なんだかシリアスなんだが
「なぁ、どうしてもその技名必要か?」
「当たり前じゃない!あんた敵と戦うとき無言で戦うの?ただでさえ能力ダサいんだから技の名前くらいカッコいいのにしなさい」
「敵って誰だよ」
「他の能力者よ!みんなが良い人だと思ってるの!?能力を悪く使ってる人もいるのよ」
栗山先輩みたいな人か?
「てか、なんでそいつらと俺が戦うんだよ」
「ハァ…あんたそんだけ強力な能力を持ってて、誰かを助けようとか思わないの?」
なんでこんなに如月美琴は正義感が強いのか…
普通はそんなこと思わない
まあ俺も冒頭で世界を救うとか魔王を倒す物語とかふざけたけども
「ま、まぁ目の前で困ってる人がいたら助けたいとは思うけど…」
「でしょ?あたし達はチカラを与えられたのよ!どうせなら"強く、正しく、カッコよく"使いたいと思わない?」
よくわからないけど
「わ、わかったよ!それじゃあ、えーと…『便意増大』とかどうだ?」
「うわ、ダッサ…あんたネーミングセンスないわね」
クソ!!ムカつく!
「いや、如月の方がダサいだろ!なんだっけあれ?インタなんちゃらジャッジメントとか」
「インテスティン・ジャッジメント-審判の刻-よ」
「それそれ!それダセェよ!!なんでサブタイトルみたいなのつけてんだよ」
「はぁ!?あんたこれのカッコよさわからないの?ホントにセンスないんだから」
「まぁまぁ落ち着きなさい。どっちもダサいよ」
うぉ!いつの間にか如月のお父さんがいた
「お父さん!どっちかといえばどっち?あたしとそいつの!」
「そりゃあ美琴のイントラティカブなんちゃらの方がカッコいいと思うけどさぁ」
贔屓だろ!全然覚えてねえし
「それより美琴…そこの彼は能力者なのか?」
ん?あれ?なんか急に空気が変わった
如月美琴はうつむいてコクンと頷いた
「なんかさっきから急にお腹が痛くなるかと思ったら…彼はそういう能力者ってことだね?」
「ええ…彼は便意を操れる能力者よ…」
「美琴…あれほどもう能力者に関わるなと言ったじゃないか」
「わかってるけど、でも昔みたいにならないように…」
「美琴!もう終わったんだよ…お父さんは今の生活がものすごい幸せなんだ…」
さっきまでのノリはどこいった
一気にシリアスになったんだが
てか昔なんかあったのか?
如月美琴は立ち上がり
「飲み物とってくる…ちゃんとした飲み物出してないし…」
と言って静かに部屋を出て行った
「はぁ…柊くんだっけ?悪いねぇ」
「あ、いえ、如月…昔なんかあったんですか?」
如月のお父さんは俺の方をジッとみて
「それは私たち家族のことだから言えないなぁ、もしかすると美琴が君に言う日が来るのかもしれないけど…」
と言った
たしかに…ちょっと出しゃばりすぎたか
それこらは少し沈黙の時間が続いた