フラれて始まる新しい恋
この小説は、友達と「フラれる所から始まる、恋のハナシ」というお題を決め、書いてみました。
最後まで読んでくれたら嬉しいです☆
「ごめん、好きな人出来た。別れて?」
そう言われて、あたしの初恋は終わった。
あたしの名前は、今泉小織。高校2年生。
…本日大好きだった岡森先輩にフラれて、テンションはドン底。
大丈夫、まだ傷はあさい。あたしは自分にこう言い聞かせてた。
高校1年生になった時、あたしは、岡森先輩に恋をした。
一目ぼれ…だった。
岡森先輩はかっこよくて、運動できて、頭もよくて…つねにパーフェクトで…。
女子から大人気だった。
あたしは、絶対に付き合うことができないと思っていた。
1年の秋。
この時期には、1年生と2年生の合同遠足っていうのがある。
…小学生か、ってな感じであたしは思ってたけど、これがまた、みんなから大人気。
1年生の女子は、2年生の男子とペア。
1年生の男子は、2年生の女子とペア。
という風に、1,2年の間で、カップルになるチャンスだ。
そこで、1年の女子が狙ってたのは、岡森先輩。
あたしは、すんなり、岡森先輩と同じペアになった。
先生が、勝手に名前の順で分けたら、ちょうど。
他の女子に、「いいなぁ~」「ずるい!」とか言われたけど、そんなの関係ないっ!
だって、嬉しかったから。
「なぁ、今泉。なんか喋ったら…?」
真っ赤な葉っぱの付いた、たくさんの木のトンネルを通っている時、岡森先輩はぼそりと言ってきた。
あたしは、緊張しすぎて、喋る言葉が見つからなかった。
何しゃべればいいんだろ……。
「え…っと…。岡森先輩って…彼女いるんですか!?」
…やっちゃったぁ。
イキナリ何聞いちゃってんの、あたし。
岡森先輩ひいちゃったよね?
「第一声目がそれ!?…いたらどーする??」
意地悪そうな顔をして、岡森先輩が聞いてきた。
「…え。困る」
「何で?」
「だって、あたし。岡森先輩が好きだからッ……です…」
何言ってんだ!?
あたし。
何告っちゃってんの!?
…岡森先輩といると、勝手に口が動いて、変なこと言ってしまう。
「…まぢ?俺さ、お前のこと、いいなーって思ってたんだぁ~。付き合ってくれる?」
「………は、はいっ」
あたしたちの恋は、ここから始まった。
それからは、なぁんとなく付き合ってた。
岡森先輩はモテてて、色んな人に、呼ばれては合コンに行っていた。
あたしがいるのに、遊びまくってた。
だから、もう別れるかなーなんて思ってた。
けど…実際に、フラれると、とてもツラい。
わかっててもツラい。
「てゆーかさ、別れようって言った時、小織に即0kされたんだけどっ」
しょうがないよ。
好きな人出来たって言われたら、0kするしかないじゃんかっ!
そう思ったけど、笑うしかなかった。
…本当は嫌だったなんて、誰にも言えないよ。
「小織先輩♪」
岡森先輩が、練習に戻った時、男のくせに、可愛らしい顔をした、1年の井戸田良哉が話しかけてきた。
良哉も、陸部で毎日あたしと顔を合わせてた。
「どーした?」
「いーや。無理してるように見えたんで」
ギクッ。
「本当は、岡森先輩と別れるの嫌なんッスよね?小織先輩見てたら、分かります」
なんか、見破られてる??
あたしがだまってると、良哉が口を開いた。
「あっ!小織先輩て、夏休みあいてるッスか??」
「ん…?空いてるけど」
「んじゃ、俺と遊び…「だめだよッ!!良哉!!」
良哉が喋ってるときに、入ってきた、1年の女子。
良哉は、モテモテ。…あたしと違って。
「ゥチ等と遊ぶ約束したじゃんッ!」
「あぁ…そうだったぁ…。ごめんッス。先輩っ」
いやいやいや…。
あたし、遊びたいなんて一言も言ってません?
なんか、あたしが言ったみたいじゃん、それじゃ。
「別にいーけど~」
でも、ニコリと笑って、上から目線で言ってみた。
何回も謝ってきた、良哉が面白くて思わず笑ってしまった。
夏休みは、誰とも遊ばずに、部活に専念した。
…高2になって、こんなにさみしい夏休みを過ごすとは思ってもなかったけど…。
でも、この練習のおかげで、夏休みの最後にある、陸上の大会では、いい成績を残せた。
そして、あっという間に、去年、岡森先輩と付き合いだした、秋の合同遠足…。
2年の女子は、良哉を狙ってる。
あたしは、もうこんなのどーでも良くなって、誰とでもいいや、と諦めついてる。
それなのに、ペアになったのは、良哉だった。
どうして、あたしはいっつも女子が狙ってる男子とペアになるんだろ…?
「小織ずるーいッ!私と変わって!!」
1,2年が体育館に集まり、ペアが隣同士に座って、説明会を開いていた時、後ろにいた女子が言ってきた。
「…別に、いいよ?」
そう言ったら、その女子が、
「まぢー??ラッキー」
とはしゃいでた。
…別にいいだろう。
だけど、イキナリ隣にいた良哉が口をはさんだ。
「ダメッス、先輩。俺、小織先輩がいいッスから」
「…はぁ?」
あたしは、意味分かんなかった。
あたしがいいって言ってるんだから別にいいじゃん。
「えぇ~。つまんないのッ」
本当に、つまらなさそうに、他のほうを向いた。
あたしは意味が分からずにいた。
「は?意味分かんない。変わっても良かったのに」
「ダメッス!!」
そのあと、何にも話をせずに、説明会終了。
…良哉って良く分かんない。
なにを考えてるんやら…。
そして、合同遠足当日。
2回目だけど、やっぱり、小学生かっ。と思う。
しかも、この日だけ私服0k。
あたしは、出来るだけ可愛い服を選んだ。
「えーそれでは、今から自由行動でーす。この前きめた、ペア2人は離れたらだめですよー」
「「「はーい」」」
…小学生かっつーの。
今どき、「はーい」とか…。
「小織先輩♪」
「あ、良哉。じゃ、行こっかぁ」
「はいっ」
ニコニコ笑って、あたしの後ろをチョロチョロ歩く良哉。
「何よ」
思わず、あたしは言う。
「んーん。小織先輩可愛いなぁって思ってたんですぅ~」
か、可愛い!?
何でそんなにスラリと言えんの…。
「御世辞はいいから!!」
「御世辞じゃないッスよぉ」
すねるように言う良哉。
そういうところ、可愛いんだよなぁ…。
…良哉、素直だし。
思ったことすぐ言うし…(本当なのかは分かんないけど)
あたしは、良哉がうらやましい。
あたしもそういう人になりたい。
でも、無理……恥ずかしいし。
今だってそう。良哉、私服だといつもよりカッコいい…。
でも、あたし、言えないんだ、こういうの。
「小織先輩っ!」
「ん?」
「お、俺…」
顔お真っ赤にしながら言ってきた。
「俺…小織先輩のことが好きッス!!付き合って下さいっ!」
「…え?」
なんとなく、想像ついてた。
顔を真っ赤にするとか、急に小さな声になるとか…。
告白か…。
去年は、あたしがしたなぁ…。
去年の思い出がよみがえってくる。
でも、岡森先輩の思い出より、良哉の思い出が出てきた。
…嬉しかった。
だから、あたしは即「いいよ」とニッコリと笑い、答えた。
向こうも相当嬉しかったのか、
「よっしゃぁ!!」
カナリはしゃいでた。
そして、今年の秋から、また新しい恋が始まった。
良哉は、いつもあたしのことを思ってくれた。
…これが本当の「恋」……。
最後まで読んでてくれて、ありがとうございます。
この小説は、ゥチの記念すべき1作目の小説ですっ。
これからも、ドンドン書くのでよろしくお願いします。
コメ&アドバイスしてくれたら、嬉しいです。