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第17話 魔族への報告とティアのやきもち

「ライト様!!」


僕が転移していくと目を輝かせ、まるで敬うように見つめてくるバルイルドさん。

ごめん、ちょっと圧が…


「…ごめんね遅くなって。解決したよ。でも一つ問題があるんだよね。ねえ、集落に地下ってあるの?」

「は、はい。ありますね。昔の霊安所です。……それがどうかしたのですか?」


「キメラがいるみたいだよ」

「はあっ?!」


あー、そりゃ驚くよね。


「とりあえず伝令は止めたから大丈夫だとは思うけどね。……ねえ、ルザーラナっていう人知ってる?」

「え、ええ。交代で悪魔がうちの集落に来るんです。昨日からその娘が来ています」


「……女の子なの?」

「え、ええ」


僕は思いを巡らす。

きっとその子もあまり戦いたくないのか、何も考えていないのか、だ。


(まあ、後日行けばいいかな)


「ねえバルイルドさん」

「は、はい」

「食料とかはあるの?」


「ええ、一応数日分はありますが……集落に戻らない方が良いのでしょうか?」


ああ、やっぱりこの人は優秀だ。

僕の言いたいこと理解してくれている。


「戻る時はさ、僕も行く。だから暫くはここで待機してくれる?ちょっと色々準備が必要なんだよね」


「分かりました。それではここで待っています……ご武運を」


別に戦いに行くわけじゃ……

うん?

なんか嫌な予感がする?!!


精神はおっさんだけど今の僕は9歳。

眠気に任せ、何も考えずに転移したんだ。


ティアが待つ自分の部屋へ。



嫌な予感。

僕はすぐに思い知ることになる。



※※※※※



「ただいま」

「っ!?おかえりなさいませっ!!」


僕が転移し姿を現すと、目を赤くはらしているティアが一目散に抱き着いて来た。


「うあ?!ティ、ティア?……寝ていなかったの?もう遅いのに……」


包み込むいつものティア。

心の底から癒されていく。


「………ライト様?」

「うん?」


突然危機感知が走る。

背筋に嫌な汗が流れる?


「………女の匂い……誰ですか?」

「っ!?」


ええっ?!

あー、ルイの事……かな?


確かに結構くっついていたけど……


「誰ですか」

「え、えっと……」


そしておもむろにベッドに押し倒してくるティア。

さすがに空気を読んだ僕は、されるがまま押し倒された。


ティアの体温といい香りに包まれる。

でもなぜか彼女は無表情で僕を見つめていた。


えっと……

コワいんですけど?!!


「浮気…ですか?」

「っ!?い、いやいや、そ、そんなことは……」


「ぐすっ……えっちなこと…したんですか?」


あー、うん。

どうしよう。


なんかティア、とんでもない勘違いをしてる?


僕は誠心誠意、あったことを説明した。

今日僕は戦ったり色々動いた。

魔力も大分使ったし?


疲れたよ?

でもね。


ティアへの説明が一番大変だとは思っていなかったんだよね。


ハハ、ハ。



※※※※※



翌朝。


僕と寝ると駄々をこねたティアに抱き着かれ、なかなか眠れなかった僕だけど。

疲れていたようで意外にもぐっすりと寝る事が出来ていた。


「……う…ん?……ティア?…むぐう?!」


寝起きにいきなり抱きしめてくるティア。

寝ぼけている?


うあ……

ティアの……めっちゃ気持ちいい…


やばい。


昨日色々力を使ったせいか、やけに“前世の俺”の感情が沸き立ってしまう。


僕の大好きな理想の女性。


(抱きしめたい)

そう思ってしまう。


恐る恐る彼女の背に手を伸ばす。

彼女の体は驚くほど華奢だった。


思えば僕から彼女を抱きしめたのは初めてかもしれない。


「…ん……ライト様…」


うっとりと瞳を潤ませ、顔を赤らめるティア。

うああ、やば過ぎでしょ?


可愛すぎる!!


時折零れる切ないような吐息。

そして感じる体温と心奪う香り。


ああ、もう僕は……


前世とか関係ない。

改めて“今の僕”がティアの事が大好きなのだと、実感していた。


「おはようライト…って?!!な、何してるのよー!!?」


僕の部屋に飛び込んできたキャルン姉さま。

ティアと抱き合っている姿を見て真っ赤になりながら大声を上げる。


「ちょっ、ちょっと!!まだ早すぎっ!!!あああ、もう、このっ、ティア様?!は・な・れ・ろー!!!」


「むう、いけずですわ。大体いきなり殿方の部屋に入ってくるとか…淑女としてどうなのですか?」

「寝込みを襲って9歳児に抱き着いているあなたに言われたくないですわ!!」


「何言っているのかしら?わたくしはライト様に求められたのです。……そうですよね?ライト様♪」


えっと。

確かに僕から抱きしめちゃったけど……


「ラ、ライト?!ね、寝ぼけていたのよね?そ、そうだよね?!」


お、おう?


そういう事にしておこう。

うん。


そのほうが良いような気がする。


「アハハ、ハ。う、うん。……お母様と勘違いしちゃって……ハハ、ハ」


途端にジト目になるティア。

うーごめん。

で、でもね?


ほ、ほら、キャルン姉さま、泣きそうだし?


大きくため息をつくティア。

そして僕から離れざま一言つぶやいた。


「貸し一つですわ」

「……う、うん」



※※※※※



確かに最強の僕だけど。

女の子にはかなわないらしい。


満足そうな表情をするティアを見て僕はそう思い知らされていた。




この時僕は気づいていなかった。


僕からティアに“触れた”こと。

その行動はトリガーだったんだ。


『呪いのような祝福』


その一端が、まさに開花し始めたことを。


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