プロローグ
-俺は学校生活とはもっと楽しい物だと思っていた。中学の時に出来なかった事を高校でやる・・・・そんなのが楽しい学校生活を送っていく上での考え方だと、高校に入る前まで思っていたんだ。
それなのに、これは何だ・・・
「うおおおおおっ!」
「お前なんかに渡すかあ!」
「ぐあっ!?」
怒号。
怒号。
血。
-目の前には・・・いや、周りには俺と同じ制服を着た生徒達が男女関係無しで刀やらナイフやら炎やらで・・・・・・炎!?何で炎!?人から炎なんて出る訳ねえだろ・・・。
-闘っている。
-まあ兎に角、入学してきたのは良いが、周りがそんな事になっている事で俺の計画していた・・・・って言ってもそんなには計画と言った計画は経てていないが、その中学で出来なかった事をしようと言う考えが、入学初日から見事にうち壊された俺。
-あ、因みに俺は來條裕希。
-・・・・・って、紹介してる内に何か数人に囲まれてしまった。
「へっ、コイツ弱そうだな」
「コイツからなら簡単に奪えるかもしんねえな」
「指切り落としてでも奪うぞ!」
-ああ・・・死亡フラグ。刃物持った男数人に囲まれた。見たところ手を組んで奪おうって作戦だろ。後から敵になるって言うのに変な奴等だな。
「一気に行くぞー!」
-俺、死ぬのかな・・・まだ入学したばっかだしやりたい事一個もやってないのに。ああ、刃物の動きがスローモーションに見える。
〔ガキーーン!!スパッ!〕
「うあああああっ!?は、腹がっ・・・!!」
「ぼさっとしてんじゃねえぞ、裕希!」
「・・・佳兎」
-月嶋佳兎。俺の小学ん時からの親友だ。佳兎が双剣使って俺を狙ってた男達を弾き返してくれた。
-コイツもいずれ俺を狙ってくるんだろうな。
「指輪は守れよ?」
「分かってるよ」
-そう・・・・俺達が奪い合っているのは、俺の指にも佳兎の指にもはめられているこの指輪。この指輪は俺達にとってはこの学校生活を送っていく為にはとても必要な物なんだ。