し年上だけど、カイルと試合をすれば良いのかな〜って思ってさ。アトリーもそんな事を言ってたしね〜」


それは俺も思っていたが…


「でも、なんでもっと強くならないといけないの?」

「どうせ試合をするなら、負けて欲しくないからね〜だから今日から休みまで、少し厳しくするよ〜」

「えー…」


それから俺は6日間ハマルにしばかれ続ける事になった…

次回更新日は13日です。

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