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三八三年 明の二十日

 朝、アリーから昔の話を聞いた。

 四歳のこどもを閉じ込めるなんてひどすぎるよ。

 もちろん今のアリーは笑ってるけど、怖かっただろうなって思うと何だか悲しい。



 今日もお菓子を持ってきてくれたアリーと一緒にお茶を飲む。

「なあに?」

 じっと見てたら笑って聞かれた。

「…怖かったよね」

 そう言うと、そうね、と返してくれた。

「しばらく暗いところが苦手になる程度には、怖かったかしらね」

 くすっと笑って。

 本当に何でもないことのように言ってるけど。

 今でも覚えてるくらいだもん。多分、そんなことなかったんだよね?

 アリーはお茶を飲んで、何か思い出すように瞳を伏せた。

「でもね、ロイが一緒だったから。私が諦めちゃ駄目だって、ずっとそう思ってたわ」

 姉だからね、とアリーは笑う。

 アリー、普段はロイのこと愚弟って呼んだりしてるけど。

 ホントはロイのことものすごく大事に思ってるんだって、すごく伝わって。

 それがわかったら、アリーが強くなりたかったのも、ロイに負けるのが嫌なのも、どうしてなのか納得できて。

 そうだよね。双子なんだもんね。

 きっと普通の姉弟より、特別なつながりがあるんだろうね。

 普段のふたりがどんな感じなのか、見たことないからわからないけど。

 きっとそうだよね。

「アリーはロイのこと守りたいんだね」

 そう言ったら、アリーはびっくりした顔で私を見て。

 それからちょっと赤くなって。

「そんなことないけど…絶対にロイには言わないでよ?」

 小さな声でそう言ってきた。

 そんなことないことないの、バレバレだよ、アリー。

 もう、ホントかわいいよね。

 あまり出ないアリーのロイへの思いです。

 ロイのこともあり、ククルにはお姉さんっぽいアリーですが、レムには自然体ですね。

 本編は久し振りにウィル登場でした。

 追い詰められたウィルがどこまで手を出すことかと思いましたが。まだ分別があったようです。

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冬野ほたる様 作
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