ラブコメでもないっぽいんだが
「今日の5限目、あたし達女子は水泳だったでしょ?」
「あ、あぁ、そうだなこっちはマラソンだったけど」
「更衣室の鍵はあたしが持つことになっていて、みんなが着替えたあとあたしが最後に鍵を閉めたの」
「そして手首にその鍵をつけたまま水泳して授業の終わりにあたしが鍵を開けたのよ。つまりは出るときは最後で入る時は最初」
「う、うん。それはわかるよ」
「それなのにね、あたしの下着が無くなっていたのよ。つまりはあたし達が授業してるとき更衣室に入った人がいるの」
そう言って俺を睨みつけてきた
「いやいや、なんで俺なんだよ!てか更衣室の鍵は?一つしかないの?」
「一応マスターキーはあるみたいなんだけど、そのマスターキーは厳重に保管されてるみたい」
「だったらなおさらなんで俺なんだよ?てかそれって誰にも不可能なんじゃね?」
「そう、不可能なのよ普通の人には」
「普通の人には?なぁ如月、なに言ってるんだよ」
「とぼけないで。あたしは知ってるのよ、あなたが能力者だってこと」
ドキっとした。能力者?俺のこの能力がわかってたってことか?
「あなただけじゃないのよ能力者は。あたしも能力者よ」
如月美琴が能力者!?
ちょっと待て待て、俺みたいな超能力持ってるやつが他にもいたのか?
しかも如月美琴が?
「ふん、信じれないようね?あたしの能力は他の能力者がわかる能力。しかもある程度能力の系統がわかるのよ」
「系統?」
「能力者はオーラを纏っているから、能力者か、非能力者かはすぐ区別できるわ。そしてオーラの色で系統を判断するの。例えば赤のオーラなら攻撃系。青なら防御系、緑ならヒーリング系、そしてあんたの色、紫は移動系よ」
「ちょっとまて、俺移動系能力なのか?」
便意を操るって移動系なのか??
「そうよ、あんたは紫のオーラ。他の人より汚い紫だけど、きったねぇ紫」
口悪ぅー
まだまだチンプンカンプンだけど
「仮に俺が移動系能力者だとして、どうして下着泥棒の犯人になるんだよ?」
「あんたバカ?更衣室は鍵がかかってるけど移動系能力者ならテレポートとかして中に入れるじゃない。もしかしたら下着の方をテレポートさせたのかもしれないけど。それに」
さらに如月は続ける
「あんたのこと他の人に聞いたけど、あんたマラソンの途中でトイレに行ったらしいじゃない?10分くらい帰ってこなかったって聞いたわよ」
ぐっ…あれは如月美琴の水着姿を想像してどうしてもおさまらなかったからトイレに行ったなんて言えない
「そりゃ腹痛くなったんだもんトイレくらい行くわ」
「更衣室に入れるのは移動系能力者、そしてクラスメイトに紫オーラの移動系能力者。しかもそいつは10分間のアリバイがない。どう?じゅうぶん疑う理由があるでしょ?」
なるほどそういうことだったのか
色々納得いったぜ
でももちろん俺じゃない
この疑いを晴らすには俺の能力を教えることしかないな
「わかったよ如月。確かに俺は超能力みたいなのがある。でも誤解がある。俺は移動系能力者かもしれないがテレポートとかは使えない。今俺の能力を教えるよ」
「ふーん、いいわ。教えて、あなたの能力」
「わかった…如月ごめんな、また少しお腹痛くなるかもしれないけど、すぐ解除するからな」
そう言っておれは如月美琴の便意レベルを上げた
「くっ…また、さっきと同じ…なんなのこれ」
如月美琴は苦痛の表情を浮かべお腹をおさえた
俺は如月の便意レベルを0にした
急に痛みが無くなって不思議そうな顔をして
「もしかしてこれがあなたの能力?」
「あぁ、これが俺の能力…便意を操作できる能力だ!」
……………
「なにそれダッサ。カッコつけて言うことじゃないわね」
知ってるよ!あらためてダサいとか言うなよ!