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チュートリアルと思ったらチートリアルだった件  作者: へたまろ
第6章:動き出す世界

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第10話:ユーノーさん再び

「あらー……あら? 二人しかいらっしゃらないの?」

「あー、他の皆なら先ほど帰ったよ」

 

 ジッと周囲の気配を伺っていたら、歪みが出来てユーノーが現れるのが見えた。

 便利だな転移。

 俺も使いたいなー……チラッ


「1000年早いです!」

「長くね?」


 クロノめ。

 取り敢えず会議終了後に一旦戻ってセーブしてきた。


「取りあえずさ……その物騒なもんは貰うね」

「えっ?」


 手に持った王笏を一瞬で奪い取ると、その場でへし折る。

 取りあえず、これで……あれっ?


「あー、それ私が自分の神気を具現化してるだけだから、いくらでも作り出せるのよー」

「ソウデスカ……」


 いきなり作戦1がポシャった。

 流石神様です。

 というか、最上位に位置する神様の1人だね。

 ユーノーさんじゃ分かりません。

 クロノがざっくり教えてくれた。


――――――

 地球で主神職を務めたユーピテルさんの奥さんだったらしい。

 でもって、彼女自身女神最上位だったらしい。

 いきなりボスキャラ来た。

 ウケる。

 

 ユーピテルさんって誰?

 クロノにめっちゃ呆れられた。

 地球でも超有名人らしい。

 シラネ。


「他に名前無いの?」

「地球のギリシャ神話ではゼウスですね」

「それなら、知ってる」

 

 ややこしい。

 ローマ神話の主神はギリシャ神話の主神?

 そうなの?


「まあ、諸説あるようですが基本同一人物と思って下さい」

「じゃあ、奥さんは? たしかヘラとかって」

「ヘーラーです。ユーノーと同一人物ですよ?」

「もう統一しちゃえばいいのに」

「過去の神話をいまさら編纂したところで、広まらないでしょう」


 説明が面倒くさくなったら、いっつもこいつは難し事を言って俺を煙にまこうとする。

 まあ、突っ込んではみたもののあまり興味は無いし。


――――――


「取り敢えずさ、女性には手を上げられないから……用件だけ伝えて帰ってくれない?」

「はっ?」


 魔人化筋力100%形態に変化したら、何故かブラムスがびっくりして尻もちついてた。

 あっ、見せるの初めてだったっけ?


「フフ、そんな事を言いながら力で脅す気ですか? 神である私を!」

 

 魂を一瞬で抜き取られたわ。

 残念、すぐにクロノが魂をダンジョンに飛ばして、俺の身体に定着させる。

 これが、作戦2。

 俺の身体に魂がある状態で破壊されると、即死コースだけどね。

 じゃあ、魂を常に預けとけばいい?

 疑似魂が俺の情報をセーブポイントの魂に刻んでるから、これがないと記憶までやり直しになっちゃう。

 可能性は低いけど、強化復活が出来ないとか。

 あと魂の無い器は、能力が1段階以上下がるらしいし。

 それでも、大半の連中より強い俺すげー!


「毎回、確実に殺されてますけどね……しかも本気でやって」

「ウルサイ!」


 クロノがちょいちょい口を挟んでくるのが、イラつく。

 まあ良いや。


「どうやったのか知らないけど、神と戦うだけの資格はありそうね……」

「これから、あんたが俺を殺しても良いんだぜ?」

「無駄な事はしない主義なのよ。それに、そういう面倒事は下の連中がやれば良いし! じゃあ、また会いましょう」


 口に手を当てて笑いながら、ユーノーが消えてく。

 良いのかな?

 何しに来たか聞いてないんだけど。


「あっ、知ってると思うから黙ってたけど、神々が貴方に戦争を仕掛けるからね! ヤーヌスの門は開かれた! またね、坊や」


 と思ったら目の前に一瞬戻って来て、すぐに消えてった。

 おでこに指をチョンとされた。

 ちょっとドキリとしたのは内緒。

 一回死んでこようかな?


「主神の奥さんですよ?」

「そうだった……」

「しかも彼女、レビィアタン以上に嫉妬深いですし」

「そう……」


――――――


 ブラムスです。

 クラタ様と前にやりあってボコボコにされたブラムスです。


 あの武闘派脳筋のリカルドさんにも勝ったらしいので、当然か。

 そのうえテューポーンさんを倒したらしいから、てっきりあの時も多少は手を抜いてたのかなと思ったり。

 しかも30%の力で倒したとか。

 これは流石に嘘だと思った。

 きっと、このメンバーを纏めるためには多少は飛びぬけた力が無いと。

 だから、テューポーンさんあたりの入れ知恵かなと。

  

 現に、クラタ様がテューポーンさんを叱ったりしてる場面も見てたりしたけど、演技ご苦労様くらいにしか思って無かった。


 凄いもの見た。

 テューポーンさんを30%でくだしたのは本当だった。

 それすらも怪しい。

 もしかしたら、それ以下の力だったかも。

 だって、ユーノーとかいう美人さんを相手にしたときに、魔人化したもん彼。

 半人半魔じゃ無かったの?

 

 全然知らなかったんだけど。

 ブラムス超騙されてた!

 いつか、ワンチャンあるでこれとか思ってた。

 無理。

 

 ダンジョーン様と同等?

 だって、神と渡りあってたし。

 あれも主神級?

 嘘でしょ?

 

 なんだろう、扱いが酷いとか思ってごめんなさい。

 末席とはいえ、クラタ軍幹部だもん。

 これって凄い出世じゃないのか?

 深淵のダンジョンの1つとか言われてたけど、もしかしたらダンジョン界の神となる方の幹部。

 しかも初期からの。

 これ、栄誉職もいいとこじゃん。

 あの人、何気に褒めるところは素直に褒めてくれるし。


 ダンジョン運営については色々と褒めてくれてるし。

 部下の事はもっと褒めてくれるし……

 あれっ?

 むしろ俺より、部下の方が褒められてね?


 というか、カーミラの方が大事にされてるし。

 ヤバい……


 もっと存在感を出してかないと。

 取りあえずイメチェンを……

 化粧とか?

 髪染めようかな?

 服から変えてこう。


――――――

「誰だお前?」

「ブ……ブラムスです」


 なんか、全身に髑髏の刺繍が施されたレザースーツに身を包んだ、赤色の髪のオールバックのおっさん。

 目の周りに隈取っぽい化粧までしてある。

 唇真黒だし。

 金色のネックレスがジャラジャラ。

 爪もめちゃくちゃ長い。

 チェーンの付いた銀色の指輪やら、鋲の付いた皮のリストバンドやら。

 ブーツも酷いもんだ。

 なんか、わけのわからん棘がいっぱい生えてるし。

 頭には茨の冠。


「あー、よ……良く似合ってると思います」

「本当ですか? 良かった……恥を忍んでイコールに聞いた甲斐がありました。彼オシャレですからね……ただ、ちょっと攻め過ぎかなと不安に思ってたんで」

「あ……そう」

「褒めて貰えて、自信がつきました」

「良かったな」

「これからは、クラタ軍にブラムスありと言われるように、常に先頭で矢面に立って目立って見せます!」


 やめて。

 というかクラタ軍ってなんだ?

 連合軍の間違いだよな?

 おいっ! ブラムス!

 ちょっ、待て!


――――――

「どうされました、クラタさん。難しい顔をされて」


 諸悪の根源が何食わぬ顔で来た。

 頬を若干ピクピクさせながら。


 イコールくん?

 きみ、ブラムスに何教えてるのかな?

 飛び火してるから。

 ブラムスの事嫌いかもしれないけど、ほどほどにしたげて。

 

 でもって、責任もってブラムスを元に戻して?


「あー、今更ですか? ちょっと言ってみます」


 無理だった?

 クラタ様が褒めたから?

 もう、イコールが何言っても嫉妬乙しか言わない?

 そうか……

 消すか?


次は明日の6時投稿予定です。

多くの感想、ブクマ、評価有難うございます。

最後まで、お付き合い頂けると嬉しいですm(__)m 

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