表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チュートリアルと思ったらチートリアルだった件  作者: へたまろ
第6章:動き出す世界

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

107/137

第17話:ショータイム

「弾けろ【女神の災厄カラミティオブゴッデス】!」

「弾けろって!」


 アテネの突いた槍が俺の腕に当たった瞬間に、爆発が起きる。

 しっかりと神聖属性が付与されている。

 

「くっ、神聖属性に耐性を持つ魔族とか、なんの冗談だ!」

「あいにくと、神聖属性を扱うダンジョンマスターも居るしな」

「それと、耐性になんの意味が!」

「えっ?」

「だからっ! 耐性とその属性を扱うダンマスの関係性!」

「はあっ?」

「だあっ! 聞く気あるのか?」


 身体に槍が当たる度に爆発してうるさくて、アテネの言ってることがよく聞き取れない。


「喋るか、攻撃するかどっちかにしろ!」

「くっ!」


 突きを戻す寸前で、槍の柄を掴んでアテネを引き寄せる。


「爆発音がうるさくて、聞こえないんだよ!」

「ああ、すまん」


 俺が耳元で怒鳴りつけて槍ごとアテネを押し戻すと、アテネが穂先を下におろして素直に謝って来る。


「なんで味方が神聖属性を持ってるだけで、お前が耐性を持ってるのかって質問だ」

「ああ……そんな重要な秘密を敵に言うわけないだろう」


 俺の言葉に、アテネが驚いたような表情を浮かべる。

 そんなに驚くことか?


「折角頭まで下げて聞いたのに」

「いや、頭を下げたのは槍の音がうるさいことに対してだろ? 教えてくださいって事じゃねーじゃねーか」


 あっ! という表情を浮かべる。


「いや、それ以前に女神の質問に答えないとか、人としてどうなのだ?」

「人じゃねーよ! しかも加護を与えられたとか、庇護下にあるとかならともかく現在進行形で殺しに来てる相手なんだけど?」


 どうやら納得して頂けたようだ。

 手を打って、首を縦に振るアテネ。

 本当に、大丈夫なのか神様サイドは……


「じゃあ、身体に聞くしかないか」

「そうしろっ!」

「いくぞっ!」


 地面を蹴って距離を詰めながら、槍を投げてくるアテネ。

 俺はその槍を掴んだ勢いを使って、横に一回転して投げ返す。

 槍を投げた直後にこっちに駆けだしていたアテネが盾で難なく弾くと、そのまま槍を掴んで突いてくる。


「意外とやるじゃないか」

「それはどうも」


 アテネの連続突きを全てかわしながら目の前まで接近すると、腹に拳を叩き込む。

 っと、これも防がれたか。

 盾が鬱陶しいな。


「ちっ! 馬鹿力め!」


 とはいえ、衝撃を殺しきれるわけもなくアテネの身体が宙に浮く。

 その隙を見逃す俺じゃない。

 綺麗な弧を描くように、上段内回し蹴りを側頭部に向かって放つが残念……かわされた。


「空を飛ぶとかどうなの?」

「女神は空に浮くものだ」


 空中高くで制止して、こちらを見下ろすアテネ。

 うん、しょうがないからレーヴァテインも使ってみるかな?

 手に剣を転送してもらうと、アテネに向かって投げつける。


「喰らうかよ!」


 そうか残念……でも頭上に注意な?

 盾で受けようとしたアテネが、神剣であることに気付いたのか正面から受けずに盾の角度を変えて受け流す。

 そして天井に突き刺さる剣。

 崩れ落ちる天井。


「うわっ!」


 巻き込まれるアテネ。

 好機到来。


 土砂を無視してアテネに近づくと、その足を掴んで地面に優しく叩きつけると馬乗りになって組み敷く。

 すぐに手にレーヴァテインを転送させて、アテネの顔の前に切っ先を突きつける。


「終わりだな?」

「刺せば良い……すぐに復活して、貴様を殺しにきてやる」


 ちっ……

 やっぱり、そう簡単には降伏しないか。

 じゃあ仕方が無い、分かるまでやってやろう。


 後ろに飛び退って、剣を構える。


「じゃあ、勘弁してくださいって泣いて謝るまで相手してやるよ!」

「折角の最後の勝機を自ら捨てるとは、馬鹿者め!」


 互いに距離を取ったまま、にらみ合う。

 流石に戦女神。

 油断が完全に無くなったいま、隙が微塵もない。

 

 盾をこちらに向けた状態で、槍を構えるアテネをどう攻略するか。

 力押しでも良いが……


 そうだ、力押しでいこう。


「まずは力比べといこうか?」

「なっ!」


 筋力100%形態の今なら、いけるだろう。

 クロノに頼んでアテネの目の前に転移してもらうと、ひたすら左右の連打を放つ。

 最初は片手で盾を構えて防ぎつつ、槍で反撃してきたが槍の穂先も無視して隙間なく、全速全力で拳の連打を放つ。

 アテネの槍の穂先が砕け、片手で防ぎきれず体勢を崩す。

 さらに連打。

 両手でしっかりと盾を構えて防ぐアテネ。

 それに対して、敢えて盾を両手殴り続ける。


「ぐっ!」

「おいおい……少しは抵抗してくれないと。退屈で仕方が無いのだが?」


 アテネの足が地面に埋まっていく。


「【神体強化(ゴッデス・パワー)】」

「おおっ?」


 アテネの身体光ったかと思うと、徐々に盾が押し返される。

 うんうん、良いね……


「調子に乗るな!」


 そのまま盾で空中に弾き飛ばされる。

 

「やるじゃないっか?」

「馬鹿め!」


 いつの間にか再生した槍を構えるアテネ。

 

「空中で避けられないのは、お前の方だろ!」

「うわぁっ!」


 一瞬で目の前に飛んでくる槍。


「雑魚が!」


 俺の身体の背後に槍の穂先が飛び出している。


「なんつってな」


 まあ、脇で挟んでるだけだけどね。

 刺さってるように見えた?


「なんだ、その翼は! 半人半魔じゃ無かったのか?」

「なんだ? カイロスに聞いてないのか?」


 黒い翼をはためかせながら、地面にゆっくりと降りる。

 そして、両手を広げる。


「ボスキャラってのは、変身するものだ」

「これは……ヘパイトスめ。本当の化け物じゃ無いか」


 後ろにヨロヨロと後ずさるアテネに向かって、槍を軽く投げつける。

 アテネの頬を霞めて、背後の壁に突き刺さると爆発して壁が崩れ落ちる。

 頬から血を流したアテネが、ギギギと聞こえてきそうな風にぎこちなく後ろを振り向いて、こちらに向き直す。

 その表情からは、完全に焦りと恐怖が伺える。


 というか、えっ?

 普通に槍投げただけなのに、爆発したんだけど? 

 いつの間に、俺こんなスキルを!

 魔人化すげー!


「アテネの槍のスキル効果ですよ? もう忘れたのですか?」


 クロノが呆れたように突っ込んできた。

 うん、忘れてた。


「じゃあ、2回戦と行こうじゃ無いか……」


 取りあえず、アテネは気付いてないみたいだからカッコつけとこう。




クラタが……頑張ってる。

次回決着、それから軍団相手に無双展開に?


感想、評価、ブクマお願いします。

次は17時予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ