イヤな展開なんだが
体育館裏ではなんだからということで、俺らは昨日の公園に行くことにした
体育館裏から校門のところへ向かっていると
「あ、おーい柊ぃ!!」
と声が聞こえた
声のする方を向くと、吉田が手を振ってこっちに向かってきてた
あー、やべえー
「柊、今から帰るのか?って如月!如月も一緒?」
めんどくさいことになりそうだ
「えぇ、吉田くんも今帰り?」
いつもの、みんなの前での如月美琴の声だ
「うん!俺も今帰り!よかったら途中まで3人で帰ろうぜ」
俺はチラッと如月美琴を見る
如月美琴はニッコリ笑って
「そうね、そうしましょ」
と言った
如月美琴なら上手く断るのかと思ったが、なぜかそんなことしない
そしたら吉田が俺に軽く体当たりしてきて
「お前如月帰ったとか言ってなかったか?なんで一緒にいるんだよ」
と小声で言ってきた
俺はなんて返したらよかったのかわからなかったけど、吉田はすぐに如月美琴に
「そういえば如月さぁー、今日の数学のときなんだけどさー…」
と話しかけ
そこからは2人だけで楽しそうに会話し歩き始めた
苦痛だ…
吉田と如月美琴は楽しそうに会話している
時々如月美琴が
「ねっ、柊くんもそう思うでしょ?」
とか色々会話をふってくるも
俺は顔も見ずに「あぁ」とか「うん」とか
なんだかんだ言っても如月美琴と関わったことが嬉しかったんだ
俺だけちょっと特別なのかなって心の中で少しは思ってた
でも如月美琴はそんなことなく、吉田とすごく楽しそうに会話している
胸の中のモヤモヤが大きくなる
「あ、俺買う物あるからこっち行くわ」
いまの状況に我慢できずに俺はそう言った
吉田は
「そっか!気をつけてな」
とめっちゃ嬉しそうにしている
俺は如月美琴がなにか言ってくれるかと密かに期待したが
「そう。柊くんまたね」
とアッサリ別れを告げられた
2人とは逆方向に歩き始めてすぐに後ろを振り返ったが、2人はこちらを気にするようなこともなく楽しそうに会話しながら歩いていた
必殺技の名前考えるんじゃなかったのかよ…
バカみてぇ…
俺は遠回りして家に帰ったが、ずっと2人のことを考えてモヤモヤしていた
明日!明日は俺から如月美琴に話しかけよう
気持ちを切り替えてそう思ったのはもう日も跨いだ深夜1時だった