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チュートリアルと思ったらチートリアルだった件  作者: へたまろ
第1章:チュートリアルダンジョン

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第25話:NPC達の実力(後半)

「ところでジェウォン達ってレベルは、どれくらいあるんだ?」

「えっ? えっと、俺は38だ。情けない話だがこの中じゃ一番低い」


 一番低いのにリーダーっぽい役割なのか。

 というか、レベル低すぎだろ!

 一気に俺のレベルが言いにくくなったわ。

 やはりこれは流行りに乗っかった、TUEEE系体感のゲームだな。

 ただ、もう少しバランスを考えた方が良いと思う。


『雑魚ですね』


 セーブポイントが不機嫌だ。

 ミランに抱き着かれてから、なんかとげとげしい気がするのは気のせいだろうか?

 それとも、ダンジョンの敵である人間と仲良くするのが気に入らないのか?


『マスターは人間相手に隙があり過ぎです! 特に女性相手に!』


 どうやら違うっぽい……とはいえ、相手は無機物だ。

 それに部下だし、機嫌とっても得る物もないし放置しとこう。

 そもそも、性別すら分からんしね。


「ちにみに私は47だから、もう少しでB級冒険者に昇進できる最低条件は得られるわ」

「俺は42で妹が40だ。魔法職はなかなかレベルが上がらないからな」

「ジェウォン……さっきのアーマーオーガの経験値で私39になっちゃった!」

「博士に負けた……」


 依頼人にすら負ける護衛のリーダー……大丈夫か?

 というか、これ日本人感覚で聞いたら年齢を言い合ってるみたいだ。

 おじさん、おばさんばっかりで笑える。

 いや、違うけど。


「ところで、そういうヨシキさんはレベルいくつなんですか?」

「うん? ああ……」

「あっ、言いたくなければ……」


 ジェシカが遠慮がちに聞いてきたが、少し悩む。

 正直に言うべきか……それとも。

 ここは異世界転生のチートを楽しむ上での、最初の分岐点だろう。

 本当のレベルを伝えて英雄的扱いを望むか、実力を隠してあれ俺って強いの? みたいな展開を楽しむか。

 とはいっても、さっきのデコピンである程度の実力はバレちゃったし。

 あれは、コボルトが脆すぎるのが悪い!


「まあ……700とちょっとかな?」


 という事で正直に言う事にした。

 コボルトをデコピンで倒せる人間がどのくらいなのか基準も分からないし。


「なっ! ななひゃく?」

「それって、SS級冒険者! というかもう少しでSSS級……」

「超超越者! しかも神の領域に踏み込める位置じゃないですか……」

「本当にトラベラーって出鱈目よね?」

「昨今現れたトラベラーの中では、飛びぬけてますけど」


 あれ? もしかして俺やっちゃいました? のテンプレを踏襲してみたけど……恥ずかしいだけだった。

 こんな反応になるの、分かってた。

 違う意味でやらかしたな。

 モニター試験中に、黒歴史を刻んだという意味で。

 これ、見てる方もたぶん、分かってる。

 俺がこういう反応をされると分かって、敢えて俺やっちゃいました? プレイをしたことを……

 あーーーーー、死んで時間を戻したところで設定の中の話で、設定の外側の人達の記憶は消えないんだろう?

 ガチで、やらかしたやつだ……

 忘れよう。


 とりあえず、詳しい話を聞いてみると、レベル20までがE級冒険者で、レベル30までがD級冒険者、そこからレベル50までがC級らしい。

 で100がB級で、それを超えると超越者と言われてA級になるらしい。

 さらに300から500がS級で500を越えると超超越者のSS級、レベ750~1000がSSS級、1000を越えると神扱いらしい。

 EX級と呼ばれるとか。

 ああ、X級は無いのか。

 ちなみに1000を越えた人間は歴史上で6人だけ。

 剣神や、拳神、魔神や、聖神など職業に神が付くらしい。

 魔神は魔法使いのレベル1000越えらしいが、なんか響きがあれだな。

 俺が神になったらダンジョン神か?

 いや、そんなわけは無いか。


『ダンジョン神……良いですね。目指しますか?』

「無理だろう! というか、この世界の人間達が勝手に神扱いしてるだけで、出鱈目に強い人ってだけだろ?」

『そうですよ? でも、人にダンジョンの神って思われるのは良い事です』


 時々セーブポイントが、サポーターとして心許ないと思ってしまう。

 俺の運が悪かっただけだろうか?

 他の人達のサポーターはどうなんだろう……


『唯一のセーブ機能を持った私が、正直ダンジョンコアの頂点です!』

「ああ、そういう設定ね……」

『むう……』


 どうせなら、可愛い女の子のインターフェイスとかにしてくれたら、もうちょっと萌えるかもしれないんだけどね。

 残念お前は無機物だ!

 そして、全ては手首の石に現れる文字でしか無いからな。


「師匠とお呼びしても?」

「ああ……一応無手と、剣で流派を開いたからな。弟子を取れなくは無いけど、オーウェンはお断りだ」

「なんで!」


 オーウェンがキラキラした目で、弟子入りを志願してきたが一蹴する。

 妹の方なら、(やぶさ)かでも無いんだけどね。

 ちなみに、俺の流派を継ぐにはセーブポイントが必須だろうね。

 だって説明が


『クラタ流格闘術……強靭な肉体を武器に敵の攻撃を無視して的確に攻撃を与える。状態異常やあらゆる属性の耐性を利用して、同時攻撃的カウンターを得意とする異質な武術。先の先、後の先それらの奥にある完全同時攻撃のカウンターは相手の攻撃を受ける事を前提としおり、その肉体の特性を最大限生かした格闘術である。』


 だったからね。

 ちなみに、一刀流も、二刀流も同じ説明だった。

 弟子入りの最低条件が人間には無理だった。

 プレイヤーなら大丈夫かな?

 他にも居ないかな……まあ、居るらしいけど。

 トラベラーを探すのも悪くないかも。


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