第3話:他の階層は?
「なんということでしょう、あんなに無機質だったダンジョンが今ではこのように大きく変化しました」
「基本、内装は放置してましたからね」
2階層の床には、色々と仕掛けがしてある。
まず踏むなよ床。
文字通り、大きく四角いタイルに絶対踏むなよと書いてある。
ちなみにこのタイルの周りは罠だらけ。
このタイル自体に罠は無い。
踏んだら?
天井に潜んでたスライムが降って来るだけ。
気配を隠せるタイプの隠密機能付きスライムだ。
背中に入るとヒンヤリしてビックリすること間違いなし。
あとは、押すなよ壁。
こっちはガチで押したら駄目なやつ。
押すと、天井が落ちてくる。
実は天井が丸々スライムだったりする。
隠密スライムはそのスライムに掴まってるだけ。
捕まってるようにも見えるか。
えっ?
押さなくても侵入者が全員入ったら落ちても良いんじゃ無いか?
おい、クロノ野暮な事を言うな。
押したら落ちてくるから面白いんじゃないか。
ちなみに他にも押すなよボタンを用意してる。
中には、押したら金貨が降って来るのもある。
これも天井スライムの仕事。
押してもなんにも無いボタンもあったり。
まあ、傭兵崩れなら一度金貨ボタンを押したら、次々押しそうな気がするし。
これ10階層までこの仕様。
やっぱり、最初は雑魚モンスターのスライムが定番だしね。
ちなみに、終盤で出てくるユニークばっかりだけどね。
ボス部屋は入り口から出口までスライムで塞がってる。
物理無効、各種魔法耐性を兼ね備えたスライムだ。
一部しか属性吸収できないから、効果的な属性を探してちまちま攻撃するしかない。
20階層までは、ゴブリンエリア。
11階層だと1体のみ。
スキル強化しまくって、レベルも上げまくった。
レベル上げの材料は俺。
俺を殺させるために、神殺薬を俺に対して使わせた。
50%でレジストだけど、1発で死ねたのはラッキーだ。
一気にレベルが520くらいまで上がってた。
流石1000越えのマスターを殺すと経験値もヤバいらしい。
うん、地味に素晴らし強化だな。
滅茶苦茶申し訳なさそうに、毒入りの饅頭を差し出すゴブリンに少し萌えたが。
名前付けて従魔にしといたから、死に直してもレベルはそのままだったし。
「太郎、頑張れよ」
「はいっ!」
レベルが上がって、活舌も良くなってるし。
ちなみに装備もそこそこ良い物を持たせてる。
12階層では、装備をさらに良くした太郎。
死んだら、俺が復活させる。
13階層では、太郎と次郎。
14階層では装備強化された太郎と次郎。
15階層では……
20階層は、太郎、次郎、三郎、四郎、レッドのゴブレンジャー勢揃い。
レッドだけ、俺を10回殺させてある。
レベルも999カンストだ。
勇者か天使を殺せば、1000いけるぞ?
21階層から30階層はコボルトエリア。
21階層は……子犬たちと玩具が沢山
子犬が侵入者のズボンを噛んで引っ張って、他の子犬がおもちゃを持ってくる仕様。
そして、キラキラした目で集団で見上げてくる子犬たち。
頑張れ。
ちなみに全員パピーもどきだ。
その見た目で成犬だ。
上級悪魔の愛玩用の魔犬らしい。
ヘルハウンド級に強いとの事。
犬種を変えて、29階層まで続く。
中には猫派の為の猫部屋も用意した。
ここは、飲み物と椅子と机かも用意してある。
飲み物に毒は入って無いから。
椅子に座ると自動で飲み物が出てくる。
でもって、猫が勝手に膝に座る。
飲み物が空になるまで、椅子から立てない罠も仕掛けてあったり。
「あっ、クラタさんここ凄く良いですよ」
「うむ、ダンジョンにこんな使い方があるとは。主は流石じゃな」
カオルちゃんと、カーミラが普通にお茶してた。
膝に猫を乗っけて。
存分に楽しむが良い。
ちなみにこの階層にはトイレも完備だ。
これは、カオルちゃんからの強い要望のせいでもある。
まあ、トイレあったらここで休憩ってなって余計に進軍速度も遅くなるだろうし。
「真面目に作る気ありますか?」
「あるよ? 31階層からは迷路部屋にしたじゃん? 宝箱とミミックも黄金比で設置したし」
俺のダンジョンの何が不満なんだ?
クロノの声が若干不機嫌だ。
ちなみにところどころ入り口に戻される罠も忘れてない。
とくに、ゴール前や宝箱前には沢山設置した。
ところが40階層……
これマモンの力で、お金を持ってたら40階層のボス部屋から出られない仕掛けがしてある。
扉にも、通行税全所持金って書いてあったり。
かなり、ダメージでかいだろうね。
からの51階層。
まず入ってすぐに温泉。
脱衣所やらタオルも完備。
勿論無料。
だって文無しだもんね。
52階層……料理の並んだ宴会場エリア。
どれも自慢の一品だ。
普通に町で材料を揃えて、配下の悪魔たちに作らせてる。
一部野菜とかは牧場エリアにも植えてある。
経費削減のためだ。
53階層……寝間着とベッドが用意されたエリア。
ここまで来たら分かるよね?
ベルフェゴールの仕業だ。
54階層は、サウナのように灼熱の部屋を用意した。
踏破に5時間くらい掛かる仕様
でもって55階層がまたも温泉エリア。
水風呂完備。
56階層……食堂エリア。
57階層……仮眠室。
58階層……娯楽施設。
59階層……美術館
美術館のコンセプトは日常。
家族で観光をしている絵画や、友達と宴会をしている絵画。
惰眠を貪る騎士の絵や、赤ちゃんがスヤスヤと眠っている絵。
女性に求婚している絵などなど……
とにかく日常を描いた名画ばかり展示。
そして60階層入り口。
「これより、本格的にダンジョンの仕様が凶悪なものに代わります」
と書かれた扉。
それを開くともう1枚扉。
「家族とのお別れは済ませてきましたか?この扉を潜るとマスターを倒すまで出る事は出来ません」
ちなみにこのメッセージを見て戻ろうとしても、もう遅い。
後ろの扉は中からは開けない。
次の人が開けてくれたら良いね。
中から慌てて飛び出してくる人を見たら、入ろうとした人は何を思うかな?
その扉を開くと、さらにもう1枚扉が。
「この扉をくぐるもの、汝一切の希望を捨てよ」
そしてその扉を開いた瞬間に、大量の蠅とGに埋め尽くされた部屋、
勿論Gは魔物。
かなり硬い装甲を兼ね備えた上に、凶悪な顎を持つ。
一応ベルゼバブの眷族に当たるらしい。
「マスターの考えるダンジョンは、酷すぎます」
「まあ、俺もそう思うわ。あの階層のあとにこれは流石にやり過ぎたかなと」
取りあえず、この先は普通にダンジョンダンジョンしてるし良いじゃん。
「この先も、すべてが斜め上にズレてますが?」
取り敢えずダンジョン回はここまでです。
次回からは違う感じで。
多くの評価、感想、ブクマ、誠に有難うございますm(__)m
これからも、宜しくお願いします♪




