人間観察in中二病
実況:「皆さんこんにちは、人間観察の時間がやってまいりました。観察するのはイタ過ぎる中二病の少年、ここでは仮に不神滅陽とします。彼は13歳の中学二年生真っ最中です。申し遅れました、私は薄色主義です。中二病特集ということで名前は中二病使用となっています。実況は我磁屡さんです。よろくしお願いします」
解説:「よろしくおねがいします、ところで彼の名前を扶清滅洋と掛けるのは良いんですがですが呼びにくくありませんか?」
実況:「おや、そろそろ不神滅洋が起床しますよ」
解説:「自然にスルーされたぁああああああ11」
実況:「何叫んでるんですか、!!が11になってますよww。しかもキーボードあんま見ない人には分からないネタですね」
解説:「"ww"ウザっ! 確かにキーボードを見ない人にはわからないかもしれませんが、!と1が似ているという解釈の仕方もあるわけで―――」
実況:「我磁屡さんは、まだ何かわめいてますがスルーしましょう。あっ、起床しましたよ」
私の朝は早い。
寝ている間に腕が勝手に暴れて包帯が解けていく、故に早起きして家族が起きる前に包帯を巻き直さなければならないのだ。
この腕を見られると腕が勝手に、反射的に、みんなを殺ってしまうかもしれないから……。これが、僕の運命なんだ……。
「どうして、こんな事に……。うっ! また暴れだした。くそっ、耐えるんだ。はぁはぁ、気が……遠のいていく………」
実況:「……彼は耐えているようですが私たちは聞くに堪えません。布団から起き、着替えを済まし、包帯を巻き直していますね。ついでにいうと菓子パン食べてます。無意味な叙述トリック、そして、あんなモノローグ出してますけどいかがでしょうか」
解説:「アレは、邪気眼という有名な自分の中の第三の目ですよ、彼は分かり易すぎますね。早起きして包帯を巻く作業を運命と称しているあたり、シリアスムードを自分の中で展開しているご様子ですね。睡魔に負けて眠ってしまう事を『気が遠のいていく』と言ところとか。菓子パンは不神滅洋の週末の楽しみです」
実況:「なるほど、なるほど。有難うございます。ことろで我磁屡さんはあんなことした経験はありますか」
解説:「あなた理解する気ないでしょ、ウザい。くそっ、耐えるんだ。…ふぅ、私は無いですね。私の場合は中二病はほぼ発祥しなかったと行ってもいいと思いますよ、その代わり、中学3年では高二病でした、不良っぽいチャラチャラした服を批判したり、中1の最初の作文で不良を中二病だと言って馬鹿にした事も記憶に残ってます」
実況:「なんでそんな貴方が中二病の解説してるんですかっ」
解説:「アレ、ちょっと怒ってない? まあいいか、私は短大で中二病を学びました」
実況:「ありえないから! そんなサブカル短大ないから!」
解説:「さっきと立場変わってません?」
実況:「もういいです、勝手に妄想短大に行って来てください」
解説:「そいやあ薄色主義さんはどうだったんですか」
実況:「私は人並みに中二病やってましたよ、学校に菓子や音楽再生機持って行ったり、不良になりきれないような少年でした。ついでに包帯とか……」
解説:「ツマンネ」
実況:「ツマンネ!? 私の思い出をツマンネだと!?私の思い出を何だと思っているんですか!確かにあの頃のわたしは、普通過ぎる中二病でしたがいちよう包帯を―――」
解説:「あはは(棒読み)、サーセンww 薄色主義さんは、まだ何かわめいてますがスルーしましょう。あっ、私たちが話しているうちに起きましたよ」
ナイフ、私の大好きな得物だ。もちろん私も所持している。そこら辺のものじゃない人など簡単に殺せるほどのものだ。
ナイフ、それは最強である。軽い、幾本も所持できる、そして殺傷力。これらが合わさったものなどそう無いだろう。
銃なんかは、確かに遠距離攻撃が出来るが弾があるゆえに攻撃に限界があるし、現代の日本では現実的でない、何より訓練されて無い人間では扱いにくすぎる。
ナイフはそれらの条件すべてをクリアしている。ゆえに最強の二文字にふさわしい。
光の反射もまた良い。
実況:「ナイフを箱から取り出したようですね。そして、反射を楽しんでいるようです、ニヤニヤしてますね。さらにナイフ最強とか言ってますよ」
解説:「ナイフ(無条件で)最強君ですねえ。中二病ってワルをかっこいいって言うじゃないですか、それの派生の様なものなんでしょうね。居ましたよ友達に、『ネットで知り合った人とカッターで切りあって相手を切るごとに顔をしかめるのが面白い』『相手を沢山切ったのに俺これだけですんだ。俺って人を切る才能がある』って来た人」
実況&解説:「イタいですねえ」
実況:「おや、彼、自転車で出かけるようですね」
ゲーセンにでも行くか。
私は自転車をこぐ。
「ん。うわぁあ!」
人とぶつかりそうになった、うわっ、相手の目つきワルっ。
「サーセン」
そう言ったら相手(中二ぐらい)は去っていった。
………ビビって無いし、『サーセン』んて言ったし。そうじゃなくてもこっちは若干下を向いてたから変な意地張らず謝った私は大人の対応をしたといえるだろう。だろう……。
ま、まあゲーセン行こ……。
実況&解説:「謝りましたねえ」
解説:「誤っちゃった後の頭の中でのフォロー、『僕は弱くない正しい事をした結果なんだ!』って感じですね。大人はサーセンなんていいませんよね」
実況:「おい、ガキ」
解説:「ガキ!? そんなこと言われる覚えは無いですよ!」
実況:「あれれえ。さっき言ってたじゃないですかあ『サーセン』ってしかも ww 付で」
解説:「あの状況で聞かれてたぁああああああああ!!」
実況:「あはは、皆に言ってやろ」
解説:「言わないで! なんでもしますから!」
実況:「じゃあ、分かりやすく。靴をなめろ」
解説:「はいぃ!」
実況:「マジでなめるんだ」
―――ガリッ
実況:「ん?…………………………………………痛てぇえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!」
解説:「どうしたんですかあ。ニヤニヤ」
実況:「噛んでんじゃねねねねねねねえYO」
解説:「おっ、DJ我磁屡ですかあ」
実況:「ああっ、靴に歯形がついてるっ。高かったのに!仕事用なのに!」
解説:「なぁにが仕事用ですか、気取りやかって、暴君さんよう。もう一回噛んでやろうかあ」
実況:「すみませんでしたあ! マジ痛いんです」
解説:「よぅし、実況を続けろ」
実況:「はいぃ! ゲームセンターに到着した模様ですよ」
居ない……、別の事いこ。
居ない……、別の事いこ。
居ない……………。
……帰ろう。
グスン
実況:「子供っぽくなってません。まぁゲームセンターに行きましたが、誰かを探しているんでしょうか?何もせずに帰っていきましたよ」
解説:「彼はきっと、友達に会って一人でゲーセン通いなほどBADなBOYアピールしようと思ったんだと思いますよ」
実況:「一人でゲームセンターって結構居ますけどねえ。僕は麻雀が好きなんですが薄色主義さんはお好きなゲームって何ですか」
解説:「麻雀って、大人ですね。僕はギャル……。ああ、ゲームセンターでのことね、オンライントレーディングカードアーケードゲームなんかが好きですよ」
実況:「それって野球とかサッカーとか戦国ものじゃなくて、モンスター系でしょう。しかも美少女キャラのカードを集めていると見た!」
解説:「っ!! な、何故それを!ゲームをやる時は店内に知り合いがいないかちゃんと確認していたのに!」
実況:「そんなエロ本を買う人みたいなことを……。自白してたじゃないですか。自分の発言には責任を持とう」
解説:「うわぁああ!私がエロゲオタクだとばれてしまったぁああ!」
実況:「そこはばれてませんでしたよ。……あれ、我磁屡さん? どうやら放心状態のようです、心が弱いですねえ」
突然だが帰宅中不良に絡まれた。
低能どもめ、と思わないわけが無いがここでキレたら複数対単数ではマズいので抵抗はしないでいた。が、それもおしまいのようだある我慢の限界。
ある一言が特に気に障った。『カスが調子のんなよ』こっちがなにかしたか?なんで立っているだけで調子に乗ったことになってるんだ?
我慢の限界だった。
「うるせぇえええええええ!!」
私は暴力に訴えていた。
一人の不良が吹っ飛んだ、比喩でなく正に。
当然その後ろにいた野郎も飛ぶ。
たじろぐ不良、鬼の形相をした私。
『ひぃいいっ!!』
数人吹っ飛ばしただけで腰を抜かして逃げやがった。
ちょっと力入れすぎたかな。刃物は使ってないから許されるよな。
実況:「妄想ですよ。状況を説明しますと帰宅し昼食を食べ終えた彼は自室にて3時間程、強き自分を想像してニヤけてます」
解説:「強き自分を想像したい年頃なんですよ、彼の場合行き過ぎですが。だから僕も精神強き自分になります!」
実況:「よしよし、良い子ね。アメちゃんあげるからどっかいってなさい」
解説:「なんでだよ!せめて、遊びに行ってきなさいでしょ」
実況:「そこの問題なんだ……」
あっ、さっき出かけた時にアニメティ行ってれば良かった。
眠い………………。
ぐーぐー
実況:「寝ちゃましたね」
解説:「ネタが尽きてきたんじゃないんですかあ?」
実況:「何の話ですか?」
解説:「いえいえ、こっちの話ですよ」
実況:「ところで彼って何系なんでしょうね」
解説:「DQN系とか、って言うことですか?」
実況:「ええ、彼ってオールマイティになるんですかね」
解説:「面倒な子に目付けちゃいましたねえ」
実況:「本当ですね」
解説:「DQN系なところが多いと思いますが」
実況:「ところで、薄色主義さんは何系でしたか?」
解説:「いや私中二病になってないですし……。あえて言うなら私はDQN系でしたね。学校に手飾りして行ったりしてましたねえ、今思えばよくあんな恥ずかしい事してましたね……」
実況:「あイタタ、ちゃんと中二病してたんじゃないですかあ。手飾りって……、ブレスレッドって言いましょうよ。今ではオッさんですねえ」
解説:「誰がオッさんだよ! ……じゃあ貴方は何系でした?」
実況:「邪気眼系でした」
解説:「前にDQN系だってこと匂わせて無かった? あんたの方が痛いじゃないですかか!」
実況:「今でもたまに腕が……。」
解説:「現在進行形ッスか!?」
実況:「えへへっ☆」
解説:「可愛い子ぶっても逆効果だからね」
実況:「あっ、彼が夜の徘徊に行くようですよ。それじゃあ続き、行ってみましょうぉおお!!」
解説:「強引に押し切った!」
私は晩の夜歩きを楽しみにしている、理由は、理由は………、そう街の見回りだ。
僕の力は危険だが、確かな強さがある。使い方によっては"破壊"ではなく"制裁"にも使えるが、結果的には変わらないが言い訳程度にはなるだろう。
……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………何にも起きないよう。
帰ろう…………………。
包帯が解けないように気おつけなくてわな。
お休み。ぐーぐー――――――――――。
実況:「えっとお、晩御飯を食べて入浴し終わった彼は夜回りに行ったのはいいですが。残念な結果になりましたねえ。まあそれが普通なんですけど」
解説:「最後の最後まで中二病でしたね。夜回りまでやるとは、硬派……ですかね」
実況:「あーあ、終わっちゃいましたね。楽しかったのになあ」
解説:「そいやぁあなた、自分で決めといて途中から不神滅陽君のこと『彼』って代名詞で呼び始めましたよね。まあ、私もなんですけど」
解説:「細かい事は気にしないんですよ。明日からまた仕事ですね。冥土に帰らなきゃならないのか……もっと休みが欲しかったなあ。一日しか休みがもらえないとは」
実況:「先輩もうるさいですからねえ、明日からまた悪族と戦わなきゃならないのか」
解説:「まあ、休みのおかげで頭の中はリフレッシュできましたから良しとしましょう。さてと………」
実況&解説:『それじゃあ帰りますかっ!』
以上中二病がお送りしました。