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チュートリアルと思ったらチートリアルだった件  作者: へたまろ
第1章:チュートリアルダンジョン

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第11話:罠で死ねないので、死に場所探す

 とうとう無効系がことごとく揃ってしまったため、罠を使っての耐性上げが出来なくなってしまった。

 だが、それは喜ばしい事で全然問題無い。 

 問題は……


「腹減った……」

「ウウ……クーン!クーン!」

「いや、食わないし」


 飢餓耐性が仕事をしない、1週間飲まず食わず状態に突入してしまったのだ。

 飢餓系はそこまで上げてなかったから、しょうがない。

 これからは餓死するくらいしか無いけど、スキル上げがねー。

 筋トレとかで基礎ステは上げれるんだけどね。


 そして目の前で仰向けになって、目を閉じるファング。

 まるで、僕を食べなよと言っているようだ。

 でも、実はファングはメスだった。

 よく見ると、男の勲章が付いてなかった。

 だからなに? って話だけどな!


「はあ、次死んだら先に進むかね……」

「ワンワンッ!」


 死ぬなと言ってくれるのかい?

 良い子だねー……

 ちなみにどうやら、俺が死ぬとファングも戻ってくるみたいだけど、ある時を境に死んだあとでめっちゃファングがじゃれついてくるようになった。

 まるで、ファングが状況を知っているかのような。

 知っていたらしい。

 途中からこっそり付いてきてたらしい。

 真剣に罠に突っ込みまくってる俺が楽しそうで邪魔をしないようにしてたとか?

 でも、死ぬのは頂けないと。

 死ぬと、いきなりセーブ部屋に連れてこられてビックリするらしい。

 あと、心臓に悪いと。

 なんでそんな事分かるかって?

 なんか、従魔使役スキルが身に付いてた。

 レベルも地味に上がって10になってる。

 なんとなく言いたい事も分かる。


――――――

「俺! 復活!」

「アオーン!」


 セーブ部屋で立ち上がった瞬間に、ファングにタックルくらった。

 ちなみに、死因は衰弱死ね。


「ワンワン」

「おい! せっかく復活して綺麗になったのに、顔をペロペロ舐めるな!」

「ワンワンワン!」

「えっ? 汚くないって? 火を吹くんだから滅菌はバッチリ? やかましいわ!」


 本当に賢い犬である。

 違う、狼だ。

 なんかもうどっちでも良いわ。


「という事で、新たな死に場所を求めてレッツゴー!」

「グルルル!」

「ごめんごめん! そんな怒らないで! 慎重に死ぬからさ!」

「ガウウウ!」

「痛い痛い! って痛い? あれ? 歯が刺さってる!」


 見るとファングに噛まれたところが地味に痛い。


「なになに? 甘噛みだけど、毎回噛んでたら貫通スキルを覚えた?」


 余計な事覚えんなし!

 刺突耐性無視するのか……

 えっと、物理攻撃無効があるからダメージは負わないけどさ。

 地味に痛覚に訴えてくるから、痛覚を麻痺させとこう。


「ガウウッ!」


 さらに怒られた。

 野生は遠くに消えてったけど、お前はおかんか嫁かと言いたくなる。

 最初は完全服従みたいになってたのに。


「ワンワンワン!」

「なになに? 主として強さだけは優秀だけど、生物として放っておけない? 色々とやばい?」


 やかましいわ!

 取りあえず、先に進むぞ!

 ファングと一緒に、罠を全て無視してファングの部屋を素通りして、先に進む。

 道にある罠も全て無視していくと、突き当りになってる。

 終了!

 出口無いし!


「ワンワン!」

「分かってるって」


 踵を返そうとした俺にファングが吠えかける。

 罠操作できるレベルって事は、こうした隠し通路的なものも見つけられる訳で。

 壁に意識を向けて罠を発動させると、壁がクルンと回転する。

 目の前で。


「……」

「ブフッ!」


 おいっ。

 鼻で笑うな!

 ペットのくせに。


「来い!」

「ブフッ! ワンッ!」


 くそっ!

 今度は一人と一匹で壁に背を引っ付けてから、罠を発動させる。

 クルンと地面が回ったかと思うと景色が変わる。


「おお! 新たな境地!」

「アウーン!」


 新天地に、ファングも興奮しているようだ。

 

「てか、あれなに?」

「ワン?」


 そして目の前に見える、巨大生物の背中。

 盛り上がった背筋が逞しくて素敵。

 でも、ちょっとサイズおかしいよね?

 背中デカすぎじゃね?

 羽も生えてるし。

 頭の横にあるの角だよね?

 尻尾もごついし……


「グルル!」

 

 ゆっくりと振り返った巨大生物と目が合う。

 いやん、そんなに見つめられたら照れるぜ。

 うん、でも目は二つが良いかな?

 なんで6つも目があるんだろう。

 顔は牛っぽいけど、物凄く気持ち悪い。


「ガアッ!」

「ワン!」


 6目牛怪人がこっちに向かって火を吐いてきたのを、ファングが慌てて迎撃する。

 二つの火の玉は丁度中心でぶつかり合って、小爆発を起こす。


「ニイッ!」


 おお、ニイッ! って口で言った。

 笑ってるけど、そこ口で言わなくてよくね?

 

「ガアッ!」

「キター! ファング下がれ!」


 牛怪人の口の中の光を見た瞬間に理解した!

 新しい攻撃だこれ!


「やだ冷たい!」


 あっ、これ冷気系の攻撃だわ。

 死ねる。


―――――― 

レベル:135

名前:ヨシキ・クラタ

スキル

初級スキル

冷気耐性レベル:1←NEW


上級スキル

状態異常無効レベル:2←NEW

電撃吸収レベル:10←NEW

風刃吸収レベル:10←NEW


特殊スキル

従魔召喚←NEW

――――――


 色々とスキルが昇華されてちょっとスッキリしたけど……チュートリアルでここまで強くなれるとか、これクソゲーじゃね?


「ワンワンワンワンワンワン!」


 めっちゃファングが甘えてくる。


「私を庇ってくれて有難う? なに気にすんな!」


 自分の為だ。

 でも、忠誠が上がってるぽいから放置しとこう。

 しかし、新しい攻撃を見ると飛び込むって完全に頭おかしい人だよね?

 ただ、思い切り落ち着いて色々と考えて突っ込んでるから。

 頭おかしくないからね?

 余計に性質が悪いって?

 ほっとけ。

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