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チュートリアルと思ったらチートリアルだった件  作者: へたまろ
第5章:会長と勇者

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第10話:ミカエルアゲイン

「来ましたミカエル様。あれが、このダンジョンのマスターです」

「本当に一階層で出迎えてくれるんだな……嘗めたものだ」

「それだけ自信があるって事ですよ。帰ります?」

「なんでだよ! ヘンリー王子を助けないと」


 3回目のやり取り。

 あと何回、このやり取りをすればいいのだろう。

 取りあえず、筋力操作50%解放状態で出迎える。


「前会った時より、遥かに強くなってないか?」


 ローレルが冷や汗を流しながら、褒めてくれる。

 有難う。

 でも、この間会った時はかなり手を抜いてただけだから。

 そして、今も手を抜いてます。

 今回もこっそり手を振ってくれるカオルちゃん。

 うん、可愛い。


 今回はいきなりミカエル斬りかかってくることは無い。

 そりゃ、前回よりもかなり強い状態でお出迎えだからね。


「これは、最初から本気で行くしか無いか」


 ミカエルがそう言って、身体強化を始める。


「【身体強化(フィジカルブースト)】、【神力解放(エインヘリヤル)】!」

「ほうっ、少しはやるようだな……」


 突っ込んでくるミカエルを、セーブポイントの転移能力で躱すと背中をパーンと掌で叩く。

 紅葉って流行らなかった?

 プールの時間とかに背中に張りてして、紅葉の跡作る奴。

 あれ、大人になってやったことある?

 かなり凶悪な攻撃だったりする。

 カラオケの採点罰ゲームでやられて、呼吸が止まるかと思った。

 それを、400倍の重力で動ける俺が50%の筋力解放でやる訳で。


「かはっ……」


 当然、ミカエルちゃんの背中にはとてつもない衝撃が与えられたはずだ。

 

「くそっ! 調子に乗ってられるのも今のうちだ」


 おお、景色が霞んでいく。


――――――

「【身体強化(フィジカルブースト)】、【神力解放(エインヘリヤル)】!」

 

 正面から突っ込んでくるミカエルちゃんの剣を、バックステップで躱す。


「なっ! なんで?」

「何が?」


 前回と違う行動を取ったことで、ミカエルちゃんが驚きのあまり固まってしまった。

 ごめん、セーブポイントに前回の俺の行動聞いただけだったりする。


「転移で躱すんじゃないのか?」

「えっ? そんな遅い攻撃をか?」


 躱し方まで指定してくるとか、普通だったらただのおかしな娘だ。

 でも、今回は仕方が無い。

 そっちがカンニングをするなら、こっちは違う答えを用意するだけだしな。


「というかさ……戦闘中に何を呆けてるんだ?」


 取りあえず、お腹をパンチする。

 うん、固い。

 俺、やっぱり【身体強化(フィジカルブースト)】嫌いだな。

 

「もう一度だ!」


 そして霞む景色。

 次はどうしよう?


――――――

 たまにポイントで取った神殺薬で自殺しつつ、時間操作耐性をあげながら遊んだ。

 猛毒の無効レベルが上がっていたようで、猛毒を吐き散らしながら飲まないと死ねなくなってしまったからもうワンランク上の毒に変更した。

 といっても、ドロップじゃなくてポイントを消費するので、これもあまり使いたくはない。

 なので、たまには猛毒で死んでみたりもしてる。

 窒息耐性あるけど、一酸化炭素耐性や酸素耐性は無かった。

 酸素中毒ですら死ねたけど、初級耐性っぽいからサクサク上がってく。


 それと、絶対切断もある程度は喰らった。

 一応、絶対切断耐性が上がってしまったが、色々な死に方のお陰で時空魔法耐性の方が多く上がったし無効レベルにまで到達した。


――――――

「もう一度だ」


 時間が巻き戻される。

 ようやく、記憶がはっきりと残った状態だ。

 確かさっきは、突っ込んで来たのを躱して首に手刀を当てたんだっけ?

 次は、正面から受け止めて投げるか。


 突っ込んでくるミカエルの剣を白刃取り宜しく両手で挟んで捻ると、そのまま引き込んで首に腕を当てて足を刈る。

 そして更に、倒したミカエルの腹に一撃を加えようとしたとき時間が巻き戻るのを感じる。


「くそっ、調子に乗るなよ!」


 おそらくフェイントを混ぜてくるはずだ。

 案の定、突きを放つと見せかけて上段から斬りかかってきたので、剣の腹を殴りつけて裏拳を腹に叩き込む。

 また時間が巻き戻る。


 今度は突っ込んでこない。

 攻めあぐねているようだ。

 前回の行動を改良しないと、巻き戻した意味が無いと思うが。

 ああ、やられそうになったから巻き戻しただけか。


「なんだ、もう終わりか?」

「くっ、これならどうだ!」


 おお! この娘手からエネルギー弾撃って来たぞ。

 まあ、ただの神聖魔法だと思うけど取りあえず片手で弾く。

 その光の弾を追いかけるように突っ込んできたミカエルを、セーブポイントの転移で躱して背後からまた紅葉。


「かはっ! くそっ!」


 また時間が巻き戻る。

 致命傷でも無いのに、ダメージが入ったらすぐに巻き戻すとか根性が無いな。


「駄目だ、どうやっても勝てるイメージが沸かない……」

「もう、お終いか?」


 完全に打つ手が無くなったようだ。

 いや、まだあるだろう?

 なんだったらローレルと二人で掛かってくれば良いのに。

 一歩前に出ると、ミカエルが一歩下がる。

 あー、そこあれだから……

 罠操作で落とし穴を発動させる。


「なっ!」


 また、巻き戻った。

 まあ、巻き戻さないと死んでただろうしね。

 まだ心が折れない事だけは褒めてあげるけど、これからどうするつもりだろ?


 


次は17時投稿です。

明日は1話のみになるかもしれません。

取りあえず2話書けたら6時、1話しか書けなかったら12時投稿します。

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