誕生日の夜なんだが
"帰っちゃうのはイヤ"って言ったよな!?
俺の心臓が激しく鼓動する
おそらく俺の鼓動は如月にも聞こえてると思う
だって如月の鼓動も伝わってきてるから
「と…、泊まりってことか?」
俺がそう聞くと、如月は俺の胸の中で小さく頷いた
ヤバい…
我慢できそうにないかも…
如月はゆっくり顔を上げて、俺を見てきた
無理だって……その顔は…我慢できるわけねぇよ
俺はゆっくり、如月の顔に近づいていく
「待って……」
如月はそう言いながら俺から少し離れた
「え…?」
「そ、その……。シャワー浴びてきていい?」
俺はゴクリと唾を飲み込み、頷いた
「じゃあちょっと待っててね…」
如月はそう言ってリビングから出ていった
ヤバい…
これはもう完全にその流れだ
一気に緊張してくる
あれ?つうか、俺はシャワーとかどうすればいいんだ?
さすがに洗った方がいいよな
泊まるんだし…
てか、泊まりなら着替えとかどうすんだ?
…………取りに戻るか…
俺もリビングを出て、浴室を探す
如月の家はでかいからな…
家の構造的に、おそらくここが浴室だろうというところのドアの前にたつ
ドアに耳を当てると、シャワーの音がかすかに聞こえてきた
やっぱりここだ
俺はドアをノックして
「如月!」
と声をかけた
しかし聞こえてないのだろう
返事はなかった
どうしよう…
シャワー終わるまで待つか…
俺はまたリビングに戻った
如月がシャワーを浴びてから15分くらいが経った
リビングのドアが開くと、濡れた髪の如月が入ってきた
「…お…、お待たせ…しました……」
部屋中にものすごくいい香りが広がる
今すぐにでも抱きつきたいのを抑えて俺は話した
「如月…。泊まりなら俺の着替え取りに行かなきゃ」
「そ、そっか…。考えてなかった…」
「すぐ取りに行ってくるから待っててくれ」
「走っていくの?」
「いや…」
俺は首を横に振ると、如月は俺が何をしようかわかったのか
「大丈夫なの?怒られない?」
と聞いてきた
「怒られようがなにしようが、すぐ戻るから」
俺はそう言うと、頭の中で親父を思い浮かべた
そして"親父の近くに"と念じると視界が白くなっていく
視界が元に戻ると、目の前に上半身裸の親父が驚く
「おわっ!おい!晴翔!お前また急にテレポートしてきたな!?」
俺は周りを見渡すと、そこは俺の家の脱衣所だった
親父は風呂にでも入ろうとしてたのか…
ん?親父のその胸…
親父の左の胸にバツマークのようなものが見えた
親父は見られてるのがわかったのか、慌てて隠す
「やーん、晴翔のエッチー」
親父はそう言ってふざけた
って、そのおふざけに付き合ってる暇ねぇんだ
「親父!頼む!先にシャワー浴びさせてくれ!5分で終わるから」
「あ?テレポート使って緊急事態かと思ったけど、シャワー浴びさせろだぁ?」
「緊急事態なんだよ!頼むよ!それか風呂入るなら1分で終わらせてくれ!」
「わかったよ!じゃあ晴翔が先に入れ」
親父はそう言って脱衣所から出ていった
俺も脱衣所を出て階段を駆け上がる
部屋に入ると、替えの服とパンツをもってまた階段を落ちるより早く降りた
そして脱衣所に入り一瞬で服を脱ぐと、浴室でシャワーを浴びた
時間がもったいないからボディソープで体だけじゃなく髪も洗う
そしてすぐに浴室から出て着替えた
そしてリビングの方にいき、ドア越しに
「親父ー、もういいぞー。サンキュー」
と言うと
「おおー、はえーな」
と声が返ってきた
「あー!あと俺、今日友達の家泊まってくるから!」
「はぁ!?誰の家だよ!?」
親父が近づいてくるのがドア越しにわかった
えーっと…
「た、田中!」
俺はそう言うと、すぐ如月を思い浮かべた
如月のそばに…今すぐ…!
俺が念じると視界は白くなり、視界が戻ると目の前に如月がいた
如月は部屋で髪を乾かしていた
「お、お待たせ…」
俺がそう言うと、如月はコクンと頷きドライヤーを止めた
さ、さて…
ここからどうすればいいのか…
まったくわかんねぇ
しばらく沈黙が続く
すると如月が突然笑った
「なに突っ立ってんのよ。適当に座りなさいよ」
「お、おお…」
俺はベッドに腰掛けた
如月もゆっくり近づいてきて、俺の隣りに座った
2人で見つめ合うと、時間がゆっくり進んでるような感覚になった
俺はゆっくり顔を如月に近づけると、如月もゆっくり目を閉じた
唇が重なる
ゆっくり唇を離すと、顔を赤くした如月と目が合った
「いいのか?これ以上だと、たぶん我慢できなくなる…」
俺がそう聞くと、如月は優しく微笑み、また唇を重ねてきた
「…心の準備できてるから…」
その言葉を皮切りに、俺らは何度も唇を重ねる
もう抑えられない!
俺は如月をベッドに押し倒した
「待って……。電気…消していい?」
顔を真っ赤にした如月が俺を見上げて聞いてくる
俺は頷くと、如月はリモコンのボタンを押した
部屋が真っ暗になるが、目の前の如月の息づかいが聞こえる
「如月…好きだ…」
「あたしも…本当に柊くんが好き…」
そんな言葉と共に、夜は深まっていった




