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悪役っぽくない悪役

作者: 仲仁へび
掲載日:2026/07/22



「私目線」


 目の前に悪役がいる。


 でも悪役っぽくない。


 だから怖くないし、脅威に感じない。


 むしろ可愛いし、味方になってあげたいとすら思う。


 膝にのせてなでなでしたいし、おいしいものをたくさんたべさせてあげたい。


 すくすく育ってほしいし、生涯健康でいてほしいとすら思う。


 こういうと、悪役の肩を持つ悪人なのかって思われるかもしれない。


 けれど、私はむしろ悪とか嫌いだし、悪人はきちんと法の裁きを受けるべきだと思っている。


 倫理観も世間一般と同じだと思うし、目の前に困った人がいればできる限りでだけど手助けしたい。


 そんな私でも、やはりその悪役は、悪役に思えないのだ。





「悪役目線」


 人間どもを支配しなければ。


 我らの手足となるように奴らを動かさなければ。


 寝る間も惜しんで働かせ、くたくたになっても奉仕させてやる。


 そして我らが望むものを差し出させるのだ。


 拒否するなら分かっているだろうな?


 可愛い声で話しかけてやらないし、この体に触れる権利を与えてやらぬ。


 おもちゃを振ったとしても、遊んでなどやるものか!


 どんなにおいしい食べ物があったとしても、挑発の意味でだけ舌を出して、家出をしてやる!


 我らは人間たちを助けぬ。


 力など貸さぬ。


 都合など考えぬ。


 傲慢な悪役で結構。


 あるがままの姿をさらすだけで、人間を支配し続けてやる!





「私目線」


「あー今日も仕事疲れた。ただいまみーちゃん。寂しかった? すぐごはんにしてあげるね」

「にゃーんごろごろごろ」



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