三八三年 祝の二十六日
朝起きて。いつもはしまってある、ナリスからもらったペンダントの箱を開けてみる。
今日は祝の二十六日。ナリスの誕生日だね。
「おめでとう、ナリス」
呟いて、ペンダントをまたしまって。
お父さんにはナリスが何歳でも関係ないって言ったけど。自分の年というか、幼さは気になるよ?
ナリスはとっくに大人だし。
私はまだまだこどもだし。
ナリスは私に合わせてくれるけど、物足りなくないのかなって。
でも背伸びの仕方なんてわからない。
ゴードンの街で一緒に歩いたときも、兄妹にしか見られてないだろうなって思ってた。
ナリスはあんまり気にしてなさそうだったけど。
隣に立っても恥ずかしくない私に、どうやったらなれるのかな。
私、ホントにこのままでいいのかな…。
そんなことを思っても、私は私にできることをするしかないのもわかってて。
私にできることっていったら、宿での仕事しかなくて。
うん、そうだよね。
大好きなのこの宿の為に。
今日もがんばろう。
ナリス誕生日。本編と日付が被ったのは偶然です。
メインキャラ誕生日で出てないのは、ジェット祈の五日、ダン動の二十七日、リック明の五十日、くらいですかね。
本編はウィルの手紙。ついついジャム屋を覗いてしまうようになりました。