第8話:同時攻略?いえ、同時撃退です。
ブラムスのダンジョンに互助会員全員集合。
どうやら、俺のダンジョンにファーストの軍勢が来たのと同時期に他のダンジョンにも、人間が侵攻してきたらしい。
「いや、流石クラタさん。こうなる事を予見していたのですね」
イコールが、ヨイショしてくれる。
気分が良い。
たまたまだけど。
「あの人間共の絶望の表情、是非皆にも見せたかったです」
メガララさんもご機嫌だ。
あー、罠の性質的に彼女のダンジョンを攻め込んだ人達が一番可哀想かも、
サード共和国の軍勢らしい。
そこそこのエリートが集められてたみたいだけど、入り口に入った瞬間に半分を無力化。
なんせ大量の尻が向けられている上に、視界不良を起こすレベルの毒霧噴射だからね。
それでも、優秀な人が多かったらしく一気に毒虫の排除に動いた瞬間、目の前から消える。
大量の落とし穴に落ちたらしい。
やはり、焦りは禁物だな。
いきなり半数を無力化されて落ち着いた判断が出来なかったようだ。
その落とし穴でさらに半分。
落ちた半分のうちの、穴から抜け出せた何割かの人達が錯乱状態で他の仲間に攻撃開始。
侵入から僅か10分で、生き残った連中は全員慌てて逃げ出していったらしい。
1階層で撃退とか……俺のダンジョンより優秀じゃ無いか。
いや、うちに来た連中が優秀だったと思っておこう。
「これも全部会長のお陰です! お礼に子供を産ませてもらっても良いですか?」
「あー、今度ね」
彼女との子作りは、彼女の産んだ卵に……
とてもじゃないが、罠より酷い羞恥プレイだ。
リカルドの所も森から抜け出す事も出来ずに撤退。
……どころか、撤退中にもどんどん罠と矢で追い詰めて、ほぼ全滅。
彼のところは大きな森だったから、1000人規模だったらしいけど生きて戻ったのは僅か20人程度。
他は、大半が死んだか捕虜になったか。
夜に奇襲を掛けてきたらしく、発光性塗料の餌食に。
向こうは丸見え。
こっちは闇に溶け込んでる。
まさに、夜襲が仇になった状況。
というか夜目の利く獣人であり、森の住人に夜襲を挑んで勝てると思うのが間違い。
ちなみに、捕虜といっても非常食扱いにもされてるらしく情報を出したものは食べられる順位が後になるということでどんどん情報が集まってるらしい。
実際に食べる気は無いらしい。
「なんで、筋肉の塊のような戦士型の人間を食わんとならんのだ? 普通に豚や牛を食うわ!」
ごもっとも。
よく肥え太った貴族とかならまだ食いでもあるらしいが、そもそも人間の肉は不味いと言われているらしく誰も食べたいと言わないらしい。
イコールのとこは最悪だった。
セカンド王国から200人の精鋭。
全員生け捕り。
いまも大半の騎士や冒険者達が、落ち続ける落とし穴や転移し続ける床、手が壁から離れないなどで身動きが取れないらしい。
住人からすれば、もはやモニュメントとして見られてるとか。
ただ悲鳴や、泣きごとが五月蠅いとクレームも入っているらしい。
なので、配下の魔法職の魔族や魔物が【沈黙】を掛けて回ってるとか。
命乞いすら出来ないとか。
ある意味直接的なダメージが無い分、一番の地獄かもしれない。
テューポーンのところは……
改善されたのだか、されてないのだかって感じだった。
基本は転移の罠。
転移先は竜の巣。
しかも地形効果のある場所。
火竜の部屋ならマグマがあったり。
氷竜の部屋なら雪山だったり。
とにかく、ただたんに戦うだけじゃなく、竜にとってより優位な状況で戦う。
これが改善案らしい。
「部下共の部屋を改造するのに、大分ポイントを消費したわい」
頭が痛くなってくる。
そうじゃないんだよ。
俺が、言いたかったのはそういう事じゃないんだよ。
安全マージンってか、万が一にも部下を危険にさらすなと。
もし、転移させられた人間がその土地に適していたら、なんの意味もない改善だぞと。
「あー、あとでテューポーンだけ補習な?」
「なぜじゃ!」
「そこが分かってないから、補習なんだよ!」
そして、ここでブラムスが思わぬ才能を発揮する。
彼のところに挑んだのはセカンド公国の精鋭150人。
人数としては一番少ない。
そして、150人全員が生還。
あれっ?
やっぱり攻略されたの?
でも、ブラムスのダンジョンで会議してるから大丈夫なのか。
「100人以上は殺してますよ?」
とは、ブラムスのセリフ。
どうやら、身体的特徴の出ない状態異常系の罠で少しずつ殺していったらしい。
でもって、グリとグラが死霊召喚で生き返らせたらしい。
死体の状態が最高に良いので、臓器の機能も疑似的に再現させてるらしい。
見た目には普通の生者。
記憶もちゃんとある。
でも、ブラムスの合図一つで忠実な僕になるらしい。
属性はやっぱりアンデッド。
ちなみに事故や老衰で死んだというような状況になった場合、本当に死を擬態するらしい。
でもって、墓に入れられたらそこで待機。
実質的に100人異常のスパイを敵国に送り込んだ訳だ。
いつでも、阿鼻叫喚を引き起こせると。
しかも、そこそこ役職の高い騎士もいたらしく、主要な重鎮や国王に近づく機会もあるとか。
現に、国王の元まで帰還の報告を隊長が副隊長と数人の騎士を連れて行ったらしい。
隊長以外は全員アンデッドらしい。
どんな罠かって?
徐々に心臓の動きが弱くなっていく毒を塗った撒きびし?
徐々に魂が抜けていく呪いをかけた金貨を入れた宝箱?
グリグラが待機した状態で、一瞬で命を刈り取る魔法の掛かった床?
大量の状態の良いゾンビを用意して、乱戦中に一人ずつ攫って施術?
地味だけど、堅実だった。
さすが、ビビり。
取りあえず褒めておこう。
あっ、椅子もレベルアップさせよう。
ミカンの箱をどけて、パイプ椅子を用意する。
「お……おお! やっと、椅子を賜ってくださったのですね! 有難うございます!」
なんか……なんかだよ!
初めて少し心が痛んだ。
今日は2話とも進行回なので、ネタが仕込めなかった。
というか、1話目は尻ぬぐい回に近いですねw
次こそクスリを狙っていきます♪
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次は6時投稿予定です。




