第13話:あれ?そういうパターン?
「フハハハ! もはやその程度の攻撃で、ダメージを与えられると思うなよ!」
牛男の浴びせかけてきた冷気の塊を、正面から受けつつ一気に距離を詰める。
「ドリャッ!」
「グアッ!」
そのまま飛び上がり、牛男の顔の横に思いっきり蹴りを叩き付ける。
首を持っていく程の衝撃を与えられるまでに成長した、俺の自慢の打撃力が火を吹くぜ!
そのままの状態で左足で顎を蹴り上げ、右足で足刀を喉元に突き刺す。
「グエッ!」
「っと、遅い!」
喉元に突き刺さった足を掴もうとしてきたので、それより速く足を引き戻すと今度は左足で横っ面を蹴り飛ばす。
「空中連撃脚!」
あっ、スキルじゃないよ?
単純に空中で蹴りを放ちまくる技に勝手に名付けてみた。
だって、クラタ流格闘術開祖だからね?
そのくらいの権利あるでしょ?
蹴りの連打を叩き付ける。
「ガッ、グッ、ゲッ、グアッ」
「おらっ、夏塩蹴り!」
縦に一回転して、その勢いのまま顎を蹴り上げると地面に着地する。
「てか、体力あり過ぎだろ!」
「グフッ……」
そこを狙って火の玉を吐き出してくるが、残念効かないから。
「無駄だよ!」
そこからもひたすらタコ殴りにする。
まあ、ここに辿り着くまでに67回死んだんだけどね。
お陰でほぼほぼ、こいつの攻撃でダメージを受けることは無くなったけどさ。
対するこっちも決定力に欠けるみたいで、ダメージは入るけど地味な感じなんだよね?
まあ、時間を掛ければ掛ける程死んだ時のステータスアップが捗るから良いけどさ。
「そろそろ、死ねや!」
――――――
結局体力が切れたところで、ボコボコにされたわ。
いやいや、結構良いところまでいったんだけどね?
「クーン?」
もはや、ファングも呆れたのか生き返っても突進してこなくなったし。
でも、お陰で全快だからね。
もういっちょ、行っときますか!
――――――
「とどめ!」
「グアアア!」
『レベルが上がりました!』
そこから、さらに160回ほど挑んだところで、ようやく4時間の死闘を制して倒すことが出来た。
20回ほど再戦して決定打に欠ける俺が奴を倒す方法を閃いたため、ひたすら腕に攻撃を与え続け腕を破壊することを目指した。
70回目で腕を使えなくするように出来た為、背後に飛び乗って三角締めをかけたが壁に体当たりされたり無駄にスタミナがあったりで、そこからさらに90回程死んだけどな。
2時間首を絞め続けてようやく、倒す事が出来た。
「よっしゃー!」
「ガアアアアア!」
「はっ?えっ?」
拳を高く掲げた瞬間に、腹を何かが貫通する。
刺突無効が発動してない?
後ろを振り返ると、6つ目の牛の腕が増えてた。
そして翼が4対8枚になってた。
あと、無駄に立派な鎧着てたし。
「あれ? セーブルームだ!」
「ブフッ!」
鼻で笑ったファングがまた負けたのか? といった表情を向けてくるが、お前が歯が立たない俺が勝てないんだ。
そんなバカにすることないだろう?
というか、何を刺されたのかも分からなかったんだけど?
――――――
レベル:173
名前:ヨシキ・クラタ
スキル
初級スキル
中級スキル
貫通耐性レベル:1←NEW
上級スキル
4属性吸収レベル:3(炎熱、電撃、風刃、冷気)←NEW
――――――
冷気吸収を覚えて、4属性吸収になったんだけどどんだけ吸収しても4以上には上がらなかった。
なんだろう?
何か条件でもあるのかな?
取りあえずレベル上がりすぎだろ!
まあ、納得の強さだったけどチュートリアルでこんだけレベル上がると、上限が不安になってきたんだけど?
もしかして、レベル300までは初心者扱いとかじゃないよね?




