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チュートリアルと思ったらチートリアルだった件  作者: へたまろ
第4章:魔王クラタ誕生「魔王ですか?」「いいえ、会長みたいなもんです……」

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第1話:メラミの街再び

新章突入第一話がいきなり意味無し日常回です。

「うーん、良い天気だな」

『そうですね』


 1週間くらいは、ブラムスのダンジョンで重力トレーニングに勤しんでいたが、流石に少し飽きて来たので気分転換がてらこっちの人間の暮らしを見て回ろう。

 思ったが吉日。

 すぐに、記憶にある街に向かう。

 そうメラミの街だ。

 取りあえず、シルバに送ってもらって普通に門を潜って入る。

 中々に活気があって良い街だとは思う。

 平成日本から来た俺としては、映画の世界を歩いているみたいで楽しい。


 取りあえず一人でゆっくりと、メラミの街を歩く。

 前回は領主の館と冒険者ギルドと、ミランの家の前くらいしか散策出来なかったからな。

 今日は商店を見て回ろうと思う。


「あっ、ヨシキじゃないか!」


 と思ってたら、ミランが遠くの方から叫んで近付いてくるのが聞こえる。

 取りあえず、無視して歩く。


「おいっ! ヨシキッ! おいっ!」


 町の往来でデカい声で叫ぶな馬鹿者!

 溜息を吐いて、取りあえず立ち止まる。

 そして振り返ると、周囲をキョロキョロと見渡す。


「下だよ! というか、そこまで身長差ないだろ!」

「ははは! 久しぶりだねジェシカ」

「違う! ミランだよ! わざとでしょ!」

「そうだったっけ?」

「流石に泣くぞ」


 はあ、チビッ子を相手にしているみたいで少し癒される。

 つっても、この街じゃダンジョンを研究する偉い博士の1人らしいけど。


「しばらく見なかったけど、どこに居たの?」

「見なかったって、別に俺ここに住んでるわけじゃないしね。取りあえず、辺りをブラブラしてたよ」


 あの後色々とあったもんな。

 カーミラたんが遊びに来たり、ブラムス君を苛めて見たり。

 引きこもって特訓してみたり。


「なんか、前見た時よりガッシリしてない?」

「分かる? 結構鍛えたから」

「2週間でそんなに変わるもんなの?」

 

 ああ、2週間しか経って無かったのか。

 セーブしてやり直すと、時間の感覚がおかしくなるな。

 少し自重しよう。


「ミラン、お前いま暇か?」

「まあ、今日は休日だしな」


 そうなのか?

 今日がこの世界で何曜日に当たるのかも、日付も分かんなかったわ。


「じゃあ、予定が無いならデートしようぜ!」

『ムッ』

「デート! 良いよ!」


 おお、すぐに食いついてきた。

 まあ、デートっていうか単純に観光案内してもらいたいだけだけど。

 ウキウキしてる様子が、お出かけに誘った親戚の子みたいで可愛い。

 

――――――

「ここが、竜の穴だ!」

「ただの穴だ!」


 ミランが連れて行ってくれたのは、囲いがしてあって立て看板のあるただの穴だった。

 覗き込んでみるが、結構深いけど底はある感じ。


「この中にお金を投げ込んだりとかするのか?」

「なんで、そんな事をするんだ? ここは、ただ単に昔、ドラゴンがブレスで穴を開けたってだけだぞ? これを見て、皆ドラゴンってすげーってなるんだよ!」

「ふーん……ドラゴンって珍しいの?」

「ここ、100年くらいは外での目撃例が無いかな? 結構あちこちのダンジョンには居るらしいけど」


 そうなんだ。

 よく見ると、露店に混じって竜の絵が売ってあったりする。

 躍動感のある写実的な竜から……実物を見た事無いから、写実かどうかは分からないんだけどね。

 抽象的な竜、デフォルメされた竜など様々な絵が売られてる。

 どれも、ブレスを地面に向かって入ってる構図だけど……要らないかな。


――――――

「ここが、賢者の岩だよ!」

「ただの岩だ」


 次に連れて行ってもらったのは、囲いがしてあるただの岩だった。

 立て看板に説明が書いてあるけど、ガイドに続きを促す。


「その昔、賢者様が魔王を名乗る魔人を退けた時に使った隕石魔法で振ってきた隕石らしいよ?」

「ふーん……」

 

 まあ、所々光を反射されてるし鉄鉱石とかが混じってるのかな?それとも異世界らしくアダマンタイトとか?


「ふーんって、結構有名な場所なんだけど? ほら! あそこの絵師に頼んで、賢者の恰好で隕石を降らせる絵とか描いて貰えるんだけど?」

「そうなんだ……」

「反応薄いな。描いて貰わなくて良いのか?」

「別に良いよ。次連れてって」


――――――

「ここは水の精霊の泉だ」


 おお! 異世界っぽい!

 ここに、水の精霊が居たりとかするのかな?


「その精霊さんは、ここに居るの?」

「はっ?いや、昔まだここに街が出来る前に、この辺りを旅していた旅人が、水が無くてここで行き倒れになった時に、どこからか水の精霊が現れて泉を作り出して助けたって逸話が」

「じゃあ、ただの泉じゃん」


 ただの泉だった。

 水が無くてッて周り平原で、すぐ傍に森もあるのに川が無いとかあるのかな?

 というか、行き倒れになるまでに少しでも頑張ればいくらでも水なんか補給できそうだし。

 旅をしていた旅人って、旅してない人は旅人と呼ばないし。

 そもそも、旅人が水場の探し方を知らない時点で旅をするなと言いたい。


――――――

 そうなんだよね。

 結局観光名所ってただの岩だったり、泉だったりで、普通に考えたら別に大した事無いじゃんってのが多いからね。

 それよりも、お店を案内してもらった方が嬉しかったりする。

 と提案したら、普通にお土産屋さんに連れていかれた。

 さっき見た岩やら、竜の絵に、小瓶に居れた泉に水とかが売られてた。

 あとは、ドラゴンパンとか隕石パンとか?

 竜の肉や、隕石が入ってる訳でも無いし。

 ただ、魔物の餌なるものがあったから、ファングに買っておいた。

 それと、櫛をヘルに買った。

 櫛を買う時に、ミランにジッと見つめられてたから2個買って1個渡したら大はしゃぎしてた。

 うん、オシャレに目覚めたばかりの頃の姪っ子に、ちょっと大人っぽい財布を買ってあげた時みたいにはしゃいでて可愛い。

 ああ……今更あの社畜時代に帰りたいとは思わないけど、家族には会いたいかな。

 普段は、全然実家に帰省とかしなかったのに、もう会えないかもと思うと会いたくなるよね。


 それと隕石のレプリカとセットになってた磨き布も買っといた。

 いつもお世話になってるセーブポイント用だ。


『!』


 それを買った時に、セーブストーンから喜んでいるだろう気配が伝わったのは見なかった事にしよう。

 そして、こういう布には得てして研磨剤やら研磨できるような繊維が入っていることは内緒にしとこう。

 その後、普通に街を視察していたメイベルたんに見つかって、またも領主邸でお相伴に預かった。

 何やら、世界中のダンジョンが活性化しているという相談を受けたが、大変ですねと流しておいた。

 僕と二人でダンジョン巡りしませんか? と言ったら真剣に悩んでてちょっと萌えた。



次は18時頃投稿予定です。


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