表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

109/167

第108話 作戦会議…今更?

ビザイド宮に帰ってきた僕。

そうはいっても重要事項である闇の女神の攻略。


もう明後日に迫っているそれ。

僕は再度作戦会議を開こうと、ついさっき開設したばかりの転移門を使用し僕の領地ハイネルド地方の領主館へと赴いた。


「ルード、お疲れ様」

「ひうっ?!…兄さま?…あっ、そうか…転移門」


さっき、まさに一時間ほど前にここに赴任したばかりの僕の弟ルードリッヒ。

慣れるも何もない状況だよね。


ハハハ、ハ。


「えっと。カイザルドさんとはもう挨拶したの?」

「うん。…凄いねあの人…なんか纏うオーラ?――“正義が過ぎる”よね」


さすがは僕の弟だ。

一瞬でカイザルドさんの“根幹”を見抜いていた。


「ラ、ライト様」


そんな僕たちに、今僕が出てきた転移門の部屋からマルナとヒャルマ先生が大きな荷物を手にしながら出てきた。


「いらっしゃいヒャルマ先生、マルナ」

「ふむ。ライト、凄まじいな…ここは本当にハイネルド地方なのか?」


きょろきょろと視線をさまよわせるヒャルマ先生。

まあ確かに信じられないよね。


「おいおい、どいてくれ」


その後ろから今度は大荷物を運んで、マザルドさんが出てきた。


「マザルドさん。荷物運びですか?」

「ライト様?…いえ。…正式に辞令を頂きました」


ん?

辞令?


まさか…


「この度わたくしマザルドとマルナ、そしてヒャルマ魔導士団副長。正式にハイネルド地方への転勤が決定しました」


にっこり微笑むマザルドさん。


「まあ。ライト様のおかげで、いつでも帰れるので…引っ越しはしませんけどね」

「そうなんだ。さっきの顔合わせの時にマザルドさんいなかったから…これならルードも安心だよ」


すでに一度、転移門を開設したときに僕はルードリッヒとヒャルマ先生、そしてマルナを連れてカイザルドさんへの面通しは行っていた。


さすがに僕だってそのくらいの常識はあるよ?


でも。

何気に僕が一番絡んでいた領兵である小隊長のマザルドさんなら安心だ。


きっと父上、色々と考えての指示なのだろうけど。

素直に嬉しい。


何しろ彼はまさに僕の改革に一番その実力を伸ばした人物。

レベルもすでに父上とほぼ同じ81だ。


「えっと、兄さま。因みに今までここの領主って?…カイザルドさん以外、いわゆる侍女とか料理や施設維持の数人しか…ほとんど人がいないのだけれど…」


当然ここは以前から我が国マイハルド王国にとって重要な領地だった。

そして当たり前のように多くの役人とか執事とか…

何しろ僕が見て全く役に立たないというか…

むしろ害悪でしかなかったんだよね。


なので僕は陛下と相談を重ねた結果。


内政処理君3号(自立型ゴーレム)を数十体錬成し、ヒューマンの殆どをクビにしていたんだ。


もちろん今ルードが言ったように、領事館のお掃除とか食事を作る人、庭の管理などをやってくれていた人たちはそのままだよ?


何しろ。

ビザイド宮と違ってここにいた人たち。

多くの甘い汁を吸っていた。


今では殆どが犯罪者のレッテルを張られ、鉱山での重労働にいそしんでおります。


「あー。うん。…ルードも見たでしょ?ゴーレム」

「えっと…は、はい。…あの妙に“可愛い顔”のゴーレムですよね?…逆に少し怖いかもですけど…」


まあ。

実は僕の趣味と言うか。

ゴーレムを作成するときになぜかミリが激しく興奮し、デザインを押し切られたんだよね。


『あるじ様はセンスが悪いのじゃ。これじゃあのダンジョンの創世神と変わらぬぞ?』


…べ、別に?

創世神と同レベルと言われたことが悔しいわけじゃないからね?


か、勘違いしないでよねっ!

コホン。


という訳で、僕の作成したゴーレム、顔の部分にまるで少女漫画のような顔を張り付けた『内政処理君3号』が爆誕。

今まで彼らが一切の忖度なしでここハイネルド地方を治めておりました。


「とりあえず領民からの受けはいいんだよ。何しろ全く忖度しない、データからの正確な判断だからね。まあ。確かに温かみには欠けるかも、だけどね」


当然ヒューマンの社会。

権力と言うものが存在する以上、どうしても“忖度”と言うものは発生してしまう。


当たり前だし必然。

でも機械と言うかゴーレムは、ありていに言ってAI?


僕の深い経験と倫理観。

現状の問題点と照らし合わせて優先順位の決定。

後は正義の男カイザルドさんが施行した施策。


それが認められたことで効力が発揮していたんだ。


条件の難しい彼のスキルだけれど…はまったときの威力はとんでもないんだよね。

おかげであっという間に犯罪集団はこの領地から追い出される形となりました。


忖度のない優先順位を守る行政運営とそれを守るように厳正化された正義。

弱い平民たちはみな涙を流して喜んだらしい。


もちろんそれなりの権威のある人たちは苦言を呈してきたよ?

でもそんなのは却下。

何しろ悪いけど。


僕には領地経営をするつもりないんだよね。


まさに適材適所。

…丸投げとか言わないでね?


コホン。


「父上はまだまだ現役だ。ルードがガルデス領を継ぐのは相当先。だったらここでさ、思いっきり試してよ。ボクも全力で協力するから」

「兄さま…うん。僕全力でやってみるよ。…なんかワクワクする」


目を輝かせ、希望に燃える我が弟ルードリッヒ。

僕はそんな様子を温かい瞳で見つめていたんだ。



※※※※※



一通り着任した3人とカイザルドさんとの業務打ち合わせは終了し、さっそく明日から新たな体制を作ることになった。


元々いた領兵。

その数3000。


一番強い人でレベルは50。

余りにも舐め切っているよね?


こうなったら僕特製の強化プランを適用させよう。

なぜかそのプランを青い顔でマザルドさんとマルナが見ていたけど?


気のせいだよね。

一通りやることは出来たので。


僕は改めてルードにお願いをすることにした。



※※※※※



「工場の新設、ですか?」

「うん。ソガルティの新工場。もうビザイド宮は手一杯なんだよね。もともとあそこは宮殿、工場じゃないしね」


今回僕は明後日の作戦会議のため、僕の婚約者全員を集めるためにここハイネルド地方に来ていた。


でも。


せっかくなので、工場の新設。

新たな領主代行様に許可をもらおう。


「…えっと。…一応兄さまが領主ですよね?」

「うん?まあ。…でも領主代行はルードでしょ?」

「…まあ。…いいですよ?何処でも好きな場所で…ああ、でも流通とか警備上の安全とか…それから秘密の流出とかを考える必要ありますよね?」


さすがはルードは優秀だ。

僕の思い、すでに把握している。


「うん。…実はさ…完全に丸投げ状態で…僕この領地の状況よくわかってないんだよね」

「あはは。兄さまらしいですね…兄さま、人を募集したいのですが…よろしいですか?」


「…人?…えっと、ゴーレムじゃ足りないかい?」


「ああ。施策は問題ないのですが。要はそれを実行に移すまでの折衝役というか。…兄さまそれも含めてクビにしちゃいましたよね?」


確かに。


施策は完璧でもそれを実行に移すのはここの領民たちだ。


ゴーレムの指示は当たり前だが魔力の高い物でないとわかりにくい。

だからそれをかみ砕いて説明する役が必須だった。


「…そもそもよくここの所問題にならなかったよね」

「それほど腐っていたようですよ?カイザルドさんが興奮気味に話して下さいました」


つまるところ。

実はこの領事館と言うか領主権限を持っていたモノ。


全く役に立っていなかったことが証明された。


「なるほどね。…ルード、やりがいあるね」

「ええ。王国中を驚かせて見せますよ?」


二人悪い顔でニヤリとする。

ああ。


やっぱり僕たち。


兄弟だよね。



何よりあの『小さかったルード』の堂々たる姿。


兄ちゃんは泣きそうでした。

うん。



※※※※※



結局。

この日僕は闇の女神討伐の打ち合わせ。


出来ずに疲れて寝てしまいました。


ははは、は。


もっとも。

僕の想い。


既にみんな承知してくれていたんだ。



ああ。

僕は本当に恵まれている。


『感謝』


その気持ちを再認識し、僕はまどろみの中に落ちていったんだ。



「面白かった」

「続きが気になる」

 と思ってくださったら。


下にある☆☆☆☆☆から作品への応援、お願いいたします!


面白いと思っていただけたら星5個、つまらないと思うなら星1つ、正直な感想で大丈夫です!


ブックマークもいただけると、本当に嬉しいです。

何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ