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第49話 馬鹿皇子?!の乱入?

国を挙げての和平の式典。

どうにか成功したそれは瞬く間に全世界へと、その情報は飛び交っていた。


何しろ失われて久しい女神さまの降臨とさらには婚約。

そして仇敵であると認識していた悪魔たちとの和平。


多くの民は驚愕に包まれていた。


当然だがこの先訪れるであろう“異星の神”の事は濁してある。

そうでないとパニックになっちゃうからね。


という訳で、情報漏洩を防いだ僕は式典の翌日である休み明け、いつも通り学園へと向かっているのだけれど…


どうしてこうなった?!



※※※※※



「ラ・イ・ト・様♡」

「うわー、あれがライト様♡…うう、めっちゃ可愛い♡」


「キャー♡ライト様よ~」

「ゴクリ。9歳なのに伯爵様…そしてお金持ち…素敵♡」


「抱いて~♡」


…なんかとんでもない発言が混ざっているけど?

うう、ティアとココナ、それからキャルン姉さまの視線が怖い。


僕の歩く通学路。

寮から学園まではおよそ300m。

普通なら5分もかからない距離だ。


その両サイドに展開する多くの女生徒たちと黄色い声。


マジでカオスだ。


「…だから言ったのです…わたくしとの婚約…発表すればよかったと…」


うう。

だからごめんて。


実はあの後僕は陛下にお願いして、辺境伯の息子で9歳にもかかわらず伯爵位を頂いた僕にはすでに婚約者7名いることを『国王の勅命』で発表してもらっていた。


だから大丈夫だと思っていたのだけれど…


逆に既に7人いるのなら…

ワンチャンあるのか?!


どうやらそういう方向に進んでしまったようだった。


「…ライトはモテモテだね。…どうするの?増やすのかしら?」


なぜかやたらといい笑顔で僕に圧をかけてくるキャルン姉さま。

マジで怖いんですけど?


「僕はもうこれ以上増やす気なんてないよ?姉さまだって知っているでしょ?!」

「知ってるけど…勝手に増えるじゃん」


「うぐっ」


もちろん寮と実家に届いていた婚約の釣書については夕べの内にすべてお断りしておいた。

何しろすでに国王の名で僕は7人と婚約を済ませてある。


そういう理由でお断りしたのだけれど…


なぜか『愛人でも、側室でもっ!!』とか、訳の分かんない熱量の釣書は、早朝にもかかわらず新たに数十通届けられていた。


「コホン。と、ところで。…あの後は姉さまにまとわりつく人っていなくなったの?」


ここは話題を変えよう。

僕はそう思い、姉さまを心配する気持ちを前面に押し出し、キャルン姉さまの瞳を見つめた。


途端に赤く染まるキャルン姉さま。


やべ。

盛りすぎたか?


「っ!?もう。…うん♡…あの時のライト…かっこよかった♡」


そしてそっと僕の制服のそでのところをちょこんとつまむ姉さま。

マジで可愛すぎる?!


その様子にどよめく女生徒たち。


一応婚約者が7人いることは公表してあるのだけれど…


当然いろいろと問題があるので名前の公表はしていない。

…さすがに女神様までもが僕の婚約者って…


式典で『影の騎士ノワール』にしたことの意味が無くなっちゃうしね。



「…はあ。…ライト様…凄すぎです」


ポツリとこぼすココナ。

あー、うん。


なんかごめん。



※※※※※



そんなこんながありつつも僕たちはどうにか学園の玄関へとたどり着いていた。

何しろ多くの女生徒が僕たちの後をついてくる異常事態。


まさに大名行列のような様相を呈していた。


「ん。じゃあ私中等部だから…バイバイ」

「うん。気を付けてね…っ!?」


そこに突然魅了の魔力が放たれた。

瞬時に対応し、解呪する僕。


「おおっ!なんと麗しい。…まさに僕の運命の女神…キャルン嬢、これを」


いきなり現れ、バラの花束を姉さまに差し出すキザっぽい男。

…誰?


「うあ、え、えっと。…おはようございます。ルシェード様」

「うむ。声も可愛らしい。…是非ベッドで聞きたいものだ」


…馬鹿なのかな?


いきなりベッド?!

なんだコイツ?


そしていきなり姉さまの手を取り、口付けを落とそうと跪く。

僕は一瞬で姉さまとの位置を入れ替え、キザな男を睨み付けた。


「あの。ここって幼少部の下駄箱ですけど。…知っておいでですか?」

「む?貴様…僕が誰か知っての狼藉なのか?…我が恋路を邪魔する事、万死に値するぞ?」


何故かポーズをとり、うっとりとするその男。

エフェクトが発生?


キラキラと無駄に輝いている?!


「コホン。僕はキャルン姉さまの弟のライトです。…それに姉にはすでに婚約者がおります。変なちょっかい掛けないでいただけますか?」


「ふむ。…そうか。君がライトだな?…ふん。確かにな。これは失礼した。…キャルン嬢、手を」


「っ!?だ、だから…」

「ふん?これは淑女に対するエスコートだ。紳士としての常識だが?」


僕とキザ男のやり取りを見ていた姉さま。

大きくため息をつき、そっとその男の手に自分の手を置く。


「ありがとうございます。ルシェード様。…ですがここは学園です。中等部の下駄箱までの間ですけど…淑女としてお受けいたしますわ」


「ふむ。何と美しい手だ…あいわかった。その務め見事果たして見せよう」


ちらりと僕に視線を向け『大丈夫よ』そう口を動かす姉さま。

そして二人、まるで場違いの様なオーラに包まれ中等部の玄関へと消えていった。


どうやらまだまだ多くの男が姉さまを狙っているようだ。


「ねえ、サルツ兄さん」

「…はい」

「姉さま、モテるの?」

「………それはもう…っ!?それでは失礼します…キャルン様、カバン」


おいてあった姉さまのカバンを持ち慌ててサルツさんも消えていった。

もちろんバラの花束はボクのインベントリに収納したよ?


アイツは気に入らないけど。

花に責任はないもんね。


(…対策…強化した方がいいかな)


僕は脳内でそう思いつつ上履きに履き替え教室を目指した。



※※※※※



「はあー。疲れた…むう、ライトモテすぎっ!!」


放課後。


授業が終わりくつろいでいるところに姉さまが駆け込みいきなりソファーに倒れ込んだ。


「おかえり姉さま。…何かあったの?」

「むう。…何にもない」


なぜか不機嫌な姉さま。

僕はそれよりも朝のあの男の事が気になっていた。


「ねえ、あの男『ルシェード』だっけ?…ミリルア帝国の第3皇子だよね…変なことされてない?」


「っ!?…なあに?心配?」


いきなり顔を赤く染め僕を見つめる姉さま。

つられて僕まで顔を赤らめてしまう。


あの誘拐未遂の時。

僕はキャルン姉さまの事…女性として好きだったことに気づいてしまっていた。


「…そ、そりゃあ。…心配に決まってるでしょ?…きょ、姉弟なんだし」

「姉弟?…それだけ?」


そして距離を詰め僕の瞳をのぞき込む姉さま。

うあ、姉さまのいい匂い…


や、やばい。


「コホン。わたくしと言うものがありながら…ライト様?聞きたいことがあるのですよね?キャルンに」


突然乱暴に紅茶を置きキャルン姉さまを睨み付けるティア。

何気に姉さまも臨戦態勢?


体から濃厚な魔力が立ち昇る。


「私だってライトの婚約者です。それにあなたよりも胸、大きくなりますけど?」

「ぐうっ?!で、ですが。ライト様はわたくしのこのちょうどよい大きさ、大好物なのですよ?昨晩だって…余りある愛情と想いで…とてもお優しくわたくしを♡…はうっ」


突然歓喜の表情を浮かべるティア。

えっと。


もちろん『魔力での抱擁』だからね?!

実際には触れていないからねっ!


か、勘違い、しないでねっ!!


「…ライト」

「う、うん」


「…私にもしてっ!」

「ひうっ?!」


当然だがこのことについては僕の中では最重要機密事項だ。


何より僕はまだ9歳。

苦肉の策で編み出した秘術、何より僕に対するダメージがとんでもない。


余りにも『過剰な幸福感』に包まれる…

そしてそれは魔力の元である生成組織、つまり心臓に大きな影響を与えるんだ。


マジで気が狂う直前――そう表現するしかない強烈な感情と感覚。


『感応減免魔術』を行使していたにもかかわらず、だ。


ここは異世界。

さらには魔術のある世界。

実は魔力の回路、男女で異なっているんだけど。


男性の方がそういう感情の波に対する限界値が低いんだ。

そしてそれは『生体の機能に直結』しているんだよね。


微妙に違うけど、地球で例えるなら…

いわゆる“事後”に『賢者タイム』があって調整する――


つまりはリミッターだ。


僕は今9歳。

残念ながら“男性の機能”は有していない。


いわゆる“リミッター”の役目でもあるそれが出来ない僕は。


過剰な幸福感や満足感、発散・消化できない状態が続く。


限界値の低い男性の、その状態。

ずっと続きそしてその濃度は増していく。


実のところそれはまさに地獄だ。


それに今日の夜は…ううっ。


「コホン。えっと。…ハハ、ハ。キャ、キャルン姉さまにはまだ早すぎる、かな?!ま、まだ姉さま11歳じゃん。ハハハ、ハ」


「…ライト9歳じゃん」


「ぐふうっ?!」

「してっ!」


まずい。

不味い不味い不味い。


そりゃあ僕だって考えたさ。

何より今の僕では彼女たちを満足させてあげられない。


それに正直ティアの事は本当に大好きだからそういう欲もあった。

でも今気づいてしまった僕の姉さまに対する感情。


姉弟と言う『背徳感』がプラスされてしまうその秘術。



きっと僕は狂うだろう。



それに今日はルイと…


バ、バレたら僕は…

きっと断れない。


マジで死ぬかもしれない。


冷たい汗が背中をびっしりと流れる。


「ライト様。お客様です」


そんな中、僕に声をかけリビングに入ってくるサルツさん。

ナイスタイミングだ!


「え、えっと。…誰?」

「その…ルシェード殿下です」

「はあっ?!」


突然の皇子の訪問。


この時僕はまだこれから起こる騒動、全く気付いていなかったんだ。



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