吉田はイケメンなんだが
あのあと多少クラスの女子達は如月美琴にたいしてどこか気を使ったような感じでギクシャクしていたが、4限目も終わり昼休みになると
「美琴、ご飯一緒に食べよ」
と朝のことがなかったかのようにいつもの感じに戻ってた
逆に俺はみんなから変な目で見られているのがビンビンに伝わる
くそ!如月が変態とか言うからだ!!
はぁ…パンでも買いに行くか
そう思い教室を出ようとすると
「あ、柊くんちょっと」
と如月美琴に呼び止められた
クラスがシーンとなる
如月美琴は俺の方に小走りできて耳元で
「話あるから昨日みたく放課後体育館裏ね」
と小声で言ってきた
えぇ…また?まさかまた急に殴られるんじゃ
周りを見るとクラスメイト達がジーっとこちらを見てる
如月美琴と関わるとロクなことがない
俺がイヤそうな顔をすると
如月美琴は目をカッと見開いて
「あんたがあたしにしたこと忘れたんじゃないでしょうね?」
とそこそこ大きい声で言った
シー!声大きいって
クラスがザワザワしてきた
俺はコクコクコクコクと頷き、小声で
「わかったわかった、放課後なっ」
と言った
如月美琴はフンと満足そうな顔で席に戻っていった
ちくしょう!俺に自由はないのか
購買につき、パンをどれにするか悩んでいると
「柊、お前も購買?」
と話しかけられた
声のする方をむくと、クラスメイトのイケメン
吉田がいた
「あぁ、そうだよ。吉田もか?」
俺がそう聞くと吉田は
「うん、ちょっと屋上で一緒に食おうぜ」
と言ってきた
別に断ることもないのでパンを買って屋上に行った
屋上には他にも何人かの生徒がいた
適当に座ってパンを食べると
吉田が話しかけてきた
「柊ってさ、如月と仲良いのか?」
いきなり如月美琴のことを聞かれてゴホッと咽せた
仲良いのか?仲が良いってよりは主人と奴隷みたいな…
俺がなんと言おうか悩んでると
「なんか如月ってすごく近寄りがたい存在って思ってたんだ、昨日まで」
そう吉田が言った
あぁ、たしかに俺もそう思っていたし、男子はみんなそう思ってたんじゃないかな
さらに吉田は続ける
「でもなんか今日はさ、違うってか。上手く言えないんだけど、変わったってか」
変わったんじゃない、たぶん本性が少しづつ見えてきたのかも…
「だからさ、昨日如月となにかあったのか?」
そう言って真っ直ぐ俺を見てくる
「朝に如月が言ったとおりだよ、視聴覚室に行くの付き合って、それで鼻血だして…」
能力のこととかは言えないからこう言っておくしかない
「そうか。じゃあ考えすぎなのかな」
そう言って笑う吉田
なんかイケメンってだけでいけ好かない野郎だと思っていたけど、案外いいやつなのかもな
「まぁ如月と釣り合うのは俺しかいないしな」
ん?
「近寄りがたかったけど、柊でもああやって如月と話せるのがわかったら、今まで手を出せずにいたのが馬鹿らしくなるわwww」
は?
「ありがとな柊。たぶん俺、如月と付き合うわ」
前言撤回、やっぱりいけ好かねぇ
「それじゃ」
そう言い吉田は勝手にスッキリして、勝手に屋上からいなくなった
なんかすげームカつく!
ムカつくけどなんか胸の中がモヤっとする