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チュートリアルと思ったらチートリアルだった件  作者: へたまろ
第1章:チュートリアルダンジョン

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第24話:NPC達の実力(前半)

「行くよ! 【火の矢(ファイアーアロー)】!」


 ジェシカの手に赤々と燃える火が灯ると、真っすぐ細く伸びて鎧を着たコボルトに向かって行く。

 犬種はどう見ても雑種だな。

 でも実際問題、雑種の方が血統書付きの犬より色々な意味で強いと思うんだ。

 何食べても、平気そうだし。


「ナイス!オラッ!」

「キャンッ!」


 そしてジェウォンの剣が、コボルトを両断する。

 ちなみに盾を背中に背負って、両手でロングソードを扱っている。

 その横では、ロンのショートソードがコボルトの首を切り裂く。

 敵はコボルトの群れ……といっても6匹程度だが。

 オーウェンは二本の剣で舞うように敵に切り込む。


 コボルトは確かにモンスターなんだけど、犬だからなー。

 ちょっと、微妙な気分になってきた。

 まあ、ステータス的にも精神が鋼のようになっているから、平気だけど。

 落ち着いて考えると、酷い絵面だ。

 さっきまで、ハイになって俺も惨殺してたけど……

 これ、人を殺してもさして心に感じるものは無さそうだ。


 ちなみにミランは俺の後ろでオーガナイフを前に構えて、ガタガタと震えているだけ。

 どうやら、戦闘能力は無いらしい。

 だが、その事でミランをボスと勘違いしたコボルトがジェウォン達の包囲を抜けてこっちに向かってくる。

 陣形的には、そうなるか。


「うそ……だろ?」

「声を上げる間もなく?」


 だが、こっちに飛び掛かった瞬間に頭を破裂させて、脳漿をぶちまける。

 

「……」

「余裕かよ!」


 いや、余裕というか俺もビックリしてるだけなんだけど?

 俺の予定ではジェウォン達の方に弾き飛ばすだけだったんだけど?

 俺が一番酷かったかもしれない。


 俺がデコピンを放った姿勢のまま、キョトンとしていると不意に後ろから誰かに抱き着かれる。


『……(怒)』


 何故かセーブポイントさんが怒ってらっしゃる。

 

「凄い凄い凄い! 流石トラベラーですね! その力の秘密を是非街に戻ったら教えてもらいたいのですが?」

 

 後ろを振り返ると、ミランが俺に抱き着いたままキラキラした目で見上げてきた。

 見た目がお子ちゃまっぽいから、特に感じることは無い。

 子供に懐かれた程度の嬉しさはあるか。


 俺も自分の力というか、この世界の水準が知りたくなってきた。

 とはいえ俺はプレイヤー、あいつらはNPC……仲間になるようなNPCなら何かしら光るものを持ってるはずだしな。

 と思っていたら、最後の一匹がロンの剣で腹を斬られて前に倒れ込む。

 ロンが微妙な表情でこっちを見る。


「本当は、私達もやるでしょ? って言いたいところだったんだけど……」


 ロンは俺が倒したコボルトを見つめる。


「私達が剣で倒すような魔物も、貴方にとっては指一本ね……」

「ああ……流石にここまでとは」


 その言葉にジェウォンも、冷や汗を垂らしながら呟くように答える。

 オーウェンはミランと同じように、チラッチラッとキラキラした目でこっちを見ているが。

 ジェシカは目に見えて疲労しているが。

 魔法ってのはそんなに疲れるのかな?


 ちなみに俺には魔法使えない。

 

『地球人は類人猿どころか、というより地球上の生物は誕生したときから魔素に触れてませんからね。魔力を操る器官が存在しません』


 と一蹴された。

 じゃあ、プレイヤーは魔法が使えないじゃないか!

 もしかしてキャラメイキングで、エルフや他の種族を選ばないといけないのか?

 と考えていると、メッセージがまた流れる。


『本来なら、ダンジョーン様がそういった器官を付ける予定でしたが、その前にね……アホみたいに魔力は注いであるんですけどね』


 本当にチグハグな魔改造の途中で死にやがって。

 ここまでダンジョーンの奴には、恨みしかない。

 設定では殺されてるしな!


『まあ、ボーナスポイントで魔力操作を得る事が出来るのですが……ちょっとポイントが』

「足りないのか?」

『いや足りるのですが、1000ポイントも必要です。それよりも、もっと魔王っぽい見た目になるように使った方が。』


 安っ!

 と思ったけど、まあ今のところ腕一本でなんとかなってるから後回しにした。

 他に必要なものがあるかもしれないからね。

 回復魔法とか使えたら便利そうだけど、自分が怪我する心配も無さそうだし。

 そもそも、アイテムが腐る程セーブポイントの中に入ってるからね。


――――――

 そしてそのまま10階層のボス部屋にまたも反対側から入る。

 目の前には鎧を着た犬っぽい生き物が。


「あれは、アーマー「ギャン!」」


 今度はロンが声をあげそうになったので、それより先にセーブポイントから転送してもらった銀貨を親指で弾き飛ばして頭を吹き飛ばす。

 ボンっという音がして犬の頭が弾け飛んだあと、チャリンチャリンという音がして床に銀貨が転がる。

 やはり人間……その場に居た全員が犬の頭より銀貨の方に一瞬で視線を移してた。

 何気に芸が細かい!

 本当にこのゲーム作った奴は流石だよ。

 一周回って戦慄が走ったわ。


「あの……いまのボス……」

「はあ……さっさと出るぞ」

「うん……」


 ロンがギギギとこっちを振り返ったが、俺が面倒くさそうに言って歩き始めると後ろを素直についてきた。

 というか、これも深い階層の雑魚以下だ。

 外はどれだけ雑魚に溢れてるんだろうな?


PV数ガガガ


目標の一つ、総合評価100ポイントを達成したので、また閑話を。

目標の一つ、トータルPV10000越えたので、さらに閑話を……

合間を見て書き上げて投稿しますので、しばしお待ちを……


ブクマ、評価、感想をお待ちしております。

本編次は18時予定です。

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