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epilogue
絡まった青いレーザーライトはあの人に伸びると銀色に小さく砕け、その背中を照らしては暗闇に隠す。
こちらを振り返るその顔が光を集めた時、悪魔のように釣り上がった頬が稲妻を纏い、身体の細胞は一斉に息を止めた。
どこから来るのかわからない、唐突にあの人の香りがする。
葡萄のチューイングガムみたいな甘い香りで、その香りは偶然鼻の前を漂い、後ろを振り返ったりする。
冷たい床に預けた身体が、ひんやりと凍えていた。
牢獄の外は季節が変わったのだと思う。
低い灰色の天井を見つめ、そっと目を閉じた。
乾燥した鼻先で、鼻歌を歌った。
途切れ途切れの掠れた音は、あの日、わたしが耳にした洋楽だった。
わたしはこれまで、多くの人間を欺き、傷つけ、罪を犯した。




