三八三年 祝の三十五日
「おはよう、レム」
「おはよう、ソージュ。今回もよろしくね」
準備の為に、前日の今日からソージュが来てくれることになってる。
ソージュ、覚えるの早いし丁寧だし。もう何任せても大丈夫って感じで。ホントありがたいよ。
こないだの最後はバタバタさせちゃったし。今回こそククルにも休んでもらわないとだし。私もがんばらないと!
ソージュは訓練のない間、仕事と勉強をしてるんだって。
あれからネウロスさんとも手紙のやりとりしてるって言ってた。
「少しずつだけど、色々できるようになってきたから。楽しいんだ」
笑ってそう言うソージュ。
木工職人としての仕事が楽しいなら、もしかしてここに来るのは嫌になったんじゃないかなって思って。
「まだ手伝ってもらってていいの?」
そう聞いたら、もちろんって即答してくれた。
「宿の仕事も楽しいよ」
私を見ながら、ソージュは笑顔で答えてくれた。
ゼクスさんたちは予定通りに来てくれた。
アリー、今回留守番なんだって。
会えなくて残念。ナリスのことも報告したかったんだけど。
手紙に書こうかと思ったんだけど、書いた文面を読み返したら恥ずかしくって恥ずかしくって。とてもじゃないけど出せなかった。
直接言うのも恥ずかしいけど。アリーはぐいぐい聞いてくれるから話しやすいのはあるかな。
また来てくれるのを楽しみにして。そのとき報告するよ。
「レム、こっちは?」
夜、店を閉めて戻ってきてくれたお兄ちゃん。こっちは終わってるって言うと、ありがとなって返してくれたけど。
あれ? ちょっと元気になったかな?
「お兄ちゃん?」
「何?」
見返すお兄ちゃん。うん、やっぱり落ち着いたみたい。
「何でもない。先戻ってていいよ」
そう言うと、首を傾げながら戻っていった。
何だかよくわからないけど。
訓練が始まるまでに落ち着いてくれてよかったや。
前回の訓練から十数日、ソージュは少し落ち着いたようです。落ち込みまくって相談相手のエリシアに嘆いたりもしました。
本編は引き続きテオとロイ。ククルはモノじゃないですよ…。