もう限界!!
体力的にも、精神的にも限界だがそれでも朝は容赦なく誰にでもやってくる。
もう何も見たくない。
毎日毎日が怒り、危険なことが嫌でも目に飛び込んでくる。
それなら上手く消化できるタイプなら良かったのだが、少しずつ自分の中にも吸収してしまってうまくコントロールできなくなっている。
目に映る赤いものが全て本当は自分の怒りであるかのようにさえも思えてくる。
そんな中での朝の満員バスは地獄のようだ。
朝はただでさえ忙しく、心が騒がしい。
早く行け! ふざけんな!
押すな!
席を譲れ!
うるさい!
ウザ!
黙れ!!
次々と人々が怒りの感情をむき出しにしてくる。
とっさに目を閉じるが、耳からも怒りの声がどんどん入ってくる。
「もう。もうやめてーーーーーー!!!」
私はそこからとっさに逃げ出したくて、バスを降りそこから只々走った。
そして気がついたら家のキッチンのところでアイスピックを自分の目に震えながら向けていた。
「もう無理!!もう何も見たくない!聞きたくない!あーーーーー!!」