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三八三年 祝の十日

 びっくりしたよ??

 お昼すぎ、ロイがククルと腕を組んで入ってきたと思って滅茶苦茶びっくりして。どうしようと思ってたら、ロイじゃなくてアリーなんだもん!!

 二回驚いたよ! アリーってば!

 満面の笑みのアリー、ロイと同じ髪の色に戻ってて。ばっさり切って。

 男物の服着てるし、ホントにロイかと思って焦ったよ。

「アリー!」

「久し振りね、レム」

 ふふっと笑うアリー。元気そうでよかった!

「レムを送れなかったから。悔しくってついてきたの」

 そう言いながら、私をぎゅっと抱きしめて。

「もちろん、じっくり聞かせてもらうわよ?」

 耳元で囁かれる。

 や、やっぱりそうなる、よね?



 アリーとククルが店に戻って。今度はゼクスさんたちとロイが来た。

「元気か、レムちゃん」

「皆さんも!」

 受付から出て。お礼を言わないと、と思い出す。

「誕生日のプレゼント、ありがとうございました!」

 誕生日のお昼に届いたプレゼント。

 四人の連名で贈られてきたの、ククルの造花のガラス版だよ?

 広口の濃い蒼の低めの花瓶に、オレンジ色の小花の枝が一本。グラつかないように、底にスポンジが入ってて。

 多分私のは部屋に飾れるようにしてくれたんだろうな。

 あとはお揃いの小花の髪飾り。こっちはもちろん普通の造花で。

 お礼を言ったら、気に入ってもらえたかな、って笑ってた。

「レムちゃんもありがとう」

「あれも今年のお返し、だったな」

 私からは濃い青とオレンジのニ色の布を編んだコースターを送ったんだけど。花瓶とお花の色にしたの、わかってもらえてた。

 喜んでもらえた、のかな。

 だったら嬉しいや。

 ソージュは初めてだったから、ゼクスさんたちに紹介して。

 ソージュ、アリーを先に見てるから、ロイを見て固まってた。

 ホント似てるよね。



 荷物を置いてから、皆はお茶しに行ったけど。少ししてからアリーだけ宿に来てくれた。

「向こうでお茶してたんじゃないの?」

「レムにお土産渡しに来たのよ」

 ふふっと笑って。黒い布袋を渡してくれる。

 中には淡い緑のガラスの腕輪が入ってた。金の模様が入ってて。半分透明で。

「綺麗…」

 思わず透かして見てると、アリーに笑われた。

「ククルと色違いなの」

「これ、アリーが?」

「そうよ。気に入ってもらえた?」

「当たり前だよ!!」

 思わず力が入っちゃったけど。

「ありがとう、アリー。嬉しいよ」

「よかった」

 アリーも嬉しそうに笑ってくれた。

 大事に袋にしまって。まだ置きに戻れないから、受付の下の棚に大事に置いといて。

 立ち上がると、受付の真ん前までアリーが近付いて来てた。

 私を見て、にこっと笑う。

「ところでレム! 本題に入るわよ」

 …やっぱり話さなきゃだめ?

 にこにこ笑って私を見てるアリー。

 わかったから!! 休憩もらって厨房で。ね。

 アリーのいたずら、こちらは大成功のようですね。レムは素直です。

 ゼクスたちからの誕生日プレゼント。届けに来たのはもちろんロイ、ではないです。

 本編は初のロイとアリーのやりとりですかね。

 どちらかというとロイのほうが振り回され気味です。

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冬野ほたる様 作
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