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喪失

作者: 佐敷マコト

部屋から物が減った。

元々部屋にはあまりものを置かない主義だったのだ。これでいい。


本棚に空きが増えた。

買いたい本がたくさんあったのだ。明日にでも買って空いたスペースに置こう。


そういえば最近、よくわからない匂いのする蝋燭を見ていない。まぁいいか。あの匂いはあまり好きじゃなかった。


食事のあと片付けて洗わないといけない皿も、洗濯しないといけない服の量も減った。

ラクだな。


朝はどこの国かも知らない昔の音楽を聞かなくて済むようになった。

自分の好きな音楽をかけられる。


こうして見るといい暮らしになったように見える。





これがいい暮らしなものか。


物がたくさんある部屋でいい。


本棚は自分の本以外で埋まってていい。


あの蝋燭の匂いが本当は大好きだ。


皿洗いも洗濯も全然苦じゃない。


知らないし好きじゃなかったあの音楽が今ではたまらなく聴きたい。


元々神様はいないと思ってる人間だが今は願いを叶えてくれる存在がいてほしいと心底思う。この虚しさの中祈らずにいられるか。帰ってきてくれと。









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― 新着の感想 ―
[良い点] どこか寂しい部屋の情景が思い浮かびました。詩のようで素敵ですね。 [一言] 執筆活動頑張ってください。
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