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見えるの?
「やめろ!!」
声と同時にドアを開く音と共に見知らぬ男の子が入ってきた。
「危ないから、、それを下せ!!」
「あなたは、、、、、誰?!」
私の一瞬の隙を見て彼は私の手からアイスピックを奪い遠くに放り投げた。
「俺はここの近所に住んでるんだ。名前はリョウ。
勝手に入って悪かった!
あんたが乗ってたバスに俺も乗ってて、気分が悪そうにしてるなーって見てたらいきなり叫んで降りて行ったからびっくりして後を追ってきたんだ。」
「それだけでここまでおいかけてきたの?!」
少し困った顔をしたが仕方がないような感じで話し始めた。
「俺には見えるんだ。悲しみが深ければ深いほど濃い青い色に見える。あんたはとてもじゃないけど放っておけるような状態じゃないとおもったんだ。だから、、」
「ちょっと待って!!あなたも見えるの?!」
これが私が生まれて初めて人の話を思いっきり遮った瞬間だった。