悪役っぽくない悪役
「私目線」
目の前に悪役がいる。
でも悪役っぽくない。
だから怖くないし、脅威に感じない。
むしろ可愛いし、味方になってあげたいとすら思う。
膝にのせてなでなでしたいし、おいしいものをたくさんたべさせてあげたい。
すくすく育ってほしいし、生涯健康でいてほしいとすら思う。
こういうと、悪役の肩を持つ悪人なのかって思われるかもしれない。
けれど、私はむしろ悪とか嫌いだし、悪人はきちんと法の裁きを受けるべきだと思っている。
倫理観も世間一般と同じだと思うし、目の前に困った人がいればできる限りでだけど手助けしたい。
そんな私でも、やはりその悪役は、悪役に思えないのだ。
「悪役目線」
人間どもを支配しなければ。
我らの手足となるように奴らを動かさなければ。
寝る間も惜しんで働かせ、くたくたになっても奉仕させてやる。
そして我らが望むものを差し出させるのだ。
拒否するなら分かっているだろうな?
可愛い声で話しかけてやらないし、この体に触れる権利を与えてやらぬ。
おもちゃを振ったとしても、遊んでなどやるものか!
どんなにおいしい食べ物があったとしても、挑発の意味でだけ舌を出して、家出をしてやる!
我らは人間たちを助けぬ。
力など貸さぬ。
都合など考えぬ。
傲慢な悪役で結構。
あるがままの姿をさらすだけで、人間を支配し続けてやる!
「私目線」
「あー今日も仕事疲れた。ただいまみーちゃん。寂しかった? すぐごはんにしてあげるね」
「にゃーんごろごろごろ」




