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第136話 その後の日常の一幕(短いです)

ひっきりなしに人が訪れる擬似ダンジョン。

その周辺である学園の周囲では、まさに特区としての新たな街が構築されていた。


擬似ダンジョン学園都市―――


まるで生き物のように成長を続ける街並み。


活気が溢れ、笑顔が輝く――

期せずしてそれはライトの想い、それを体現していた。


女神であるティアリーナを助けたい。

その想いで作り上げた擬似ダンジョン。


でもそれは多くの人たちの生活を作り、幸せを運ぶ。

擬似ダンジョンに思い入れのあるライトは、さらなる発展のため、色々と画策していたんだ。



※※※※※



「まずは衛生面だよね」


以前触れたがこの世界はいわゆる中世のヨーロッパ程度。


そういう観点で考える者の少ない時代背景であることは間違いなかった。

そんな中ライトは改革を始める。


まずは『安全な水』と、いわゆる『下水』

完全に分離する事から始めていた。



※※※※※



もちろん多くの人民が生活する王都だ。

生活に必要な水の手当ては一応行われていた。


ただどうしてもこの世界の技術レベルでは大きなため池を作る程度。

そんなわけで生水を飲み、腹痛を訴える者が多いのが現状だった。


「…うーん。…これは徹底的な改善が必要だね」


1人ビザイド宮の自室で頭をひねるライト。

既にビザイド宮は完全水洗のトイレが稼働し、処理水の管理も完璧だ。


元もと日本で生活していたとはいえ、ライトは別にそういう技術系の人間ではない。

浄化の仕組みや、技術的なことについては『チートに丸投げ』ではあった。


「…ねえ、ライト」

「うん?」


ぬるりと空間が歪み、淡い魔力があふれ出す。

大好きな香りを纏い、姿を現すヴィエレッタ。


彼女はダンジョンマスター権限と言うチートで、実は何時でもライトの場所への転移が可能になっていた。


「…さっきあなたが思っていた事…出来るけど…いいの?」


なぜかあきれたような瞳を向けるヴィエレッタ。

彼女は常時ライトの思考とリンクしている。


その問いにライトは分からないというような瞳を向けていた。


「いい?…どういう事?」

「はあ…」


さらに大きくため息をつく彼女。

ますますライトの頭上にはクエスチョンマークが湧き出す。


「…ダンジョンポイントの消費えげつないよ?…どうして恒久的ではない、“限定的”なものにするのよ」


限りなく広いこの世界を含んでいる宇宙。

すでに今のこの世界の技術レベルを大きく上回る惑星が数多存在していた。


全てのダンジョンを掌握している今、その技術の流用は簡単なのだが。

なぜかライトはそういう手段はとらないつもりでいる。


「ああ…だってさ、それって『ずる』じゃん。それにきっといつか僕の考えよりもいいものがさ、開発されるでしょ?…僕はその方がいいんだよね」


正直もどかしい。

ヴィエレッタは思う。

ライトは自身の習得したその能力、何故か使う事を自重している。


「…もしかして…存在の昇華…それを防ぎたいのかな?」

「…はは。やっぱりヴィエレッタには隠し事はできないね。…うん。それもあるのは否めないよ」


ライトが遭遇したとんでもない存在、“アイツ”。

それに触れてしまったことで、ライトは新たな可能性に気づいてしまっていた。


全てを掌握せし存在。

その背中が見えてしまっていた事実。


すでにライト、その気があれば自力でそういう存在への変貌が可能になっていた。


「僕はさ、今のこの生活、気に入っているし手放したくないんだよ」

「…欲ないよね。まあ。…ライトらしいけど」


そっと僕の隣に座り、体を預けてくるヴィエレッタ。

彼女の温かい体温が伝わり、僕の心が温かくなっていく。


「ほら。…この状態って『幸せ』でしょ?」

「……ズルい」


ありふれた日常の一幕。


僕には何よりうれしい事なんだ。


こんな何もない日常。

僕の求めるスローライフ。


ああ――きっとこれも“そう”なんだよね。


可愛く僕の肩に頭をのせるヴィエレッタを見て。

心の底から僕は満足していたんだ。


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