表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

90/95

90 ドランザーク帝国攻防戦 2

ヨパラもドラゴンの上の小さなテーブルに座り、自分を落ち着けようとしていた。


インフィがヨパラに確認する。


「ヨパラらさん、僕が玉座の間に着いたら、ヨパラさんを呼びます」


「ヨパラさんは、まだレベルが足りないので、ここで待っていてください」


「最後は──ヨパラさんが決着をつけてください」


ヨパラが心配そうにインフィに尋ねる。


「インフィ、おまえ、本当に大丈夫なのか? 相手は10万はいるぞ」


インフィは安心させるように答える。


「フィディアもいるので、大丈夫です」


ヨパラは納得したように頷いた。


「そうだな……フィディアがいるなら大丈夫か」


「……問題は、俺がザガルノスに勝てるかだな」


「分かった。精神統一しておく」


そう言うと、ヨパラは目を閉じ、精神を極限まで高めようとしていた。


インフィは、目を閉じて精神統一に入ったヨパラを見つめながら、そっと微笑んだ。

それは、まるで──

親が子の成長を見守るような、あたたかな笑みだった。


フィディアは心の中でそっとつぶやいていた。


(インフィはもう、私を超えてしまっているのに……)


──そして、一刻ほどが過ぎたころ。


インフィとフィディアは、ゆっくりとドラゴンの背から身を投げるようにして、王宮へと向かって落下していった。


速度はみるみるうちに増していく。だがそれは、意図的な加速ではなく、重力に身を委ねた自由落下であった。

──相手に力の差を見せつけるために、あえて加速していなかったのだ。


フィディアの姿は、すでに戦闘態勢へと移行していた。下半身は蛇の姿に変わり、それは本来のフィディアの姿であった。


──これが、後にインフィの名がアステリオン大陸に刻まれる、最初の一歩となる。


落下の最中、インフィが視線も逸らさず、優しい声をかけた。


「フィディア、最初の防御は君に任せる。でも、無理はしなくていい」


フィディアは一言、短く答えた。


「はい」


その声音には、確かな意志と理解が宿っていた。


彼女は分かっていた。

インフィは、今の人族の力に、私がどれほど抗えるかを試している──

それは、これから私を守るため。必要な場面で、迷わず守れるように。

その基準を見極めようとしていた。


──宮殿は、混乱と恐怖に包まれていた。


「第一次魔法防衛、突破……最終防衛も突破……迎撃魔法、効果なし……冒険者部隊、総崩れです!」


そして、最後の砦──玉座の間を守る魔法陣結界の発動が告げられた。


奥の間に退いていた皇帝ザガルノスは、すぐに呼び戻され、青ざめた顔で玉座へと腰を下ろしていた。


「この最後の結界が破られたら、すべてが終わる……」


英雄と呼ばれた日々の名声など、今の状況には何の意味も持たなかった。


それでも──彼は堂々と、玉座に身を置いた。


皇帝としてのプライドだけが、彼の背筋を支えていた。


そのとき、インフィとフィディアは、玉座の間を包む魔法結界の前に立っていた。


──そういえば、レイヴァンの存在を、すっかり忘れていた。


彼は、インフィたちが王都に開けた転移の穴を利用し、ドランザーク帝国の街中へと身を移していた。


久しぶりに目にするその風景は、かつての面影を残しつつも、変化を遂げていた。

レイヴァンは、その風景を見て、ドラキュラ口で悍ましい笑顔となっていた。


高級ブランドの衣服を身にまとっていたため、不審に思う者は少なかった。

ただ、その顔を見た一部の者は仰天したが──街全体が騒然としている今、その正体を深く詮索する者はいない。


「仮面でも被っているのだろう」と、誰もが勝手に納得していた。


もしかすると、レイヴァンがこうして高級服に身を包んでいたのは、街中を堂々と歩くためだったのかもしれない。

男前の仮面をつけるくらいなら、恐ろしい素顔のままでいたほうが、彼の美学には適っていたのだろう。


インフィは、結界の前で立ち止まったフィディアに、柔らかな声で問いかけた。


「フィディア、この結界……僕が解こうか?」


フィディアは、さすがにやや疲れの色を滲ませながらも、肩をひとつ上下させて答えた。


「……これくらいなら、五分ほどで解除できると思います」


そのやり取りは、戦場とは思えぬほどに穏やかだった。


しかしその最中でさえ──彼らの周囲には、無数の攻撃魔法が殺到していた。


王命によって玉座の間に集められた宮廷魔法師団は、「お前たちも戦え!」と怒声と共に外へ追いやられた。


だが、戦いの最中、彼らの魔力はすぐに枯渇していった。


人の身に宿る魔力量では、魔王の四天王──その中でも最上位にあったフィディアの魔力には、到底及ばなかった。


──もし、勇者がこの国に存在していたならば。違っていたかもしれないが、人を害する国には勇者は現れないようであった。


そして、フィディアの言葉どおり、およそ五分の時を経て──

玉座の間を護る魔法陣結界は、完全に解除された。


「玉座の間──魔法結界、無力化されました……!」


伝令の声は、恐怖に震えていた。

それは、ただの報告ではなかった。帝国の誇りが砕け散った瞬間だった。


この結界こそ、皇帝ザガルノスが──

「たとえ世界が滅びようとも、自らは生き残る」

その執念と恐れの末に、多くの民の犠牲と膨大な資金をもって築いた、最後の砦であった。


ザガルノスは、その報に目を見開き、玉座の上で怒声をあげた。


「馬鹿なッ! あの結界が……破られるなど、あるはずがない!」


だが、誰ひとりその言葉に反論する者はいなかった。

兵も、侍従も、ただ沈黙し──

目の前にそびえる、巨大で重厚な黄金の扉を、呆然と見つめるしかなかった。


余談だが、

戦闘状態に入ったフィディアは、「インフィちゃん」とは呼ばなくなるようだ。

インフィもまた、幼い語り口は使わなくなるようだ。

おもしろいと感じた方は、「亀の甲より年の功」をクリックして、他の作品もぜひご覧ください。まったく異なるジャンルの物語を、生成AIを駆使して書いています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ