第10話:神とクラタダイジェスト!
「貴様! 良くも、我らの宮殿を!」
ポセイドンさんが激おこだ。
「お前らだって、入れ違いで俺んち壊しに来たくせに!」
自分の事を棚に上げて。
もし俺がこのヴァルハランドに来たという情報が伝わってなければ、確実にうちも壊されてたと思うし。
「まあ、そうなんだけどね! ハッハッハ!」
「だまれアポロン! あんな小汚いダンジョンと、この崇高な宮殿をっ!……」
セリフの途中で股間を押さえて蹲るポセイドン。
「汚くねーし! めっちゃ綺麗にしてるし!」
ポセイドンが俺のダンジョンをけなした瞬間に、地面を蹴って、フェンリルの籠手を装備してポセイドンの股間に正拳突きを放ったった。
この間、実に0秒。
魔神化状態だからね。
クロノの魔法を借りて、攻撃モーションの時間を消してみた。
超便利。
てか、これ避けられる人居るの?
「くそっ! 時空魔法か! カイロスを呼べ!」
知らない人が、遠くの天使に指示を出してる。
けどさ?
あの天使の人、めっちゃ一生懸命瓦礫の撤去作業してるよ?
竜の攻撃を受けながら。
「すいません! そのカイロス様を含め、中級神以下の方々の大多数がこの下に」
ああ、倒壊に巻き込まれたのね。
キンさんの重力魔法込みだから、小石を一つずつどけるような瓦礫撤去作業なのか。
あの小指大の小石も、重量が1000倍……
てことは、岩だなもう。
重力崩壊とかしないのかな?
「意味分かってますか?」
「ごめん、カッコ付けて見ただけ。文系だから、シラネ」
クロノに突っ込まれた。
やめて!
雰囲気で思っただけだから。
そこんとこ詳しくしないで!
「ダンジョンなのに、綺麗にしてるのかしら? 素敵ね、ダンジョンを愛するその姿勢!」
誰?
っていうか、反応遅くね?
うひょー!
超タイプなんだけど!
「でしょうね。アフロディーテですよ! 究極の美女神のヴィーナスさんと言ったら分かるでしょう?」
「うん、馬鹿にするなよ! アフロディーテ知ってるし! ヴィーナスと同一人物ってのは、知らなかったけど」
クロノの声が若干冷たい。
アフロディーテに何かあるのかな?
「マスターの好みの容姿、ドンピシャに見えるでしょうね……誰から見ても、そうなるような外見ですから」
「あれ、俺の嫁にしたい!」
好みドンピシャに見えるって!
万が一、好みのタイプが変わっても対応できるってこと?
素敵!
「ちなみに、ヘパイトスの嫁ですよ?」
「はっ? あいつ、こんな綺麗な嫁いんのに、妹に発情したの? 殺すか?」
「あー…… どっちもどっちです。クズとビッチでお似合いですよ?」
こんな美人をビッチ呼ばわり!
クロノおまっ!
「だって、あそこのアレスと浮気してますし」
「えっ?」
「他に愛人が二人」
「うっ!」
「しかもバレてフライデーされてます。裸で二人で抱き合った状態で、鎖に巻かれて」
「メシウマ?」
でも離婚しなかったとか。
なんだろう。
取りあえず、2人ともないわ。
「ちなみに、そこのアポロンはこんな美人と裸で抱き合って鎖で巻かれて皆に見られるとか、それなんてご褒美? 俺もやりてー! って興奮してました」
「変態だ……」
「に対して、ヘルメスは俺も俺も! 俺なら3倍の鎖に巻かれても良い! とかってテンションあげあげで」
「いや、鎖3倍とかって、普通に晒す面積減るから軽くなってね?」
「もれなく、全員変態でした」
「あー、クロノが擦れた理由がなんとなく分かってきた」
本当に、神様方の性事情はどうなってるのかね?
しかも、効けばゼウスの叔母さん。
でもって、ユーノーさんのお願いで、ゼウスが仲人して息子のヘパイトスとの仲を取り持ったとか。
息子と叔母をくっつけんなよ!
もうやだ……
「貴様よくもおおおお!」
おっ、ポセイドンのおっさん復活か?
お前はもう一回、股間を押さえて背中ポンポンしてもらえ!
「ぎゃあああああ! 潰れた! これ完全に潰れた!」
あっ、やり過ぎた。
ポセイドンが股間を押さえて今度は、飛び跳ねてる。
「油断したな?」
と思ったら間男に、ハンマーでぶん殴られた。
吹き飛ばされて、地面を2~3回跳ねてそのまま転がる。
「魂に直接衝撃を叩き込ませてもらった……お前はもう死んでいる」
ふーん……
全然痛くも痒くも無いんだけど?
寝転んだ状態で天上を見る。
「死なない身体だ……」
魔神化してるから、完全状態異常無効なんだよね?
だから、怪我とかしないし。
魂にすら、届かないし。
「よいしょっと!」
「ブハッ!」
今度は、アレスが吹っ飛んでいく。
ハンドスプリングで起き上がって、そのまま地面を蹴って殴り飛ばした。
その間実に0秒。
いや、時間を消し……
「毎回、攻撃の度にその説明を繰り返す気ですか?」
「いや、ちょっと癖になっちゃって」
クロノに突っ込まれた。
とはいえ、大したダメージは……
あれ?
起き上がらない?
「マスターの本気の攻撃も、魂に直接ダメージが入りますから……しかも、アホみたいにキンさんとトレーニングしてたでしょ?」
「うん……」
そうか、本気で攻撃したら魂にまでダメージが通るのか。
「グギギギ! 絶対に許さんブッハ!」
ポセイドンがようやく少し痛みが治まったみたいで、こっちに向かって槍を構えていたので本気でぶん殴ってやった。
ブッハって言ったよあの人。
たぶん、ブッハっていうのは、神様が本気で痛いときの悲鳴のような気がしてきた。
「そろそろ、夜なんで自分戻ります」
「ちょっと待て、偽太陽神!」
アポロンがその様子を見て、空に飛びたとうとしてたのをアテネが引き留めてる。
「なんすかもう? 俺、眠いんですけど」
――――――
「あの、もう勘弁してもらえませんか?」
目の前でアポロンが正座してる。
ポセイドンは滅してやった。
どうやら、復活したらしいけど地球の海に逃げ帰ったとか。
どこの海だろ?
アレスとアフロディーテは裸にひん剥いて、グルグル巻きにしたった。
アフロディーテの服を破る時に少し興奮した。
けど、クロノの射殺すような視線……というか、普通に射殺されそうになった。
例の時間を戻して、耐性を消す方法で。
あれズルい!
支援魔法として使ってくるから、状態異常無効をスルーしてきやがる。
まあ、味方同士じゃないと支援判定にならないらしいけど。
唯一俺を殺せる戦力が、秘書だけとかどうなの?
アテネ?
ああ、従魔化した子犬もどきを大量召喚して好き勝手走らせてたら、追いかけてどっか行った。
大量の天使と一緒に。
チョロい。
あと誰か居なかったっけ?
「あいつですか?」
居た!
白い服を頭まで被って、一生懸命壁と同化しようとしてるやつ。
ヘラクレイオスとかって英雄さん。
「英雄なのに、恥ずかしくないの?」
「いやいやいや! 頑張れば勝てる、命掛ければ勝てるってのと、どうやっても勝てないってのは違うでしょ!」
俺にはどうやっても勝てそうにないらしい。
「ポセイドン、追いかけようか?」
ポセイドンに全力の怒りを込めて、殺気を送る。
どこか知らないけど。
――――――
その日、大西洋沖で震度3弱の地震がこ一時間続いたらしいという話をクロノから聞いた。
「うん、たぶんそこに彼居るよね?」
「地球へはいかせませんよ?」
「はいっ」
今度、シルバにのってこっそりと。
「行けると思いますか?」
はいっ、真面目な戦闘シーン。
熱いバトル展開。
熱血!
青春!
心を震わせる対決を書こうとして、早速断念。
というか、前話の内容が酷い。
えっ?酷くない内容の方が少ない?
バカな!
キーボードの不具合の時点で諦めて、活動報告で謝罪して休めば良かった。
割と最終話のオチの前は、結構ガチャガチャと急展開が連続する予定です。
急遽、本日8時に起きて出社することとなりましので、本日も1話投稿です。
現在、深夜2時半……
明日、明後日は2話ずつ確実に投稿できます。
月曜日は忘年会の為、火曜日の投稿は休載しますm(__)m
短編の方もよろしくお願いしますm(__)m




