三八二年 雨の二十四日
昨日何だか浮かれてたお兄ちゃん、今朝はめちゃくちゃ落ち込んでる。食堂に行く頃には普通の顔になってたけど、夜の間に何があったのかな?
そんな心配をしてたら、お昼前にジェットが帰ってきたってお兄ちゃんが飛び込んできて、お父さんを引っ張っていった。
それからすぐにこっちに来てくれたジェット。お母さんと私に頭を下げてお礼を言ってくれた。
「フィーナ義姉さん。レム。クゥのこと、本当にありがとう」
「ククルは私たちにとっても家族なんだから。当然よ」
お母さんはそう言って、ジェットの肩をぽんと叩いた。
「ククル、ほとんど泣かないのよ。ジェットがいる間だけでも甘えさせてあげてね」
「…甘えてくれたらいいんだけどな」
そう、ちょっと困ったように笑って。
クライヴさんたちに会ってくるって、出ていった。
ジェットも笑ってるけど元気ない。
…って、当然だよね。
ジェットがいてくれるからって、お兄ちゃんがいつもよりこっちを手伝ってくれた。
多分、ククルとジェットがふたりで話せる時間を作るつもりなんだろうな。
お兄ちゃん、何にも言わないけど。
ククルに伝わってるといいね。
やっぱりレムには色々バレてるテオ。
家では気が緩んでいるようです。