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チュートリアルと思ったらチートリアルだった件  作者: へたまろ
召喚勇者編第1章:チュートリアルとか……無いですか?

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第4話:冷蔵庫の番人現る。オワタ

「グルルル」


 私が冷蔵庫に近づく、獰猛な唸り声をあげる狼。

 巨大な狼。

 私を体当たりだけで、殺すことが出来る狼。

 

 オワタ。

 本気でオワタ。

 とうとう、食事制限始まった。

 これは、何が何でも先に勧めって案じかな?

 ダンジョン精製ゲームでも、ずっと同じフロアにいると強制退場させられる仕様だったし。

 風が強くなっていって、最終的に吹き飛ばされたりとか。


 うーん…… 

 でも、せめて英気を養うためにも、最後の晩餐的な?


「ガウッ!」


 怖い……

 無理これ……


 とりあえず、部屋の前の床は落とし穴。

 その先の穴は、天井が降ってくるやつ。


 三つ目の床も罠だったら、マジで心折れる。

 というか、ブチ切れる自信ある。


 そんな鬼畜仕様の脱出ゲームとか聞いたことない。

 いや、色々とステータスが上がっていってるようなこと書いてあるけど。

 どっちにしても、即死罠だったり、猛獣に襲われて即死ルートだから実感ない。


 ステータス向上って、こんなリアルな感じの世界で笑える。

 いや、笑えない。

 1mmも笑えない。

 実際に、かなりリアルな臨死体験だったよ?

 痛みもわりかし……地味かな?

 確かに、思ったよりは地味だったかもしれない。

 天井に潰されるとか、想像を絶する痛みのはずだけど。

 あれかな?

 痛みが限界突破したら、痛くないみたいな。

 それとも、痛覚が先に死ぬ的な。


 そもそも痛みは、身体の不調の危険信号。

 不調通り越して死ぬんだったら、痛覚は要らないよね。

 死ぬのが確定したから、せめて心穏やかにいけるようにという神様からの素敵な贈り物(ギフト)かもしれない。


 それか、わりかしガチなやばい施設に、全身をいろんな器具を付けてベッドに縛り付けられてるか。

 電気信号的なあれで、景色を直接脳にみたいな機械。

 痛覚に関しても、電気信号で。

 行動も脳から発せられる信号を……


 大丈夫かな、私。

 これ、目が覚めてもどうにもならないやつじゃないかな?

 

 うーん……


「ガウッ!」


 真剣に悩みつつ興味ないふりをして、自然な動きで冷蔵庫に近づいていったけどあっさりと追い払われた。

 このケチ!


 調味料はシンクの下やら上やらだから、それは舐められるけど。

 ちょっと、調味料オンリーは……


 よし、3つ目の床まで、とりあえずジャンプしてみよう!

 カチッ!


 ――――――

酸耐性を獲得しました。


苦痛耐性を獲得しました。


精神力が向上しました。


隠密行動を獲得しました。


レベル:1


名前:アイ・キタノ


スキル

刺突耐性レベル:2

衝撃耐性レベル:1

貫通耐性レベル:1

失血耐性レベル:1

酸耐性レベル:1

苦痛耐性レベル:1


隠密行動:レベル0


最後にセーブした地点で復活します。


――――――


 なんか、変なの生えたよ?


 隠密行動?

 あれか?

 狼相手に、冷蔵庫の中争奪戦を頑張ったからか?

 取り付く島もないって、会話以外にも使えるんだってレベルでとっかかりも掴めてないけど。


 しかし……3つ目の床は、酸のお風呂か……

 

 鬼!

 鬼畜! 

 修羅!


 むしろ、ここは現代社会に適応した、新しい地獄ではないだろうか?

 転生地獄とか、召喚地獄とか?

 迷宮地獄?


 どんな罪を犯したら行く場所か分からないけど、まあ何しても地獄に落ちるのが日本の仏教だし。

 いくら個人的に無宗教でも、家はしっかりと浄土真宗。

  

 泣ける。

 本当に、泣けてきた。

 なんでこんな目に。


 この石のせいか?

 くそっ! 

 ひたすら、体力の限界を超えて殴り続ける。

 つもりだったけど、手が痛くなった瞬間に戦意が折れた。

 そのあと、石を撫でたら傷が治ったけど。

 色々と、スキルやら能力も向上……閃いた!


――――――

「物凄く殴られて、そのあと撫でられて、また殴られてます」

「何を言ってるんだ、お前は」

「怒!」

「なんか、石ころだった頃のお前に戻ってない?」


 クロノが一人ではしゃいでいるのを見るのは、それなりに楽しいけど。 

 俺のダンジョンに、侵入者、しかも召喚勇者とかいわれても。

 ご愁傷さまとしか思わない。

 

 あっちの世界のダンジョンの中では、最強最悪のトラップダンジョン。

 しかも、配置してある魔物も高額商品の最上級の魔物ばかり。

 そのダンジョンに、いきなり召喚され……


 冷蔵庫?

 セーブポイント?


 それ、俺の部屋に召喚されてね?


 ダンジョン最奥の、隠し部屋の、隠しステージの一番奥の。

 部屋の前が罠だらけの。


 あそこって、もしかして本当に始まりの部屋的な?

 誰の差し金かは分からないけど、テラヒドス。

 なんて、可哀そうなことをするんだ。

 

 と思ったけど、食べ物も家具もあるから俺のときよりはマシか。

 ヌルゲーとまでは言わないけど。


 しかも、今回はフェンリルのファングが、無敵仕様にまで仕上がってるし。

 俺の時より、状況最悪じゃん。


「いや、笑ってないで戻らないんですか?」

「うーん、別にいいよ。いま、レジャー施設型のダンジョンの構築で忙しいし」

「それ、必要なのですか?」

「大量の卵接吻人(うチューじん)倒して、ポイントウハウハだから。無限ループトロッコおじさん配置したりしないと……アスモデウス、いなくてもあっちなんとかなるかな?」

「大罪シリーズの悪魔に、トロッコでグルグルと回らせるのですか?」

「うん、ああいうのって、偉い人がのりがちみたいな?」

「ちょっと、意味が分からないですね」


 とりあえず、レールをいっぱい購入しよう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 続き待ってました! [一言] 久しぶりに読んだから内容あんまり覚えてないかも笑 読み直さないとね〜
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