俺の能力がアレなんだが
俺の名前は柊 晴翔。
高校2年、超絶イケメン
みんな超能力って憧れるよな?
空を飛んだり、透明になったり、力持ちになったり
そんな憧れの能力が俺にはあるんだよ
羨ましいだろ?そうだよな?
これは俺がその能力で世界を守るのか…
魔王を倒しに行っちゃったりなんかしちゃったりして
そんな俺の物語
え?俺の能力?ま、まぁそのうちな
「おいニイちゃん」
いつもと同じ平日、高校に向かう道中あきらかにこちらに向かって言ってる声がした
俺が声のする方を向くと、いかにもヤンキーって感じのガタイのいい男がこちらを睨んでいた
「なにブツクサ魔王だーだの、俺の物語ーだの言ってんの?オメー危ねぇヤツか?コラ」
そう言って威圧してくるヤンキー
「す、すいません、、ちょっと疲れてたんで。ほんとにすいません」
と、とりあえず謝っておく
ビビってるわけじゃないよ?俺が本気だしたらワンパンだよこんなやつ
「あっそー、じゃあついでと言っちゃなんだがお金ちょうだい?」
なんのついでだよ!と心の中でツッコミ
「それが僕全然お金持ってなくて、貧乏学生なんです」
と丁寧に対応する
こういう輩はどんなことでキレるかわからないからとにかく丁寧に
「だったらテメーの親の財布からでも盗んでこいやぁ!!」
キレるの早ぇー、こえーよ、沸点低すぎだろ
てかチョーこえーよ、無理無理
嘘つきました、こんなやつワンパンとか無理です。あと冒頭の超絶イケメンも嘘です
超絶普通です。真ん中の真ん中の真ん中
ヤンキーはゆっくり俺に近づいてくる
このままじゃ殴られる!!
俺はその時あることを思い出し、目の前のヤンキーに意識を集中させた
そして心のなかでヤンキーのウンチが増幅するイメージをする
すると目の前のヤンキーはみるみる苦悶の表情に変わり、お腹を抑えて変な動きになった
そうだ、俺は便意を操作できる能力を持っていたのだ。
ヤンキーの凄みに圧倒されて忘れていた
「きょ、今日のところは勘弁してやる」
そう言ったヤンキーは今度はお尻を抑えながら変な動きと小走りでその場から離れて行った
ふっ…俺にこの能力を使わせるとは…
え?バカなの?って?
うん、俺は結構バカだ
でもでもー、この能力すごくない?
羨ましいでしょー?
え?カッコ悪いって?ダサいって?
知ってるよぉぉ!!!そんなの俺が一番わかってるよ!!!
なんだよ便意を操作できる能力って
もっとこう、空飛べるとか、火を操るとかさぁ
そんな能力がよかったよ!!
わかってるよ!魔王なんて出てこないし世界も守れねーよ!!
どうせコメディの物語だよ
俺のこの物語はコメディなんだろ!?
こうして世界一ダサい能力の物語が始まる